表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴォイドの呼び声Ⅰ虚無の跫音  作者: 逆立ちハムスター


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/122

100

部屋を出て、奥にある中央の大きなドアへ向かう。

ドアをボーンゴーレムに開けさせ、アンデッドメイジを先行させる。

ドアの先は大ホールになっており、中央の天井には黒い炎が揺らめく巨大シャンデリアが備えられ、フロアは死体と散乱する装備で溢れかえっていた。

床一面にモルスの顔が描かれている。

黒い血で染まってしまっているが、描かれたモルスの顔がこちらを見つめ微笑んでいるようにも見える。

しかし……どこか懐かしさもある。

「イエナ、今の見た!?」

「何を?」

シャンデリアを眺めていたイエナ。

「いま地面の顔が動いた」

「本当~?」

モルスが微笑むのをやめ、既に存在は感じられなくなっていた。

「ん~……」

「マーラ、やっぱり動いてないよ。シャンデリアの炎のせいで影がそう見えたんじゃない?」

「やっぱりって。はぁ〜、まあそうかもね。疲れてるみたい。そろそろ休まないといけないかも。マーティン、あんたは見たでしょ?」

「んや。下を見て歩かないんだ」

「あっそ。もお」


左のT型大階段の前に、腹を片手で押さえている1人の吸血鬼が壁に手をつき立っていた。

吸血鬼はすぐさま力なく地面に倒れた。

正面奥に2つの種族の影が見え、近づくと次第にはっきりとしてきた。

1体の吸血鬼の側には、闇の拘束で青黒く光る鎖で全身を巻かれたエルフの男が座っていた。

「嘘だぁぁ! 私の命運がこんなところで尽きるなど、嘘だぁぁ!! 」

「貴様は強くない」

人差し指から鋭利な爪を伸ばす吸血鬼の男。

「アポロ様、カルナ様、クレメンティア様、ユースティティア様。ああなんでもいい。神々よ、どうか私をお助け下さい」

吸血鬼の男が人差し指を軽く動かし、エルフの男の喉が切り裂かれた。吹き上がる血が奥にある階段上へ吸収されていく。


階段上に向け両手を広げ、見上げる吸血鬼の男。

「ああモルスよ。まだ足りないと仰るのですか。既に何年にも渡り、数多の種族の血を捧げて参りました。一体いつになったらその秘宝を……」

青黒い闇のオーラ帯びた吸血鬼が振り向き、赤く光る両目でこちらをじっと見つめてくる。

全ての血を吸い付くされ、干からびたエルフの男が後ろ向きに倒れ、絶望の表情を浮かべたまま倒れる。

地面に倒れると塵のように崩れた。


セバスティアンの所持していた青い指輪と首輪を装備する。

俺の肩に乗ってくるマーティン。

「あいつだよ。あんたの仲間の猫を追いかけてたのは。恐らく殺ったのも(小声)」

「イエナ所に戻れ」

マーティンが急いで戻っていき、右にいるマーラが静かに短剣を抜き身構える。

左にいるイエナも身構え、強張る表情で杖を両手を握り締めている。


両手から長く鋭利な爪を剥き出し、牙を伸ばす吸血鬼の男。そして種族の原型を保ったまま大きな黒い翼を生やしばたかせる。片方の翼は負傷していた。

目が合うと同時に一気にこちらへ翼で高速で迫ってくる。

マーラは跳躍していき、イエナは転移する。各々が距離を取るように左右へ散っていく。

合図を出し、2体のボーンゴーレムを吸血鬼へ向かわせる。ボーンゴーレムが四足で駆け出し、吸血鬼の男に突進していく。

ボーンゴーレムがある程度吸血鬼の男に近付いた時、高く飛び上がり、両手で拳を作り吸血鬼に勢いよく振り下ろした。だが散ったのは地面の破片のみ。

吸血鬼の男は血来急襲を瞬時に放ち、赤い液体となりボーンゴーレムをすり抜けた。

ボーンゴーレムの攻撃をすり抜けた吸血鬼の男は速度を落とす事なく元の原型に戻り、こちらへ迫ってくる。

吸血鬼の男の飛来を待ち構えるもう一体のボーンゴーレムが拳を振るうが、再度血来急襲を放つ吸血鬼の男には当たらなかった。

マーラが小型のアイスシャード複数、イエナがアイスエレメンタルとデススポアを出現させた後、中型の毒球を複数吸血鬼の男へ放つが、吸血鬼の男は全てを躱し、尚もこちら目掛け一直線に向かってくる。

