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第80話:金の繭から目覚めた朝に
まるで、永い永い夢の中にいたようだった。
私が重い瞼をようやく持ち上げた先には、クライドとレイ、ふたりの変わらない姿があった。
彼らは慈しむような微笑みを浮かべ、その手を差し伸べてくれた。
「おはよう、僕らのお姫様。」
私が金の繭のような光に包まれ始め、時の流れから切り離された時、ふたりは話し合って決めたのだという。
いつ目覚めるかも分からない私を置いて、彼らはふたりだけで一度きりの生涯を終えることも、ふたりきりで永遠を生きることだってできたはずなのに。
「お姫様は、王子様のキスで目覚めなきゃいけないからね。」と、クライドはいたずらっぽくウインクする。
彼は自分では素直に認めないけれど、本当はとても、とても優しい人だから。ひとりきりで目覚めるだろう私の孤独を、彼はきっと誰よりも心配してくれたのだ。
「ねえ、アイ。僕たちの専属女神として僕らの花園で咲き誇ってくれますか?」
蕩けるような笑顔と、優しく甘い声。
「ふふっ……あははは! もう、クライドったら!それ絶対オトにも言ったやつでしょ。」
「おや、もうバレちゃったかな。」
変わらず華やかに笑うクライドと、その傍らで、やれやれといった様子で優しく微笑むレイ。
このふたりと居られるなら何も怖くないと思えた。




