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ヴォイドの呼び声Ⅰ虚無の跫音  作者: 逆立ちハムスター


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「におう、におうぞ。お前から。死だ。死の香りだ。うぅ…うぅうぅぅ! 「草、草、草」魂から溢れ出た低い唸り声の波動共鳴が聞こえてくる。視線を逸らさず、羊の瞳から魂の深淵を見据える「草、草、草、草だらけ。もう、もううんざりだ。ああ、我の魂を見るな。死をにおわす者。失せろ、失せろ、失せろ失せろ失せろ失せろ失せろ失せろ」更に凝視し、羊の魂に負荷を与え、身を変幻している者の正体を探る「失せろぉぉ!!」羊の目玉が急速に膨れ上がり、細胞の破裂音と共に羊の体が破裂した。

辺りに羊の血肉と腸が飛び散る。

ジャスミンは急いで遠ざかっていき、サムは悲鳴を上げ花壇の茂みに飛び込み隠れた。


「ヴゥ゙ゥゥ……」

無数の赤い斑点のある灰色に覆われた巨体が目の前を影で覆い、多数の触手を体から広げていく。

四本の触手の足を軸に、膜で覆われた赤い斑点内の液体が、熔岩のように燃え滾り始めた。長く伸びた二本の腕には多数の赤く鋭利な爪が多数生えてきた。

頭部の部分から複数の赤く燃え滾る赤黒い触手が伸び、広がっていく。

コルンナティモラスか。

すぐさま新たに得た力で骨壁を放ち、迫り来るコルンナティモラスの腕攻撃を防ぐ。骨壁が攻撃を吸収し防ぐと同時に、燃え上がり消滅していく。

周囲の住人達はコルンナティモラスを見て悲鳴を上げ、逃げ惑い始めた。

巡回していた衛兵達が武器を構え、続々と駆け付けてくる。

有翼を放ち、翼で後方へ後退しながら使者へ中型の死の火球を三発連射し放つ。

死の火球は二発が膜部分へと命中し、一発は力の制御の乱れでコントロールを失い、空へ逸れていってしまった。だが運良く蠢く頭部の触手部分に偶然命中した。

力の解放に高揚を得る反面、力の増大で制御が思うように追いついていない。

死の火球を受けた殺戮の使者は体が死の炎で燃え上がり始め、緑の炎に包まれていく。

死の炎で使者の膜が融解すると、膜が薄くなった膜が一気に破裂し、鈍い破裂音と共に燃え滾る熔岩状の血液が周辺へ飛び散っていった。

血液の飛散により、血液が飛び散った周囲の建物や地面を溶かし、小さな地獄の火が上がり始めた。


ドワーフ衛兵達が射程内にまで近付くと、一斉にクロスボウからボルトを放ち、続けざまに背負っていた投擲槍を、更に腰のベルトに装備していた小型の鉄球を次々と投擲していった。


投擲された多くのボルトや槍がコルンナティモラスへ命中していくが、半数は外れ建物や地面に突き刺さっていく。

またコルンナティモラスの後方にいた逃げ惑う住人達にも当たっていた。

頭部にボルトを受け即死する者。肩にボルトを受け地面に倒れ込む者。背中に槍が突き刺さり、悶え叫ぶ者。


コルンナティモラスが遅れて飛翔する手榴弾を念動で衛兵達に弾き返す。

「ぬあっ!」

コルンナティモラスの念動を力で抑え込み、手を地面に向けて振り下ろし、手榴弾を地面に叩きつけ落とす。


手榴弾が衝突の衝撃で次々と爆破していく。

骨壁で全身を包み込み、飛翔する鋼鉄の破片から身を守る。

骨壁を解くと、衛兵達も盾で破片を防いでいた。

だが少数の逃げ遅れた住人の足や腕に突き刺さっていた。

腕を抑え逃げ去っていく者。倒れ足を引きずる者に肩を貸し、去っていく者。


数人の衛兵達が剣と盾を構え、鋼のベールを自身に放っていく。金槌の音と共に白い光で覆われていく衛兵達。勇猛果敢、猪突猛進、臨戦態勢、本能覚醒、アサルター等、各々が異なる戦技を放っていき、橙のオーラに包まれていく。そして等間隔の隊列を組んだまま盾を構え、コルンナティモラスへ突撃していった。

