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口紅
幸せを口に塗った。
首にまいた充電器のコードは
リボンのように解けた。
目から溢れたダイヤは流れ星に。
心に生えた棘は、
また心をかたどるように折れていった。
落ちた棘は花びらに変わり、私の足元に。
私を焼いたライターの火が、
いつの間にか月明かりに変わる。
熱くて痛いものは、
大抵、夜には柔らかい自己陶酔へと昇華する。
鏡の前に座り、うっとりと虚像を見つめる。
傷つけば、傷つくほどに
その痛みを隠す化粧で美しくなっていく。
幸せを口に塗った。
私は大丈夫だと、伝えたかった。




