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ヴォイドの呼び声Ⅰ虚無の跫音  作者: 逆立ちハムスター


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スザンカの放った氷列掃射が三列迫ってくる。体を横にし、間で避ける。だが氷列掃射をまともに受けたリフレクトが弾け飛んだ。再びリフレクトを放つ。

スザンカが小規模のホーリーレインを自身に放ち、炎上する自身の体の炎を鎮火させていた。スザンカは続け様にアンデッド退散、輝きの導きを放ちスザンカの体は黄色い光輝の炎に包まれていく。

スザンカのアンデッド退散は洗練されておらず、アンデッドハッグ達をたじろがせるだけで効果はないようだった。


奥に3つ見える大扉の内、左右2つが開き、黒い蛆の大群が現れ向かってきた。巨体化したメトゥスが前進し、迫り来る蛆の大群に多数の中型の死の火球を一斉に放っていく。大扉が解放されると同時に壁の隙間からもデスハンド達が湧き出始めた。

「ジャスミン! ゴーレムに目一杯アイスシャードを突き刺せ!」

「任せて!」

ジャスミンがボーンゴーレム各々に小型のアイスシャードを複数放つ。

虚無の誘いを放ち、ボーンゴーレムを掴ませ烙印を刻む。

ジャスミンの放ったアイスシャードは動き回るボーンゴーレムを上手く捉え、胴体の中心に突き刺さった。

透かさず各々のボーンゴーレムに中型の死の火球を放ち、ボーンゴーレムの体を死の炎で燃え上がらせ炎上させる。

大きな金槌音が響き渡り、白く輝くスザンカ。鋼のベールを自身に放ち終わったスザンカが恐らくホーリーレインをボーンゴーレムに放とうとしている。

スザンカをすぐさま骨壁で包み込み阻害する。黄色く輝く雲が一瞬出現したが、消滅した。


壁から湧き出て来たデスハンドは蛆を排出し、排出された蛆はボーンゴーレムに纏わり付こうと迫っていく。だが暴れまわるボーンゴーレムから火の粉が大量に周囲へ飛散し、蛆は炎上し死の炎に包まれ焼け死んでいった。

スザンカが骨壁を引き裂き、粉々にした。スクリームの咆哮を放ってくる。ジャスミンはスクリームの恐怖を受け、額を抑えながら少したじろいでいた。

スザンカに中型の死の火球を複数放つ。

だが同時にスザンカがこちらへ小型の光輝火球を多数放ってくる。

幾つかは互いに火球を衝突させ、衝突した火球が空中で爆発していく。骨壁を放ち、こちらへ向かってくる光輝の火球群を防ぐ。光輝火球を受け止めた骨壁は光輝の炎で燃え上がり融解していった。だが光輝火球で濃度の高かった幾つかが骨壁を粉砕した後も原型を保ったまま飛翔してくる、リフレクトが受け止め、弾き返す事はなかったものの上手く防いだ

濃度の高い死の火球がスザンカのリフレクトを貫通し、スザンカが死の火球を幾つか受けた。

「グゥ゙ァァ!」

スザンカの皮膚が死の炎で溶けていく。

スザンカが溶けた皮を剥ぎ捨てると、大きく、醜いハッグが身を現した。

互いに怯む間もなく火球を放ち合う。火球は衝突し消滅。衝突しなかった火球が互いの体を負傷させていく。

弾け飛んだリフレクトを再度放つが、すぐに光輝火球の多弾を受け消滅してしまう。リフレクトを放つ手間をかけた分、死の火球の手数が減ってしまい、飛翔する光輝火球が増加してしまった。防御を捨て、被弾覚悟で死の火球の掃射に注力する。


