第16.0話 星になった少女
この世は残酷で
みんなは幸せになれない。
どんなに怖くて苦しくてもがいても神様は助けてくれない。
手を差し伸べてくれない。
個人個人の気持ちがあるからということはわかっているのに、どうしてもやるせない。
ー嗚呼
神様はいないのかな。
ーなんで、
神様なんてみんなの偶像であって本当にいるわけじゃないってわかってるのに。
ーなんで、なんで、
なんで、信じてしまうのだろう。
ーなんで、なんで、なんでなの、
神様はいないって前から知ってたのに。
ーねえ、なんでそんなことするの
なのに、信じて祈ってしまう。
ーねえ、なんでなの
生き返らせてください、と
ーなんで、私を朝日から離したの
生き返らせてくれたらなんでもやってあげるなんて思ってしまう。
ーなんで、私じゃだめなの
自分の主人のために、なんでもしてしまう。
ーなんで、私は朝日から離れなきゃいけなかったの
それだけ、主人は大きい存在だった。
ー私にはわかる。朝日は悲しんでる
神様に祈ってしまう。
ーなんで、不幸にしたの
神様は自分を不幸にしたはずなのに祈ってしまう。
ー普通の、静かな日常で十分幸せだったのに
それがなんでかなんて、自分でも分からない。
ーちっちゃな幸せでよかったのに
そこに残る事実は幸せが奪われたということだけだ。
ー一緒にいるだけで十分幸せ
祈ったなんていうのは心の持ちようだ。
ーせめて…これからの私の人生での幸せを全部朝日にあげたい
朝日が幸せになれればいい。
ー朝日、絶対、私が見守ってるから
朝日が幸せになればそれでいい。
ー私が絶対幸せにしてあげる
前を見て歩んでいって欲しい。
ー私はいつでも朝日の味方。それは揺るぎない事実だから
今の朝日はそれができていない。
ー朝日を守るのは私なのに
だからこそ、神に祈るしかない。
ー私がずっと、そばにいられたらよかったのに




