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【完結】ヴォイドの呼び声Ⅰ虚無の跫音  作者: 逆立ちハムスター


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ジャスミンを見失った蛆が足を伝い登ってくる。冷たい蛆の体温が瞬時に襲い掛かってくる。全身に死の抱擁を放ち、体を死の炎で包み込む。

「シーーーーッ!!」

這い登ってきた蛆が黒く焼け、地面に散っていく。

両手から中型の死の火球を連続で放ち、深部から湧き出てくる蛆の群れを燃やす。魔法陣から這い出、触手に群がろうとする蛆の群れは、繋がり1つの群れと化し、死の炎が次々と引火していき燃え始めた。

迫り来るデスハンドの中には、こちらの攻撃を躱し果敢に向かってくる個体がいた。上手く擦り抜け向かってくるデスハンドに、翼で羽ばくジャスミンが中型のアイスシャードを次々と放っていく。

「ただでさえ寒いっていうのに!!」

ジャスミンが放ったアイスシャードは上手くコントロールされ、攻撃を躱そうと回避したデスハンドに対して、偏差撃ちを見事に成功させた。ジャスミンの放ったアイスシャードが全て命中し、数発で力尽きたデスハンドがオーバーキルのアイスシャードで吹き飛んでいった。

吹き飛び蛆の群れに衝突したデスハンドが、蛆が纏わり付いた姿で再び向かってきた。蛆は突き刺さったアイスシャードをも覆い尽くしていた。しかし明らかに動きが鈍足になり、蛆を纏うデスハンドにジャスミンの放つアイスシャードが再び命中していく。アイスシャードの衝撃で蛆が吹き飛び、デスハンドに突き刺さっていく。だが蛆を纏うデスハンド怯むだけで倒れる事なく向かってくる。

蛆を纏うデスハンドに死の火球を放ち、炎上させる。蛆が焼け死ぬとデスハンドはぐったりと地面に倒れ液状化していった。

ジャスミンのアイスシャードで炎の勢いが強まり、液状化したデスハンド液に死の火球が引火し、炎上していく。炎上した地面の上を通った蛆も燃えていき、死滅していく。

ジャスミンが小型の火球を蛆が纏わり別のデスハンドへ放つ。デスハンドはジャスミンの放った火球を受けると炎上したが、すぐに火の勢いが収まっていき鎮火した。

「あぁ! なんて気持ち悪いの!」ジャスミンは唸り声を上げながらも、魔法を休む間も無く放ち続けている。


燃やし、串刺しにし、液状化させ倒していくが、次々と壁や通路の奥から絶え間なく蛆やデスハンドが湧き出てくる。

液状化したデスハンドからも蛆が湧き出始めた。

効率良く倒そうと思っていたが、予想以上の規模で面倒になり、近い敵から手当たり次第に攻撃していく。


すり抜けた一体のデスハンドが近くの壁へと飛び移り、自らの胴体を開き、長い舌を伸ばし攻撃してきた。

舌の迫る方向にジャスミンの射線を塞がないよう小型の骨壁を放ち攻撃を防ぐ。

死の火球での迎撃に気を取られていたせいか、デスハンドの舌が不安定な骨壁を突き破り飛翔してきた。

顔面受ける前に、飛翔してきた長い舌をすぐさま左手で掴み受け止める。

青黒い液体で滑る舌を強く掴み、捻りこちらへ引き寄せる。掴んだ舌が青黒い電撃を帯び、体に痺れが生じた。

「クソが!」

死の炎を湧き上がらせ、舌から放電され全身に回った帯電を焦がし吹き飛ばす。

デスハンドの舌を親指で貫き、そのまま腕に巻き付け引っ張り引き千切る。

「グヴゥ゙ゥ゙!!」

デスハンドが断末魔を上げながら辺りへ青黒い液体を撒き散らしていき、千切れた舌を戻していく。壁に張り付き、舌をしまっていくデスハンドに中型の死の火球を放ち仕留める。

「はぁはぁ、ね、ねえ。こいつら切りが無いがない」

ジャスミンが魔力を失う速度から来るであろう疲労で息を荒げていた。

「メトゥス」

「ギュル」

メトゥスは必死に地面の触手を引っ張り続けているが、中々抜けないでいた。

「隙を作る」

「ギュル」

後方で待機させていたスケルトン達を全て前進させる。スケルトン達は走り、一気に中央の触手へと突っ切っていく。向かうスケルトンに蛆が群がり始めた。

死の火球でスケルトンを援護し中央の触手まで向かわせる。

スケルトン達が一斉に地面から湧き出る触手に剣や斧で攻撃を浴びていく。

合図で力を加減していたメトゥスが再び力を強め引っ張っていく。

᯼型の魔法陣が裂ける音を立て、念動でメトゥスの勢いを援護する。

地面の魔法陣が次第にひび割れ始めた。

触手に攻撃を加えるスケルトン達に蛆の大群が群がり、足から這い上がっていき、スケルトンの両目から緑の光が消えていく。

透かさず虚無の誘いを放ち、緑に光る長い腕を出現させ、腕がスケルトン達に掴みかかる。掴まれたスケルトンは額に烙印が刻まれていき、全身に蔓延る黒い蛆が光に干渉され剥がれ落ちていく。だが蛆達は地面に落ちた後再び這い上がり、スケルトンの額に刻まれた烙印を覆い尽くすようにスケルトンに覆い被さっていく。烙印は無数の蛆の体に覆われ見えなくなっていった。

