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ヴォイドの呼び声Ⅰ虚無の跫音  作者: 逆立ちハムスター


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ブレスはデーモン達に直撃し、数体のデーモンが宙に吹き飛び、赤い土へと変わっていった。

粉塵が晴れてくると、バロルとおぼしきデーモンがドーム型の障壁を張り、周囲のデーモンらと共にグレイトシャドウウォーカーのブレスを凌いでいた。

大きなキノコ群がグレイトシャドウウォーカーに踏み潰され、上空に舞い上がり飛散していく。


生者の残響でバロルの会話を聞き取る。

「バロル様」

「お前達は時間を稼げ。あの邪魔者は俺が殺る」

「仰せのままに」

多数のデーモンらが翼で飛び立ち、グレイトシャドウウォーカーへ向かっていく。

バロルも飛び立ち、両目を燃え滾らせ、翼を大きく広げ、こちらへ向かってくる。


「イニティウムに急ぐぞ」

「オッケー、オッケー!」

皆が急いでゲートに向かう。


翼で後ろ向きに羽ばたき後退する。

「お前達は先に行け」

「え!?」

「分かりました」

「イエナ」

「早く行け」

「わ、分かった。でもゲートに着いたらどうすればいいの?」

「自分で考えろ」

「マーラ早く!」

「はぁ、気を付けてね」

「ああ」

去るマーラ。


ボーンゴーレムをバロルに向かわせる。

「メトゥス」

「キュル(はい)」

「奴は只のデーモンじゃない。気を抜くなよ。幸い勝算はある。先程得た力でお前を昇格させる事が出来る」

「キュル(了解)」


ヴォイドよ。何れ対峙する時が来るとしても、今は双方にとって有益な時だ。力を貸して貰おう。

余す限りの力を集約させ、ヴォイドの祝福をメトゥスへ放つ。

ヴォイドの祝福を受けたメトゥスが、視界全てを覆う緑の光に包まれ…そして変化していくのを感じる。


メトゥスの白い目は赤く染まり、メトゥスの体からは緑の死霊オーラが湯気のように溢れ出始めた。

昇格したメトゥスが体を肥大化させ、バロルと同規模へ変化させていく。


バロルの足止めに向かわせていたボーンゴーレムは高く飛び上がり、上手くバロルの体に掴み掛かっていたが、バロルがボーンゴーレムを掴み両手から火球を放ち、ボーンゴーレムを消し飛ばしてしまった。


なんて威力だ。だが魂の無駄使いだな。ここがヘルでない事を思い出させてやる。


バロルが多数の小型火球を出現させていき、念動で操り静止させ、次々と念動の影響を解き放ち、小型火球が次々とこちらへ飛翔してくる。


大規模な死の火球を複数放ち、バロルの小型火球を飲み込んでいく。

同時にバロルが避けられないよう念動でバロルの体を掴む。


凄まじい力でバロルが念動に抵抗してくる。

バロルは念動の魔力を通じ、こちらへソウルクラッシュを放ってくるが、バロルに死の火球が全弾命中しソウルクラッシュが不完全に終わる。

ソウルクラッシュを通じ、バロルの魂に腐敗を送り込む。

「グア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!」

バロルが分子の再構成を放ち、念動から一瞬解き放たれた瞬間に目の前に転移し、フレイムスプレッドを放ち、溶岩液を放射線状にばら撒きながら、燃え滾る剣を振り降ろしてくる。

バロルの念動を振り払い転移し、全身の力を集約させバロルを念動で地面に叩きつける。

巨大になったメトゥスが複数の触手で地面に倒れたバロルへ叩きつけ、追い討ちをかけていく。


翼で飛び立ち、粉塵が舞う中倒れ込んでいるバロル目掛け、規模を問わず、放てるだけの死の火球と光輝火球を放っていく。

だがバロルに放った光輝火球が反射し、こちらへ跳ね返ってきた。

「グハッ!」

自ら放った光輝火球を全身に受けてしまった。


くそ、ディスコルディアから遊びの報復の恩恵を授かっていたか。


光輝火球を放つのを止め、死の火球をバロルに放ち続ける。


「ギュルル!!」

バロルは勢いよく起き上がると、死の炎に包まれながらも剣でメトゥスの触手を断ち切り、赤く燃える溶岩血を口から吐き出しながらこちらへ突進してきた。


蛆を生み出し、骨壁、守護の障壁で自身の体を包み込み、突進してくるバロルを目掛け杖から触手を放つ。

バロルの強烈な突進を受け止める。触手でバロルの勢いを軽減させたが、分厚い骨壁と守護の障壁はバロルの突進で粉々に吹き飛んでしまった。吹き飛ぶと同時にバロルの殺意に満ちた傷付いた顔が目の前に見えた。バロルの顔面目掛け蛆の塊を念動で加速させ投げつける。バロルの顔面に蛆が衝突する。同時にバロルの両腕を念動で拘束しようと試みたが、バロルの凄まじい力に押され振り払われてしまった。


