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異世界ランキング王~総合1位だけが王になれる世界〜  作者: れいじ


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83/96

第83話 トップ10の壁

第83話です。


残り一時間となり、すべての《エリアの玉》の位置が公開された大規模エリアバトル。


そしてスペースワンダフルのいるエリア66に、二つ目の玉が入ってきました。


ここまで四つのエリアを守ってきた大河たちですが、最後までこのまま順調にいくとは限りません。


近づいてくるのは、いったいどんなグループなのか。


今回もよろしくお願いします!

 《エリアの玉:2》


 地図に浮かんだ表示を見つめたまま、誰もすぐには動かなかった。


 つい数分前まで、エリア66には大河が持つ玉しかなかった。それが今は二つ。しかも二つ目の光は隣接するエリアから移動し、明らかにこちらへ入ってきている。


 乾いた風が岩場を抜け、大河の頬を撫でた。西へ傾いた陽射しが岩の表面を橙色に染め、長く伸びた影の先では草が静かに揺れている。景色だけなら、先ほどまでと何も変わらない。


 だが、大河にはもう、その静けさが不自然に思えた。


「……どこだ?」


 地図を畳み、斜面へ目を凝らす。


 クララもすぐ横へ並び、赤い髪を耳へかけながら周囲を見回した。ライズは拳を握り、ルルとトータは大岩を背にするように立っている。


「玉がエリア66に入ったってことは、もう近くにいるんだよな?」


 トータが声を潜める。


「そうなるわね。でも、誰が持ってるかまでは分からない」


 クララが答えた直後だった。


 ザッ。


 斜面の向こうで、草が揺れた。


 大河の視線がそちらへ飛ぶ。


 一人。


 続いて二人。


 岩陰から次々と人影が現れ、五人になった。


 こちらへ一直線に近づいてくるわけではない。一定の距離を保ったまま、大河たちの様子を窺っている。


 大河も相手を観察した。


 男が三人、女が二人。全員が戦闘用の装備を身につけ、二人は杖を持っている。


 そして、その胸元。


 陽射しを反射して、小さな紋章が光った。


 菱形。


 宝石のような形をした、ダイヤモンドの印だった。


 隣にいたクララの目が細くなる。


「……まずいのが来たわね」


「知ってるのか?」


 大河が横を見ると、クララは相手から視線を外さないまま小さく頷いた。


「ダイヤモンドヘッド。グループランキング八位よ」


「八位……?」


 トータの声が裏返った。


「しかもアイナルファイター傘下。見た感じ、あの杖を持ってる二人はハイランカーね」


 大河はもう一度五人を見る。


 今までの相手なら、クララがいることに気づいた時点で足を止める者も多かった。先ほども何組かが、遠距離から放った魔法だけで引き返している。


 しかし、目の前の五人にそんな様子はない。


 むしろこちらを観察している。


 誰が玉を持っているのか。


 誰から潰すべきなのか。


 そう見定められているような視線だった。


「来るぞ」


 ライズが腰を落とした。


 次の瞬間、相手側の杖が上がった。


 バチッ!


 青白い光が弾ける。


「散って!」


 クララの声と同時に、大河は地面を蹴った。


 直後。


 ズガァァン!


 さっきまで五人が立っていた場所へ雷が落ち、岩の破片が四方へ飛び散った。


「うわっ!」


 トータが頭を抱えて伏せる。


 しかし、敵は待ってくれない。


 もう一人の魔法使いが杖を振り下ろした。


 地面が揺れる。


 ゴゴゴゴゴ……!


「なんだ!?」


 大河の足元から岩が突き出した。


 身体を捻ってかわす。その横をライズが駆け抜けた。


「魔法使いは任せた!」


 ライズが近くにいた男へ拳を振り抜く。


 ドッ!


 相手は両腕で受け止めたものの、靴底を土へ滑らせながら後退した。


「硬っ!」


「よそ見してる暇あるのか!」


 男の蹴りがライズの脇腹を狙う。


 ライズは肘で受け、身体を回転させながら逆に蹴りを返した。


 バシッ!


