↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ  作者: 壱弐参
第七章 ~聖戦士編・中編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

240/497

239 混乱に次ぐ混乱

昨日サボ――――やむにやまれぬ遊び的な事情があったのでお休みしてしまいました。

なので、本日は二話投稿とします。

2017/6/24 一話目の投稿です

 未だ理解していないポチを置いていくようで悪かったが、俺はジョルノの言葉を疑いつつも確信に迫っていた。

 ベイズ・ダグラスが悪魔であるバディンだったとしたら、ブライト少年を誘拐しようとした事も、フェリス嬢を誘拐しようとした事も、政敵であるアダムス家の財産を狙った事も頷ける。

 フルブライド家、アダムス家の両家に通じるのは武力だ。ジュンもポルコも聖戦士が認める程に強い。その血筋であるブライト少年とフェリス嬢が力を付け始めたら、何かと面倒だろう。

 誘拐出来たとしたら、革新派の目的を達しつつ、闇でブライト少年とフェリス嬢……いや、両家を滅ぼす事も可能だ。

 神聖国が革新派のものとなれば魔王軍にとって都合のいい事だらけだ。

 ――――――――という事は、イディア皇后は悪魔と繋がっていた……?


「うん、ようやく追いついたみたいだねっ」


 ウィンクをしながらジョルノが言ってきた。

 そういえばフルブライド家の仕事はジョルノが紹介したと言ってもいいが、あれも何か狙いがあったんだろうか?


「ジョルノさん、俺にフルブライド家の仕事を斡旋したのは理由があったという事でしょうか?」

「あの時はまだ、というのが正解だね。ポーアさん。あなたは保険のようなものだった。ポーアさん……いや、君たち二人ならば、何かやってくれそうな気がしたからね。当時弱かったけど、僕、そしてリーリアはね――――僕たちに守られながらもソドムまでの道のりを生き抜く事が出来た。たかがレベル百の二人がね」


 そうか、やはりジョルノは俺たちの情報を知っていた。

 もしかしてリーリアの心眼と何か関係があるのだろうか?


「ブルネアまでの道のりが一緒になったのは本当に偶然だったんだけどね。情報が情報だけに僕たちも次の一手を考えなくちゃいけなくなった」

「情報って…………っ! もしかして商戦団から聞いたっていう、乾きの砂漠のアランの街が滅ぼされたって話ですかっ!?」

「そういう事っ。ポーアさんの指摘で悪魔が北上している可能性が確信に変わったからね」

「確信って事は――つまり、お二人がブルネアに行った理由は、その可能性を調べるため……」

「うん。あのジャイアントマーダラーは、悪魔が起こしたんだろうね~」


 今度は苦笑するジョルノ。

 そんな軽そうに言うなよ。街一つ滅んでるんだぞ?


「そこで、ちょうどポーアさんのレベルも多少上がった頃だったし、僕の駒になってもらおうかなーと思った訳さ。……僕の予想を遥かに超える成果ってのは意外だったけど――」

「さぁ、理由を聞かせてもらいましょうか?」


 俺とジョルノのそんなやり取りに割って入ってきたのは、鮮血の……いや、鮮血塗れのリーリアだった。

 何この人、真っ赤っていうか、血から生まれたんじゃないかってくらい赤いぞ?

 …………なるほど、もう赤帝牛だけで対処出来る数しかモンスターは残っていないか。

 極力モンスターの経験値を赤帝牛に回したいのだろう。


「それは僕も是非知りたいねぇ? 炎龍討伐の話は風の噂で聞いたけど、あの段階でのポーアさんなら絶対に対処出来ないと思っていた。今回の戦闘でその実力は確認出来たけど、よもや、ここまでの成長をするなんて、誰が予想しただろうね?」


 横目で俺を見ながらニヤリと笑うジョルノ。

 どうして聖戦士ってやつは、こう、貪欲なんだ?


「マスターマスターッ!」


 ポチが肩をゆっさゆっさと揺すってくる。


「何だよ? 今大事な話してるんだ――――」

「――――という事は、イディア皇后は悪魔と繋がっていたって事ですか!?」


 …………うん、ようやく追いついたみたいだね。

 俺は深い深い溜め息を吐き、これまでの経緯を二人に説明した。勿論、禁断の修練(エクスペリブースト)についても包み隠さず。

 ジョルノは微笑みながら、リーリアは睨みながら聞いてくれた。

 血塗れのエルフ女から終始怒気のようなオーラが溢れていたのは気のせいだろうか?


「ハハハハハ、驚いたね。まさかポーアさんが最後の一人(、、)だったなんて」

「私たちより早く聖戦士になるなんて生意気、と言う他ないけど…………認めましょう。その力は本物だ。勿論、私自身は納得していないけどね」

「折角のそのアーティファクトも、神様に使用を制限されたってところが笑いどころだったかな、ははははは」


 現状、俺とポチしか使えないからな。

 ジョルノやリーリアに使えたらそれが一番なんだろうが、神の力が弱まると俺たちの聖戦士の加護の力も弱まってしまうだろうから、それはやはり出来ないだろう。

 今の俺たちと、ジョルノたちとのレベル差は、もしかして魔王との戦いの際に丁度よく縮まっているのかもしれない。もしかして神はそこまで読んでいるのか?

