第16.5話 夏になった少女
ーねえ、ひま
世の中は残酷。
ーひま、あたしがまもれなくてごめんね
彼女は夏になった少女だった。
ーあたし、神様なのに守れなかったよ
もっと小さい頃に神に選ばれてしまった。
ーごめんね、不幸だったよね
だからこそ、愛情を求めた。
ーあたしのせいで、こうなっちゃったんだよね
その矛先が友達に向いた。
ーわがままな神様でごめんね
その友達もまだ同い年の少女だった。
ー決めたのはあたしなのに、巻き込んじゃったよね
友達の気持ちは振り子のように揺れた。
ーちゃんと、言うこと聞けばよかったよ…
友達は夏になった少女が自分を頼っていることを驚きつつも嬉しく思った。
ーでもね、あたし、新しいことを知れたの
だから、友達は了承した。
ーだからね、あの時間は必要だったんだよ
そして出来上がったのが夏主従だった。
ーねえ、ひま、あたし、わがままだったよね
何度も何度も苦難を共に乗り越えた。
ーあたしがわがまましたせいかな、
毎年共に夏を迎えた。
ーごめんね
それなのに、ひまが先に逝ってしまった。
ー神様、あたしに怒って、あたしからひまを奪ったのかな
どんなに後悔しても時間は戻らない。
ーあたしさ、本当に幸せだったの
崩されてから知る【幸せ】。
ーひまがいたから、幸せだったの
それはあまりにも儚すぎる。
ー今さ、櫻ちゃんと動いてるの
そんな人生は嫌だと思った。
ーでもね、ひまに…ひまにいて欲しかったよ
そんな人生から一度でいいから抜け出したい。
ーひまがいないと悲しくて…あたし、泣いちゃって…
そんな人生に反撃してみたい。
ーでもさ、あたしはひまに笑ってて欲しいの
そんなことは本当にできないのだろうか。
ーだから、あたしが笑わせてあげる
2人なら、できるから。
だから、ついてきてくれる?
ーだから、笑っててくれる?