 二人の脚がぶつかる。


 一方、大河へも別の男が迫っていた。


 剣が横薙ぎに走る。


 ヒュンッ!


 大河は上体を反らして刃をかわし、踏み込む。


 腕を取る。


 そのまま投げようとした瞬間、背中に嫌な感覚が走った。


「大河、避けて!」


 クララの声。


 大河は相手の腕を離し、横へ跳んだ。


 ドォン!


 火球が二人の間を通り抜け、背後の岩へ炸裂する。


 熱風が頬を打った。


 大河は着地しながら歯を食いしばる。


 一人を捕まえても、別の誰かがすぐに援護してくる。


 今までとは違う。


「トータ!」


 大河は振り返った。


 トータはルルとともに岩陰へ移動している。


「目印、使えるか!」


「えっ?」


「誰でもいい! 一人につけてくれ!」


 トータの表情が固まった。


 これまで隠してきた能力。


 ここで使えば、相手に知られる。


 だが、迷っている時間はなかった。


「……分かった!」


 トータが岩陰から飛び出す。


「ルルはそこにいて!」


「トータ!」


 ルルが手を伸ばすが、トータはすでに走っていた。


 正面ではクララと二人の魔法使いが激しく撃ち合っている。


「《炎弾》!」


 ボボボッ!


 クララの周囲から生まれた炎が次々と飛ぶ。


 一人が水の壁を作った。


 バシャァァッ!


 炎と水がぶつかり、大量の蒸気が弾ける。


 白い霧が視界を覆った。


「今だ!」


 トータがその中へ飛び込む。


 クララは追わなかった。杖を握ったまま、白い蒸気の向こうへ目を凝らしている。トータが何をしようとしているのか分かっていた。


 霧の中に人影が浮かぶ。


 トータが一気に距離を詰めた。


「何!?」


 振り向いた男の肩へ、その手が触れる。


「つけた!」


 淡い光が男の身体へ吸い込まれた。


 その瞬間。


「《炎界》!」


 待っていたクララの杖から、轟音とともに炎が噴き出した。


 ゴオオオオオッ!!


 トータが身を投げるように横へ転がり、そのすぐ後ろを灼熱の炎が駆け抜ける。


「くっ!」


 目印をつけられた男が咄嗟に防御魔法を展開した。


 半透明の壁と炎が正面から激突する。


 ドォォン!


 障壁が激しく揺れ、男の靴底が土を抉った。


「ぐっ……!」


 クララは杖を握る手に力を込める。


「逃がさない!」


 炎の勢いがさらに増した。


 ピシッ、と障壁に亀裂が走る。


「まず――」


 バリンッ!


 障壁が砕け、爆風が男を呑み込んだ。


 ドガァン!


「うわあっ!」


 男の身体が地面を跳ねるように転がっていく。


 その一方で、炎を避けて転がったトータの前には、すでに別の男が迫っていた。


「何をした!」


「げっ……!」


 トータが起き上がるより早く、拳が腹へめり込んだ。


 ドゴッ!


「ぐっ!」


 身体が浮き、そのまま地面へ叩きつけられる。


「トータ!」


 大河が駆け出す。


 しかし男の蹴りが先だった。


 ドッ!


 脇腹を打ち抜かれたトータの身体が地面を滑り、岩へ激突する。


 大河が辿り着くより先に、トータの身体を転移の光が包んだ。


「くそっ!」


 大河の目の前で光が弾け、トータの姿が消える。


 その向こうでは、《炎界》を受けた男が地面へ倒れたまま動けず、こちらも光に包まれていた。


 ほとんど同時に二つの光が戦場から消える。


 トータは脱落した。


 だが、その五秒が、ダイヤモンドヘッドの一人を道連れにした。


 立ち止まっている暇はない。


 すぐ横から剣が迫る。


 大河は身体を沈め、相手の懐へ潜り込んだ。


 ドンッ!


 掌底を腹へ叩き込み、相手がよろめいたところで腕を取る。


「ふっ!」


 腰を入れ、一気に投げる。


 ドガッ!


