※ウィルside
ウィリアム・リンドネール。
この世に生を授かって20年。
父上と母上は存命で、子宝に中々恵まれずやっと授かったのが俺だ。
だからなのか、それはもう甘やかしに甘やかされまくってやりたい放題…まではいかないがそれなりに上手く自由にやってきた。
国中が待ちわびていた存在の俺は、父と母だけではなく国中からも甘やかされていた。
そんな俺を叱咤する者もおらず、一時期は羽目を外しすぎた時もあった。
まぁ、その時のせいで''死神''なんてくだらないあだ名と噂をされるようになったんだが。
ちゃんと王子としての教育も受け、王政にも関わりつつたまに魔物も退治しに討伐隊に加わったりして実績を残していったおかげで無事国王という地位に就いている。
両親は今は国外旅行中。なんでも母上がどうしても北の国にある採りたての牛乳で作ったソフトクリームが食べたいと言い出し、母上に甘い父上はすぐに手配しその日のうちに旅立って行った。
まさか父上たちが不在の時に召喚の儀式を行うことになるとは思わなかったが、そうはいってられなくなってきた。
魔物が増えたことで国民たちの不安になっている。
異国のものたちには申し訳ないと胸が痛むが…
異国からやってきたのが雪音と夏希。
雪音が来てから、いや雪音に怒られたあの瞬間から俺の世界は色付いた。
今まではのらりくらりと過ごしていたが特に楽しい訳でもなく、ただ寿命が尽きるのを待っていた。
雪音がいると楽しい。可愛いし愛でたいし、意地悪だってしたい。どんな反応をするのかこの目で見たい。何でも与えて甘やかして、俺しか見えないように、俺から離れられないように、俺がいないと生きていけないようになって欲しい。
その赤い潤いのある果実のような唇に触れたら、キスをしたら、一体どんな反応をしてくれるだろうか。
ご飯は俺の手であげたいし、座る時も椅子になりたい、荷物なんて俺が持つし、体洗う時も洗ってあげたい。
他の奴なんかに触れさせたくない、視界にも入って欲しくないし、ましてや会話も俺とだけでいい。
他の男が近づくのならば排除するだけ。
夏希とかいう勇者が元カレらしいが、殺すか?
いや、今は様子見よう。
雪音には俺だけでいいんだ。
だって俺は雪音を愛してるから。