「おのれぇぇぇぇ!!!!」

燃え盛る炎を宿した手で顔面の蛆を振り払おうとしているバロル。同時に無作為に剣を振り払っている。

蛆がバロルの目、鼻、口、耳から体内へと入っていく。


羽ばたきバロルの頭上へと向かう。

バロルが咆哮を上げながら体内のコアを燃え上がらせ、両目、鼻、口、耳から炎を噴出させ蛆を焼き切っていく。


バロルの頭上から死の触手を杖から放つ。

死の触手で鎧の隙間からバロルの体を串刺しにしていき動きを封じ込めていく。同時に触手を再生させたメトゥスも横からバロルの体に触手を突き刺していく。

「グア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!」


バロルの傷口から大量の燃え滾る溶岩血が溢れ出る。

続け様に大規模な死の火球を浴びせようとした時、バロルが触手を掴み叩きつけてくる。

杖に牽引され、共に地面に叩きつけられてしまった。

叩きつけられると同時に有翼魔法が弾け飛び、死の火球を地面に衝突させてしまった。死の炎が周囲を燃やしていく。

転移を試みるが、メトゥスの触手を引き千切ったバロルが、体中に突き刺さり蠢く触手を残しながらも、間を置かず地面へ激しく叩きつけてきた。

激しい痛みと共に自身の骨が軋み音を上げるのが聞こえた。バロルが炎の感染を放ってくる。

「ヴア゙ァ゙ァ゙!!」

体内からヘルファイアが燃え上がっていき、視界が赤い炎で包まれていく。同時にバロルの激しい殴打を受け、周囲の音が聞こえなくなるほどの衝撃が体中に何度も走っていく。ヘルファイアの影響で体の制御が効かない。


ありったけの力を振り絞り、念動を周囲に放つ。空間を切り裂く音と共にバロルの殴打が止んだ。

轟音と共に周囲の地面が吹き飛ぶ。

予想以上に力が増していた。


体内から死の炎を何とか強めていき、ヘルファイアからの制御を抑えていく。だが上手くいかず意思に反し、様々な魔法を周囲へ放ってしまう。

周囲の死の炎が瞬時に鎮火し、自身の制御が元に戻った。

すぐさま両手に力を込め、メトゥスと対峙しているバロルに死の業火を放つ。

バロルはメトゥスの胴体を掴み、地面を抉りながらメトゥスを引きずり回し、結晶化し硬化している茸岩へとメトゥスを何度も叩きつけていく。

「ギュルゥゥ!!」

メトゥスの悲鳴が周囲に響き渡る。

死の業火が命中し、バロルがメトゥスから手を離し、バロルは死の炎で包み込まれていく。

「ヴゥ゙ゥ゙!!」

バロルが地面に突き刺さった燃え滾る巨大な曲刀を念動で引き寄せようとしていた。曲刀がバロルの手に向かっていく。

念動で干渉し、そのまま引き寄せる勢いを強め、曲刀がバロルの胸に突き刺さる。

「ヌア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!」強烈な爆発が起きる。そのまま念動で突き刺さった曲刀を地面に叩きつける「グハッ!!」

バロルの体が裂け、溶岩血が吹き出る。


側面に凄まじい衝撃が走り、視界が暗転する。

霞む視界の中、バロルが痛みに悶えながら曲刀を抜き、メトゥスを遠ざけようと抗っている。

メトゥスも負ったダメージが大きいのか、バロルに近付けないでいた。


バロルが念動で叩きつけてきた大盾を念動で遠くへ吹き飛ばし立ち上がる。

「ア゙ァ゙……ハァ…ハァ…」緑の血が体内から垂れ出る。シャドウウォーカー共が周囲に群がり始めていた「失せろ!!」死の火炎を放ち群がるシャドウウォーカーらを遠ざける。


片膝を突くバロルにもシャドウウォーカーらが群がっていた。バロルは片腕で群がったシャドウウォーカーらを切り裂き、他のシャドウウォーカーらは少し遠ざかった。


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