 男の背中が地面へ叩きつけられた。


 だが、まだ消えない。


 起き上がろうとする相手へ大河が踏み込もうとした、その横で大きな音が響いた。


 ズガァン!


「ライズ!」


 ライズが吹き飛ばされていた。


 相手の男と殴り合っているところへ、横から雷魔法を受けたらしい。


 地面へ肩から落ち、それでもすぐに片膝を立てる。


「まだ……!」


 ライズが立ち上がった。


 口元を拭い、再び拳を構える。


「こっちはまだ終わってねえぞ!」


 地面を蹴る。


 目の前の男へ拳を叩き込み、その頬を大きく歪ませた。


 ドゴッ!


 相手がよろめく。


「おらぁ!」


 もう一発。


 だが、その拳が届く寸前。


 地面から突き出した岩がライズの腹を打った。


 ドンッ!


「がっ!」


 身体が浮く。


 そこへ男の拳が横から叩き込まれた。


 バキッ!


 ライズが地面へ倒れる。


「……まだ、だ」


 腕をつく。


 立とうとする。


 しかし、右腕が震え、身体を支えきれない。


 拳を握ろうとした指から力が抜けた。


「くそ……」


 光が身体を包む。


 ライズは最後まで敵を睨んだまま、ランキング協会へ転移していった。


 残ったのは三人。


 大河。


 クララ。


 ルル。


 対するダイヤモンドヘッドは四人。


 数だけなら一人差まで縮まった。


 だが、ルルは戦えるわけではない。


 実質、大河とクララの二人で四人を相手にしなければならなかった。


 そして、相手にはまだ魔法系ハイランカーが二人残っている。


「クララ!」


「分かってる!」


 杖が振られる。


 巨大な水の塊がクララへ飛ぶ。


 クララが炎を放つ。


 ドォォン!


 炎と水が正面からぶつかり、白い蒸気が爆発するように広がった。


 その中を雷が突き抜けた。


 バチバチバチッ!


「っ!」


 クララが風の壁を作る。


 ズガァン!


 衝撃で赤い髪が大きく乱れ、靴底が地面を滑った。


 大河は目を見開いた。


 クララが押されている。


 今まで、魔法戦でクララがここまで後ろへ下がらされたことはなかった。


「まだよ!」


 クララが踏みとどまる。


 右手を振ると、無数の炎が空中に生まれた。


 ヒュヒュヒュッ!


 炎が雨のように降り注ぐ。


 相手の一人が土壁を作る。


 ドドドドドッ!


 炎が壁を削る。


 もう一人がその陰から水魔法を放った。


「クララ!」


 大河が飛び込み、クララを抱えるように横へ跳ぶ。


 バシャァン!


 水が地面を抉った。


「大丈夫か?」


「ええ。でも……」


 クララの額には汗が浮かんでいる。


 呼吸もさっきより速い。


 大河は敵を見る。


 向こうも無傷ではない。


 それでも四人が立っている。


 このままでは削り負ける。


「大河」


 クララがゆっくり立ち上がった。


「一度だけ、大きいのを使う」


 その声で、大河には何をするつもりなのか分かった。


「炎帝か?」


 クララが頷く。


「ルルをお願い」


 大河はルルの前へ立った。


 クララが一歩前へ出る。


 息を吸う。


 その瞬間。


 空気が変わった。


 熱い。


 さっきまで吹いていた風が消えたように感じる。


 クララの足元から赤い光が広がり、周囲の草が熱に耐えきれず丸まっていく。


「何だ……?」


 ダイヤモンドヘッドの一人が杖を握り直した。


 炎がクララの周囲へ集まる。


 小さな火ではない。


 赤。


 橙。


 その中心では白く見えるほどの光。


 ゴオオオオオ……!


 炎が巨大な渦となって立ち上がった。


「《炎帝》!」


 クララが両手を突き出す。


 ドォォォォォン!!


 炎が大地を覆った。


 大河の頬にも熱が突き刺さる。


 これでもまだ足りない。


 大河は右手を前へ向けた。


「俺もやる!」


 火魔法を生み出す。


 そして、自分のスキルへ意識を集中させた。


「《火力マックス》!」


 身体の奥から何かが一気に引き抜かれる。


 ボオオオオッ!


