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20、機械国家


「友達……?」


 リカクは頷く。


「同じ日に同じ森で生まれて、ずっと一緒に暮らしていたんです。3年前、僕がこの国に連れてこられるまで……」


 ノールはやっと理解した。


「ここは、過去で間違いなさそうだね」


 ノールとウロタは、顔を見合わせてお互い頷いた。


「銀の砂漠で会った、トキスがこの時代のこの場所に僕らを送った。たぶん、リカクと接触させるためだね」


 リカクは目を見開く。


「トキスと会ったんですか!? それに、あなた達は未来から来たということですか?」


 ノールは頷いてみせると、リカクは拳を握った。


「トキス、助けに来てくれたんだ……。今なら、逃げ出せるかも……」


「どういうこと?」


「僕は、データ操作全般も任されています。それで、この地位を授けられましたが、同時に監視が厳しいんです。少しの時間なら、僕の位置情報を操作して、目を欺くのですが、外に出るとなると、さすがにバレてしまいます」


 リカクは目を伏せる。


「……僕は、こんな国嫌です。青の森に帰りたいんです……。トキス達に会いたいんです……」


 リカクが目を潤ませて言い、やっと年相応に見えた。


「でも、何でトキスはすぐ助けてくんないんだ? あの時移動なんか使えば、一発で逃げられるだろ?」


 ウロタがそう言うと、リカクは首を振った。


「この国にある、強力な結界石のせいです。他のどの国や町より、一番力が強く妖獣は入れません」


「だから、人間の僕らしかいないんだ」


 ククーとトキスがいなかった理由がわかり、ノールは少しホッとする。


「じゃあ、一度トキスと合流しないと……」


「僕もあなた達も、ここから外へ出ることはできないと思います。この街は、大きなドームで囲まれていて、出入り口も認証確認しなければいけません」


「ドーム? だって、空があるだろ?」


「あれは、映像です。現に、先程夜から急に昼間に変わって見せたでしょう?」


 ノールは納得する。


「それに、『にんしょう』とかってなんだ?」


「この国に入出国する時、通っても良い人物か、個人機で確認するんです」


 リカクは胸に着けていた、小さな板を見せる。


「これで許可されなければ出入口は開かず、また警報が鳴り、追われます」


「じゃあ、僕達も出られないのか……」


「リカクは何で、そんなに監視が厳しいんだ?」


「僕が、この国から出たがっているからです。こんな下らない機械操作より、森でひっそり暮らしたい。だけど、カキン王が僕の脳に目をつけ、未発達のこの脳に利用価値があると判断し、国から出ることを禁じられました」


 ノールとウロタは黙る。リカクは、二人を伺うように見た。


「……僕は結界石を壊したいと思っています」


「そんなことできるの? 結界石は、自然が作り出した絶対的なものって聞いたことがある。人の力では傷つけられない強固なものだと」


「僕の改造した光剣なら……おそらく……。力を貸してくれませんか? きっと、結界がなくなれば、すぐにトキスが来てくれます!」


「……僕達のこと信用できるの? この国の人でないのは確かだけど、もっと危ない奴らかもしれないよ?」


「危ないかどうかは、目を見ればわかります。あなた達は、充分信頼できます。トキスが選んだ人達でもありますし」


「……!」


 リカクの言葉に、ノールは目を見開いた。


「まあ、俺達もそれをあてにするしかないしな。それに、お前、ちょっとノールさんみたいだから、協力してやる。いいッスよね、ノールさん?」


「あっ……、うん」


 ウロタに声をかけられ、呆けていたノールはハッとする。リカクは、安心したように顔を綻ばせた。


「ありがとうございます! じゃあ、まずあなた達が捕まえたという偽の情報を流します。特徴も変えて……。お願いですから、今度はもう浮遊機械に触れないで下さいね」


 リカクは、今度は腕につけていた板の画面を触る。板は青白く光っていた。

 ノールもウロタも、この国には馴染めそうにないと思った。


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