迫りくる吸血鬼の男に老女が所持していた杖の力を放ち、杖から光が放出される。同時に有翼を放ち後方へ下がる。

「クッ!?」

吸血鬼の男が目を閉じ、光から顔を背ける。

マーラのアイスシャードのいくつかが吸血鬼の男の翼へ突き刺さり、イエナの放つ毒球も命中していく。

透かさず吸血鬼の男に中型の死の火球をいくつか放つ。

だが吸血鬼の男は血来急襲で地面を這い、全ての死の火球を避けた。移動を続ける吸血鬼。

透かさずメトゥスが触手を伸ばし吸血鬼の体を捕縛する。

吸血鬼の男の血来急襲が解け、メトゥスが吸血鬼を拘束した。

イエナが転移で迫り毒液を放ち続けている。同時に肩に乗っているマーティンが両手を掲げて手を擦り、エンカレッジを放つ。マーティンの両手が光ると同時に味方全員の足元に黄色い魔法陣が現れ、薄く半透明の黄色いベールが体を包み込んでいく。

イエナが規模の増した大きな毒の噴射を放ち、緑の気風が蠢く毒液の球体を吸血鬼に浴びせていく。

指示を出し、後方からアンデッドメイジが両手からサンダーボルトを次々放っていく。雷撃の破裂音と共に吸血鬼の男に電撃が飛翔する。イエナの放った毒液に反応し、電撃が毒液に帯電し勢いが増していく。

吸血鬼の男は蝙蝠へと姿を変え、メトゥスの拘束から逃れた後、再度瞬時に種族形態へと姿を戻し、その場で羽ばたきながら、周囲に複数のブラッドチェーンを放ってきた。メトゥスの触手を貫き、引き裂き吹き飛ばした。

「ギュ゙ルゥ゙ゥ゙!!」

メトゥスの千切れた触手が周囲に飛散し、メトゥスが触手をしまっていく。

ブラッドチェーンが周囲に飛散していき、マーラやイエナが必死に避け、次々とブラッドチェーンが地面に突き刺さっていく。

こちら目掛け迫るブラッドチェーンを念動で跳ね除ける。だがブラッドチェーンがタイルを砕き、一旦地面に突き刺さった後、方向転換し再度こちら目掛け向かってきた。

吸血鬼の男から伸びるブラッドチェーンの中央部分を念動を使い引き裂く。

吸血鬼の男が砕けたブラッドチェーンを捨てる。

マーラとイエナもブラッドチェーンに追われつつ、吸血鬼の男へ魔法を浴びせていくが、吸血鬼が闇の抱擁を放ち、黒い炎で覆れるとアイスシャードと毒液を全て炎で打ち消していく。

避けきれなかったアイスエレメンタルとデススポアがブラッドチェーンに突き抜かれ、消滅していく。

ボーンゴーレムが背後のブラッドチェーンを掴み、吸血鬼の男を引っ張っていく。

吸血鬼の男はすぐさま捕まれたブラッドチェーンを捨て、こちら目掛け飛行し急接近してくる。

骨の揺り籠を吸血鬼に放つ。

吸血鬼の退路を予想し奇襲へと動いていたマーラだが、吸血鬼がマーラに気付いていたようだ。目を赤く光らせマーラへ魅了を放った。

「うっ!?」

魅了を受けたマーラが藻掻きながら両手で頭を抱える。だがマーラの体を茶色いオーラが包み込み始め、魅了を弾き消した。

マーラが装備していたブラックハンドの奪いし者の革装備が闇魔法に反応し、上手く凌いだようだ。


吸血鬼の男が何重にも囲った骨の揺り籠を吹き飛ばす。飛び上がっていたボーンゴーレムが拳を吸血鬼の男に振り下ろし、吸血鬼の男が地面に叩きつけられる。粉塵が舞う中、闇のオーラを帯びた円形の闇の刃が周囲に飛散していく。念動で飛翔してくる刃を受け流し、こちらへ翼で羽ばたき向かってくる吸血鬼の男へ死の火球を浴びせていく。


イエナとマーラは避けたようだが、動きの鈍いボーンゴーレム2体には闇の刃が命中していた。ボーンゴーレム達が吸血鬼の男を追っている。


向かってくる吸血鬼は、途中マーティンが放った複数の光の障壁を容易く突き破っていく。

長期戦を避ける為、俺への狙いに集中しているようだ。


吸血鬼の男は避けつつも、何度かセバスティアンの雷撃を受けていく。だが殆ど怯む様子がなく向かい続けてくる。


背中に鈍痛が走り、青い電撃が全身を駆け巡っていく。間抜けなアンデッドメイジのフレンドリーファイアを受けた。だが身に付けていた青い首輪が電撃を吸収していく。

迫りくる吸血鬼を限界まで引き寄せ、避けられないであろう距離まで来た所で、杖から触手を放つ。

杖の触手が吸血鬼の男を包み込み、動きを封じていく。透かさずメトゥスが吸血鬼の背後から触手を更に絡ませる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