 大河の炎が膨れ上がった。


 クララの《炎帝》へ重なる。


 二つの炎が一つになり、岩場そのものを赤く染めた。


「防げぇ!」


 ダイヤモンドヘッド側から叫び声が上がる。


 三人が前へ出た。


 光の壁が幾重にも重なる。


 ズドォォォォォン!!


 炎と障壁が激突した。


 地面が震える。


 大河は腕で顔を庇った。


 バキッ!


 近くの岩に亀裂が走る。


 ゴゴゴゴゴ……!


 炎は止まらない。


 障壁も消えない。


 ピシッ。


 透明な壁に亀裂が走った。


「押せ!」


 大河が叫ぶ。


「分かってる!」


 クララがさらに魔力を注ぐ。


 亀裂が広がる。


 しかし。


「うおおおお!」


 向こうも踏ん張った。


 光が強くなる。


 やがて炎が少しずつ弱まり始めた。


「そんな……」


 クララの唇から声が漏れる。


 最後の炎が消えた。


 白い煙が岩場を覆う。


 大河は肩を上下させながら、その向こうを睨んだ。


 煙が風に流される。


 人影が見えた。


 一人が膝をついている。


 もう一人も肩で息をしていた。


 だが。


 まだ四人いる。


 倒せていない。


「……まずいな」


 大河の喉がひどく乾いていた。


 火力マックスを使った反動で、身体が鉛のように重い。


「分が悪い」


 そのときだった。


 ドガァァァン!!


「ぐあっ!」


 ダイヤモンドヘッドの一人が突然横へ吹き飛ばされた。


「何!?」


 全員が振り向く。


 岩場の向こう。


 五人の人影が立っていた。


 装備は統一されていない。


 剣を持つ者。


 杖を持つ者。


 素手の者。


 だが、全員の胸元には同じ紋章がある。


 西日を受けて輝く、銀色の星。


 ダイヤモンドヘッドの一人が息を呑んだ。


「スターエルミナス……!」


 大河の背中を冷たいものが走った。


 グループランキング一位。


 五人がどのランクにいるのか、大河には見ただけでは分からない。


 だが、先ほどの一撃だけで十分だった。


 間違いなく強い。


 銀の星をつけた男が腕を上げる。


「行くぞ」


 それだけだった。


 次の瞬間。


 ドォン!


 五人が一斉に動いた。


「迎え撃て!」


 ダイヤモンドヘッドの魔法使いが叫ぶ。


 炎と雷が交差する。


 剣がぶつかり、凄まじい衝撃音が岩場に響いた。


 スターエルミナスは大河たちを見ていない。


 狙っているのはダイヤモンドヘッド。


 大河は一瞬だけ戦場を見た。


 ここに残る理由はない。


「クララ! ルル!」


 二人が振り向く。


 大河はそれぞれの手を掴んだ。


「逃げるぞ!」


「えっ?」


「今しかない!」


 身体へ意識を集中させる。


 すでに火力マックスを使ったばかりで、身体は重い。


 それでも。


「《スピード・火力マックス》!」


 ドンッ!


 地面が弾けた。


「きゃっ!」


 クララとルルの身体を引きながら、大河は一気に加速した。


 風が顔へ叩きつけられる。


 岩場が後方へ流れていく。


 背後ではまだ轟音が響いていた。


 ドォン!


 ズガァン!


