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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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122/127

122.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 大鍋で茹で上がった真っ赤なカニの足を、冒険者たちが無言で貪り食っている。


「う、うますぎるっ!」


 屈強な男の一人が、カニの身を頬張りながら感涙にむせんだ。

 車内には濃厚なカニの旨みと、磯の香りが充満している。


「聖女様が鉄の馬車に変身なさるだけでも驚きなのに、こんなに美味いカニまで食えるなんて」


 男たちはキャンピーの車内を見渡し、困惑と感動が入り混じった顔をしている。

 そして、その熱を帯びた視線は、カニを茹でた私へと向けられた。


「これほどの奇跡を起こす聖女様と行動を共にし、さらにこんなに美味しい食事まで作れる貴方様は、一体何者なのですか!?」


 男たちが目を輝かせ、ズイッと身を乗り出してくる。


 うげ。

 私は顔を引きつらせた。


 ここで私が聖女ですなんて言ったら、また面倒な信者が増えてしまう。

 今更感はあるけれど、全力でごまかさなければ。


「あー、私はその、ただの従者ですよ。このキャンピングカー、じゃなくて、聖女様から加護をもらってるだけの一般人です!」


 私は適当な言い訳を口にし、キャンピーのダッシュボードを撫でた。


「な、なるほどっ!」

「聖女様の加護を受けた料理人だったのですね!」


 冒険者たちは深く納得し、ウンウンと頷いている。

 ちょろい。てきとーな嘘で呆気なく騙されてくれた。


 ピコンッ!


 突然、カーナビの画面が赤く点滅し、警告音が鳴り響いた。


『ハァーイ! 前方に敵の群れだよぉ! サメの魔物がいっぱい来てるっ!』


 スピーカーから真理のウザい声が響く。

 フロントガラスの向こう、薄暗い通路の奥から、二足歩行の獰猛なサメ人間たちが群れをなして迫ってきていた。


「よし、キャンピー! さっきみたいに轢き殺せー!」


 私はビシッと指を突き出し、強気な命令を下した。


 プスン。


 しかし、キャンピーのエンジンが間抜けな音を立てて停止した。


「あれ?」


 車内の照明がスッと落ち、静寂が訪れる。


「なして!?」


 私が慌ててメーターを確認すると、燃料ランプが真っ赤に点灯していた。

 ガス欠だ。

 さっきのカニの群れを轢き殺した時の急発進とドリフトで、ガソリンを使い果たしてしまったらしい。


「うそーん!」


 私は激しくのけぞり、そのまま座席から転げ落ちた。


「スミコ! ここは妾が!」


 テンコが口の周りをカニまみれにしたまま、ふさふさの尻尾を逆立てて立ち上がる。


「いや、俺らがやる!」


 だが、それよりも早く冒険者たちが立ち上がった。

 彼らは武器を構え、力強い足取りでキャンピーの外へと飛び出していく。


「働かざる者食うべからず、ってな!」


 男の一人がニヤリと笑い、サメ人間たちへと斬りかかった。


 ズバァァァァァンッ!


 凄まじい剣圧が飛び、サメ人間たちが一撃で壁まで吹き飛んでいく。


「ええっ!?」


 私は目を丸くした。

 さっきまでカニの群れにボコボコにされていたおじさんたちが、まるで一騎当千の英雄のように魔物を蹴散らしているではないか。

 明らかになんかパワーアップしている。


『アハハッ! そりゃそうだよぉ! だって聖女ちゃんの加護入り料理をたらふく食ったんだから、ステータスが爆上がりしてるに決まってんじゃん!』


 真理が車内スピーカーからドヤ顔で解説を挟む。


 なんと、ただの塩茹でカニが、とんでもないバフ料理になっていたらしい。

 私は呆然としながら、無双するおじさんたちと、カニの殻をしゃぶるテンコを交互に見つめるのだった。


【お知らせ】

※4/23(木)


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