突撃する衛兵の後方から小規模の火球を放ち、前衛を援護する兵士達。

だが、コルンナティモラスに被弾した火球の影響で死の炎の勢いが弱まっていき、溶けた膜が再生していく。

「よせ! 奴に火は効かん! 治癒させるだけだ!」

後方から火球を浴びせる衛兵達へ叫ぶ。

火球を放つ数人のドワーフ衛兵達がこちらを見る。

「なに!? くそっ! 本当だ。おい、おい! よせ、よせ!」

だが戦音で聞こえていない者や、焦り、余裕の無い者に忠告は届かず、コルンナティモラスの力が増していく。

「おい、やめろ! 奴に火はダメだ!」

警告が届いた衛兵の1人が周囲の仲間へ向かって叫ぶ。忠告が聞こえた者から次第に小規模なアイスシャードへと切り替えていっている。アイスシャードを放てない者は腰に差したバッグを探り、笏杖からアイスシャードを放ち始めた。


衛兵と敵の念動に警戒しつつ、コルンナティモラスへ再び中型の死の火球を四発放つ。だがコルンナティモラスの放った炎の壁が出現し、2発の火球が壁に当たり防がれてしまった。最初の1発と共に4発目をコントロールし、コルンナティモラスに命中させる。

弱まっていた死の炎の勢いを再び強め、コルンナティモラスにダメージを与えていく。


使者は反撃してこず、突撃した衛兵達に気を取られていた。

「ウルカヌスへ祈れ!」

突撃した衛兵達に使者が両腕を大きく広げ、叫びながら勢いよく腕を合わせた。

突撃した衛兵達の装甲、鋼のベール、戦技を全て粉砕し、衛兵達の肉体を一瞬でミンチに変えた。

後方から援護していた他の衛兵達がたじろぎ動揺している。使者へ攻撃を浴びせながらも、ゆっくりと後ずさっていく。


粉砕された衛兵達の装備の破片が周囲へ飛び散り、使者の体へ突き刺さっていく。

その内の1つの破片がへコルンナティモラスへと突き刺さり、膜内にあった地獄の酸が周囲へ飛び散っていく。

飛び散った酸は建物の影、騒動を聞きつけ集まった住人、窓から状況を眺める住人などへ飛翔していく。

後方から援護していた衛兵達が一旦攻撃を中断し、各々が保護の水膜を住人達に放ち住民達が水の膜に包まれていく。水膜に触れた酸が分解、消滅していった。

「ここは危険だ! すぐに避難しろ!」

衛兵が叫ぶ。

ミンチになった衛兵達の肉片が視界に入ったのか、衛兵の言葉に後押しされるように集まった群衆が逃げ散っていく。

傍観していた住人達の集団を両手の爪で凪ぎ払い、一瞬でミンチに変えるコルンナティモラス。

その間もコルンナティモラスに中規模の死の火球を浴びせ続けるが、コルンナティモラスは一向に怯む様子がない。


アサルターの戦技を纏い、コルンナティモラスの攻撃を躱し物陰に逃げていた衛兵が周囲に飛び散った酸を避け、コルンナティモラスに接近していく。

接近する衛兵を援護する為、デセラレーションを放つ。

スライムの時と異なり、上手くコントロールが効き、コルンナティモラスのみへデセラレーションを浴びせる事に成功した。だがデセラレーションの威力が足りず、コルンナティモラスはデセラレーションの影響を弾き消した。

「メトゥス!」メトゥスが触手を伸ばし、コルンナティモラスの足の1つを掴み体勢を崩すべく引っ張る。

掴んだメトゥスの触手部分が赤い地獄の炎で燃えていく。メトゥスが緑の死の炎で打ち消していく。

透かさずメトゥスが祟りの伝導を放ち、コルンナティモラスの足を死霊汚染していく。

「グゥ゙ァァ!!」

コルンナティモラスの頭部の触手が激しく蠢き、触手の根元から悲鳴を上げる。


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