蛆へ放つ死の火球はデスハンドが身代わりとなって受け止め、殆んどが防がれ蛆へ命中させる事ができなかった。

地面から出る触手を伝い、メトゥスの方にも蛆が群がり始めた。

再び攻撃をすり抜けたデスハンドが壁に張り付き、舌攻撃を浴びせてくる。

顔に向かってくるデスハンドの舌を回避するが、胴体を掠めた。「ぐっ……」

凍り付くような鈍い痛みが走る。

舌を踏みつけ、念動でデスハンドを壁へ吹き飛ばし、舌を引き千切る。


地面の魔法陣のひび割れる音が大きくなっていく。そのままメトゥスが魔法陣をひび割り続け、地面に蠢く触手を引っ張り出す。

魔法陣が完全に弾け飛び、全身に蛆が蠢く体の大きなメトゥスが地面から姿を現した。

メトゥスが触手を壁に打ち付け、蛆を払い触手をしまっていく。


メトゥスと共に中型の死の火球を連続で放ち、蛆を纏うメトゥスを燃やしていく。

蛆を纏うメトゥスは死の炎に包まれ、纏わりついた蛆が減少していくと、徐々に大人しくなっていった。触手にある多数の目玉が見つめてくる。


意識を取り戻したもう一体のメトゥスが触手を四方八方に叩き付け暴れ始めた。

デスハンド、蛆、スケルトンを吹き飛ばし、叩きつけ、粉砕し、次々と撲殺していく。

「ジャスミン下がれ」

ジャスミンが翼で後方へ下がり、俺を盾にして隠れる。

ああ…電撃のせいで頭が少し痛むな。


残りの蛆達は奥へと逃げていった。生き残ったデスハンド達も壁の隙間に入っていき次第に気配を消していった。

暴れていたもう一体のメトゥスが動きを止め、全ての目玉でこちらを凝視してくる。

こちらを凝視するメトゥスの全ての目玉が緑に染まり始める。

「馬鹿な真似はよせよ」

「グュュュューーーー!!」錯乱状態に陥っているもう一体のメトゥスが全身の触手を畝ねらせ触手で地面を這いながらこちらへ突進してくる「ザーーーー!!」錯乱状態メトゥスがカースストリームを放ってくる。

背後から魔法を打ち消し弾く音が聞こえた。

背中の杖を構え、突進してくる錯乱状態メトゥスに触手を放つ。凄まじい衝撃が杖から全身に襲い掛かってくる。杖から伝わる衝撃に耐えようとした時、放った触手の隙間から錯乱状態メトゥスの触手が襲い掛かってきた。

骨壁を放つが、魔法に気を取られると後退するように押され、放った骨壁は錯乱状態メトゥスの触手で粉々に吹き飛んだ。こちらに緑に染まった目玉が蠢く触手が突き刺さる。

「ぐっ!」

刺突が左腕を襲い、左腕が吹き飛んだ。右手のみで杖を必死に抑制し、錯乱状態メトゥスの衝撃を受け止める。だが踏み留まろうとするが体が勢いに押され、地面を抉りながら後退していく。

「あちち!」

声の方を一瞬振り向くと、ジャスミンが地面に転がる俺の腕を触った後、両前足を必死に地面に擦りつけていた。

ジャスミンが念動で腕を運んで来てくれた。

ジャスミンは先の戦いでかなり疲れているようだった。


ジャスミン同様、疲労困憊のメトゥスが全身から触手を伸ばし、錯乱状態メトゥスの触手へ触手を突き刺していく。

錯乱状態メトゥスからの衝撃が一瞬収まり、隙を突き、有翼を放ち、地面に杖を突き刺し、錯乱状態メトゥスへ一気に迫る。そのまま触手の蠢く錯乱状態メトゥスの胴体に腕を突っ込み、最大限の力を放ち、死の誓約魔法を放つ。

「ギュル!?」錯乱状態メトゥスの全ての目玉が驚愕の形相を浮かべ、触手を周囲にぴんと張り伸ばした。

「ギュル……ギュルギュル…ギュルギュルギュル。ギュルギュルギュルギュル」

錯乱状態メトゥスの鼓動が次第に早くなっていく。

「メトゥス! ジャスミンだ」

「キュル!」

メトゥスがジャスミンを触手で覆っていく。

「よし」

錯乱状態メトゥスが破裂し、辺りに緑を帯びた触手のトゲが飛散した。

錯乱状態メトゥスが硬化し、塵に変わり果てていった。

腕に残る塵を振り払い、体に突き刺さった棘を抜いていく。


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