与えし者のローブに付与された光輝抵抗のおかげで痛み感じるほどの物は受けなかったが、経年劣化の影響か、光輝火球を受けたローブが焦げ、穴が空き始めた。

スザンカが開花の眼差しを劣化するローブに放ってくる。

「くそっ」

ローブから植物が芽吹き始めるが、死の抱擁で死の炎を纏い植物を焼き切る。

隙に再びホーリーレインを放ち自身の炎上を収め、視線の方向から自然の報復をこちらとジャスミンに放ってくるスザンカ。

足元に棘のついた蔓が伸び始めるが、軽く避け、一発の小型の死の火球を放ち、広がる前に根を燃やす。

スザンカの光輝火球に合わせ、死の火球を放つのを少し抑え、隙に死の抱擁を放ち、再火させ周囲の植物を完全に焼き払う。

ジャスミンに巻き付こうと伸びた蔓は茶色いベールに弾かれ枯れ消滅していた。


メトゥスの機転で死の火球を受け炎上しているアンデッドハッグが蛆を免れ、スザンカに向け小型の火球、小型のアイスシャードを放ち始めた。

メトゥスは壁から湧き出るデスハンドや奥から迫る蛆の大群に死の火球を放ち続け、進行を抑えていた。


ボーンゴーレムは残りの敏捷に逃げ回るハッグ達に手を焼いているようだ。

共に隙を得ていたスザンカが天使のベールを放ち、スザンカが黄色い半透明の靄に包まれていく。黄色い靄がアンデッドハッグが放った火球やアイスシャードを跳ね返し、アンデッドハッグ達が自身の放った魔法で次々と負傷していっていた。

スザンカが力を込め、魔法を放つ。

あれは……。すぐさま攻勢を強めるのは止め、ジャスミンを骨壁で覆う。

スザンカから放たれた目潰しの嵐が突風となり吹き抜けていく。

多少目が刺激を受けた。

「グウァァ!!」

アンデッドハッグ達の両目に青い靄が纏わり付き、アンデッドハッグ達は両目を抑えふらついている。複数の小型の光輝火球がアンデッドハッグ達に飛翔し、アンデッドハッグ達を灰に変えていく。ジャスミンに放った骨壁を消滅させると同時に死の火球の手数を強める。

「グゥ゙ァァァァ!」

アンデッドハッグ達に気を取られていたスザンカに多数の死の火球が被弾していく。尚もスザンカの光輝火球が止むことはなく、こちらに飛翔しないよう死の火球を衝突させ続ける。

長丁場だ。これじゃあラチが明かない。

だが死の火球を放ち続けている以上、あまり余裕がない。

空中で衝突し、爆発し続ける火球群。

スザンカの光輝火球は収まる気配がない。


メトゥスが全身の目を見開き力を解放し、自身にかかった青い靄を吹き飛ばした。ボーンゴーレムは予想通り盲目の影響を受けず、ハッグ達の相手を続けている。

スザンカに濃度の高めた小型の死の火球を迂回ルートでいくつか放つ。だがスザンカもこれに光輝火球で見事に対応してきた。

魔術戦闘の経験が豊富なハイドルイドか。ハッグに堕ちるとはな。

だがこれはどうだ。一発の死の火球に不可視化を纏わせ、上部から登頂部目掛け放つ。同時に左右、下部の迂回火球の手数を増やす。

「うっ」

正面の手数が減り、光輝火球で被弾してしまう。効力の劣化したローブの隙間から痛みが生じ始めた。


「グウァァ!」

障壁で最も脆い登頂部からリフレクトを貫通し、干渉できない天使のベールを通過、光輝の炎が弱まり始めたスザンカに濃度を高めた小型の死の火球が命中。スザンカが死の炎で燃え上がっていく。

軽い錯乱状態に陥ったのか、または知識や見識不足か、スザンカが氷の鎧を自身に放った。氷の鎧が死の炎の勢いを強めていく。

奴も焦り始めたか。だがそれはこちらも同じ事。変性、光輝、自然、水術、風術の体得に、戦い方といい、奴は想定以上に手強く、かなり魔法に精通している。だがなぜ呪術を放って来ないんだ。こちらを油断させる戦術か。

弾け飛んだリフレクト、天使のベールの好機を逃さず、放つ死の火球の手数を強めスザンカの体に浴びせ続ける。

氷の鎧で自滅したスザンカが再び自身にホーリーレインを放つと同時にこちらに小型の光輝の火球群を放ち、灰色の光球がスザンカの足元に降っていく。

羽ばたき、更に高い位置へ移動するスザンカ。コントロールを失ったスザンカの光輝火球群を避け、スザンカに膨張を放つ。だが威力が弱くスザンナに振り払われてしまった。均等の破壊を続けざまに放つが、結果は変わらなかった。避けたスザンカの光輝火球はこちらをまったく追うことなく地面に衝突し消滅していった。


スザンカの放った灰色の光球が地面に当たると、中型のアイスエレメンタル2体。中型のアースエレメンタル2体が姿を現した。

アースエレメンタルは3つの石の球体型の浮遊する体をゆっくりと回転させ、周囲に落ちている多数の小石を纏い向かって来る。


右側前方のハッグを片付け終えた血肉に塗れたボーンゴーレム2体をエレメンタル達へ向かわせる。

妙だ。ハッグ達も呪術を一切放つ事はなく死に絶えた。

左側のボーンゴーレムは残り数体のハッグ達の火球やアイスシャードで被弾し、膝を突きながらも腕を振り回し抵抗を続けていた。



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