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 お昼休み。僕は自分と桃子さんの分のお弁当を持って屋上に行く。まだ誰もいないから、桃子さんとすぐ合流できた。


「まさか本当に秀くんのお弁当が食べられるとは思ってなかったわ。作ってきてくれてありがとう」

「見た目はあれだけど、味は保証します」


 ほかには誰もいない屋上で、昨日から恋人になった桃子さんとランチデート。


 僕が作った卵焼きを食べた桃子さんは、しあわせそうに頬をゆるませる。


「美味しい。ねぇ、今度料理教えて」

「いいですよ?」


 ああ、なんだかしあわせいっぱいだ。


「今度の週末、また店に行くので、よかったら指名してください」

「いいの? 恋人を独り占めしちゃって、店長とかに怒られない?」

「うちはそういうところ、ゆるいんで大丈夫です」


 そういえば店長のアキナさんが新人が入ったって言っていたな。どんな子なんだろう?


「女装パブって、楽しいからすき。シュウくんの指名もしちゃおうっと」

「浮気しないでくださいね?」

「しないわよ。でも、いい? わたし以外の女性にちやほやされても、わたしのこと忘れたら嫌だよ?」


 子供みたいにすねる桃子さんがカワイクて。彼女の頬にそっとキスをした。


「浮気なんてしませんよ。それに、女性よりキレイな顔だからって逆に振られるんです」

「それも謎よね。でも、いい? わたしも浮気しないからね?」

「はいはい」


 桃子さんと一緒にいると癒される〜。


 なんか、だんだんカワイクなってくるのですけど、気のせいかな?


「あと、これ見て。シュウくんに似合いそうな服があったの」


 お弁当食べながらスマホを出されるとちょっと悲しいけど、桃子さんの画面に映る服に悲しみも吹き飛んだ。


「カワイイ。こういう服も着てみたいって思ってたんだ」


 そう言うと思った、と言って、桃子さんはごちそうさまと手を合わせた。


「僕の方も、桃子さんに見てもらいたい服があるんですよ」


 今朝買った雑誌を広げる。


 男装はやっぱり、スーツじゃないとね。

 

「肩パットまでやらなくてもいいけど、こういうのが桃子さんに似合うと思う」


 僕が名前を呼ぶたびに、肩を揺らす桃子さんがカワイイ。


「うん。このくらいなら着てみたいな」

「じゃあ、週末の午前中に一緒に買い物に行きませんか?」

「行く〜っ!!」


 うわっ。これって初デートじゃんっ。


     つづく

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