 それでも追ってくる気配はない。


 大河は走った。


 肺が焼ける。


 脚が重い。


 それでも止まらなかった。


 やがて戦闘音が遠くなり、岩場の景色も見えなくなった。


「大河……もう、大丈夫じゃない?」


 クララの声に、大河はようやく速度を落とした。


「はぁ……はぁ……」


 膝へ手をつく。


 心臓が胸を内側から叩いている。


 そのとき。


『エリア8、《ダイヤモンドヘッド》の脱落を確認しました』


 三人の動きが止まった。


 大河は荒い呼吸のまま振り返る。


「……もう?」


 あれだけ苦戦した。


 トータとライズを失い、《炎帝》と《火力マックス》を重ねても倒し切れなかった相手。


 それが、もう消えた。


 クララも何も言わず、遠くの空を見つめている。


 大河はゆっくり地図を開いた。


 自分たちの玉が存在するエリアも、当然そこに表示されている。


「まだ止まれない」


「大河?」


 ルルが心配そうに顔を覗き込む。


 大河は地図上を指でなぞった。


 近くに、今のところほかの玉が表示されていないエリアがある。


「ここまで行こう。少なくとも今は誰もいない」


「でも、あんた……」


 クララが大河の顔を見る。


 大河は返事の代わりに二人の手をもう一度握った。


「もう一回だけ」


 息を整える。


 脚はすでに悲鳴を上げていた。


 それでも止まれば、玉の位置を見た別のグループがやって来る。


「《スピード・火力マックス》!」


 再び地面を蹴った。


 風景が流れる。


 最初ほど速く身体が動かない。


 太腿が焼けるように痛み、呼吸をするたび胸の奥が熱くなる。


 それでも二人の手を離さない。


 森へ入る。


 木々の間を抜ける。


 枝が頬を掠め、落ち葉が足元で舞い上がった。


 そして目的のエリアへ入ったところで、大河の脚から力が抜けた。


「っ……!」


 膝が地面につく。


「大河!」


 ルルがすぐにしゃがみ込んだ。


「大丈夫……ちょっと、使いすぎただけ」


 言葉とは裏腹に、呼吸が戻らない。


 汗が顎から落ち、乾いた土へ小さな染みを作った。


 ルルが大河の背中へ手を当てる。


 淡い光が身体を包んだ。


 胸の苦しさが少しずつ和らいでいく。


 だが、脚の重さまでは消えない。


「これ以上は無理しないで」


「……そうだな」


 大河は木の幹へ背中を預けた。


 地図を開く。


 今いるエリアには、自分たちの玉が一つ。


 ほかの玉はまだない。


 だが、それがいつまで続くかは分からない。


 隠れても意味はない。


 大河が玉を持っている限り、どのエリアにいるのかは全員の地図に表示される。


 トータはいない。


 ライズもいない。


 残っているのは三人。


 大河はまともに走れない。


 ルルに攻撃手段はほとんどない。


 大河は隣へ視線を向けた。


 クララは木にもたれながら、乱れた赤い髪をかき上げていた。額には汗が浮かび、《炎帝》を使った消耗が残っているのは明らかだった。


 それでも周囲を見る目だけは鋭い。


「……しばらく、強い奴が来ないことを祈るしかないな」


 大河が息を吐きながら言う。


 クララがこちらを見る。


 疲れた顔のまま、それでも口元をわずかに上げた。


「祈るのは勝手だけど」


 クララは木から背中を離し、森の奥へ視線を向けた。


「来たら追い返すわよ」


 木々の隙間を、夕方の風が抜けていった。


 残り一時間。


 エリアの玉は、もう隠せない。


 そして大河たちに残された戦力は、三人だけになっていた。

第83話を読んでいただき、ありがとうございました。


ついに上位グループとの戦いになりました。


相手はグループランキング八位《ダイヤモンドヘッド》。


これまで温存してきたトータの《目印》まで使い、クララの《炎帝》と大河の《火力マックス》を重ねても倒し切れない強敵でした。


そしてトータ、ライズが相次いで脱落。


かなり厳しい状況の中で現れたのは、まさかのグループランキング一位《スターエルミナス》。


大河たちが苦戦したダイヤモンドヘッドを短時間で脱落させ、一位と八位の間にある大きな差も見えてきました。


なんとか逃げ切ったスペースワンダフルですが、残ったのは大河、クララ、ルルの三人。


しかも大河とクララにはかなりの消耗が残っています。


残り一時間。


《エリアの玉》の位置を隠せない状況で、三人は最後まで領地を守り切れるのか。


続きが気になる、面白かったと思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!


次回もよろしくお願いします!

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