 だとしたら人知の及ぶところじゃないな。流石神と言うべきか。


「それにしても頑張ったね、ポーアさん。まさか絶望の使徒を一人で倒すなんて……」

「魔力が飛躍的に伸びたようでしたから、こちらのやりたい事が出来るようになったんです」

「あー、そういえばマスター。昔研究してましたねぇ? 魔力さえあれば発動に足る魔法と魔術」

「まぁ、あれは高望みし過ぎなやつもあったけどな。それでも使える魔法や魔術、それに加えて戦術が増えた事に変わりはないよ。それより、これからどうするんです?」


 俺の質問にジョルノは珍しく困った顔を浮かべた。


「何せ相手が相手だからね~、ここは聖帝様にお任せするのが一番いいと思うよ?」


 確かに、相手はイディア皇后だ。

 悪魔と通じていたとはいえ、バディンが死んでしまった以上裏の取りようがない。

 いや、もしかしたらミャンが知っているのかもしれないな。

 これらを含めてポルコに報告すればいいだろう。

 だが、何か嫌な予感がしないでもない……。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「イディア皇后が――」

「――いなくなったですってぇえええええええええっ!?!?」

「しー! しー! しー!」


 物凄く慌てるポルコ・アダムス。

 大声を出したのは当然ポチだった。もう少し時と場所を選べないものかね、我が使い魔は。

 悪魔がやってきた空間転移魔法陣を見つけ消滅させた俺たちは、使い魔杯が行われていたコロシアムの来賓席まで戻っていた。

 聖帝は安全のため、レガリア城へ避難したそうだが、ジュンが付いているから大丈夫だそうだ。


「ザッツ皇子共々姿をくらませたようだ。事が露見するのを見越して逃げたと思われる」

「意外でしたね。証拠がない以上、ごねて罪を逃れようとするのかと思いましたが……」

「それも時間の問題、と考えたならば早く動いた方がいいと判断したのだろうね。つくづく底が見えないお方だ……と、それにしてもポーア君? また強くなったのかね? 身体を覆う魔力が……最早人間とは呼べないレベルで尋常じゃないよ?」


 逞しい顔でさらっと言ったな。

 五千年も蓄えた知識に聖戦士としての力が加われば、そんな事にもなるよな。

 この強さがないと魔王とは戦えない以上、これは諦めるしかない、か。


「ゴホン。兎(と)に角(かく)、今日は君たちも疲れているだろう。陛下の計らいでレガリア城の客間を使ってよいとの事だ。私も後程向かうので、そこでくつろぐといい」

「そ、それって私もいいんですかっ?」


 ポチが嬉しそうに自分を指す。

 そうだよな、使い魔とはいえ獣であるポチにとってみれば珍しい事だ。


「使い魔杯の覇者を丁重にもてなせとの命令だ」

「聞きましたマスター!? 覇者ですって覇者! 敗者から一字抜けてるだけだというのに、ここまで意味が変わる言葉も珍しいですよ!」


 ようやくポチへのご褒美ってところだろうな。

 もしかしたらあの約束も忘れてくれるかもしれないな。


「これでトロピカル猫まんまも食べられるとか、今日は幸せの日か何かですか!?」


 しっかり覚えてたわ。


「ジョルノ君も行くだろう?」

「是非お願いします」

「リーリア君は――――」

「結構です」


 リーリアは愛想のない顔を見せ、そっぽを向いてしまった。

 まぁリーリアの場合は赤帝牛もいるし、柄(、)じゃないのだろう。

 ポチビタンデッドを飲んでいるから疲れこそないが、やはり今日は色んな事があったな。

 ……あれ?

 そういえば、ブライト少年にフェリス嬢を任せたきり会っていないが、チャッピーたちは一体どうしたんだ?


「チャッピー仮め~ん、参上!」

「ちょっとそこのチキン! いい加減その悪趣味な眼鏡を外しなさい!」

「む、現れたな我儘(わがまま)娘! いつもいつもいつもいつも父上を困らせてばかり……! そのねじ曲がった性格! お尻ぺんぺんの刑である!」


 ブライト少年は知らない振りをしているが、チャッピーに「もっと言ってやれ!」という感じの視線を送っている。


「誰が我儘よ! 誰が! 生意気なチキンにはご飯抜きの刑よ!」

「ぐはぁっ!?!? 世界が…………割れる!?」


 壮大なご飯抜きの刑だな。

 レガリア城門前で、我が子は一体何をやっているのだろう?


「ぐはぁっ!? マスター…………私のお墓には……毎日、千ゴルド相当の食事を備えてくださいお願いします絶対ですからね忘れたら怒りますからねぐふぅ……」


 お前もかよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。