直球
「雪音様、おはようございます。」
カーテンをシャッと開ける音に眩しく暖かい光、そしてモニカの声とお腹を刺激するような焼きたてのパンの甘い匂いがする。
基本的にいつも自分で起きて支度を済ませてしまうけど、昨日はウィルのことを考えていたら少し寝るのが遅くなってしまって寝坊してしまったみたいだ。
だって、ウィルが私のこと、す、好きって…!!
しかも結婚しようだなんて早すぎる。
と言いつつ嬉しくないわけがない、あんなにかっこよくて優しい人に言われたら嬉しいに決まってる。
あーーどうしよう、顔も合わせづらいよ…
私はモニカが用意してくれたパンにジャムを付けて食べながら悶々と考えていた。
とはいえ、いつもより少ない食事だったためすぐ食べ終わってしまった、ウィルがモニカに少なめにするよう昨日伝えてくれていたそうだ。そういう気遣いが出来るところが余計にいい印象を与えてくる。
モニカから受け取った動きやすそうな白シャツと濃い青色のサロペットに着替えて、あとはウィルが来るのを待つ。
コンコン
ノック音が聞こえたので返事をすると、私と同じように白いシャツを着ていつもよりも軽装な格好をしたウィルだった。
「おはよう、雪音。今日も朝から一段と可愛いね.」
「お、おはよう。えっと、キールは?」
「先に行っててもらってるよ。玄関で待ち合わせ。朝一番の雪音を見る男はなるべく俺がいいからね」
聞きました?皆さんお聞きになりまして?
甘い、甘すぎるよ、胸焼けしちゃう。
どこかの国にある世界一甘いって言われてるあのスイーツくらい甘いよ!食べたことないけど!
顔が赤くなってくのがすごくわかる。咄嗟に見られないように下を向こうとするが、許さんと言わんばかりにウィルの指先が私の顎先に触れ前を向かされた。
目が合った途端に動けなくなり、ウィルから目が離せなくなった。実際は10秒くらいだろうが体感1分はそのままだった。
「私、先にいってる!!」
耐えられるはずもなく、私はこの国の王様を置いて逃げた。




