117.
ブロロロロロッ!
スモールキャンピーへと進化した相棒は、ひんやりとした迷宮の通路を滑るように走り抜けていく。
私はハンドルを握りながら、車内スピーカーに向かって尋ねた。
「で、真理って結局なんなの?」
『よくぞ聞いてくれた! 我はスーパー頭つよつよシゴデキ女女神的存在であーる!』
スピーカーから、ドヤ顔が透けて見えるような声が響いた。
私は特大のため息を吐き、ガックリと項垂れる。
「ヤバい女だな」
「スミコよ、ヤバい女といえば、貴方も相当ですよ」
後部座席でテンコがふさふさの尻尾をパタパタと振りながら、ジト目を向けてきた。
「いや、常に馳走を要求してくるあんたも相当ヤバいからね」
『いやいや、この小説、基本的に全員ヤバい女しかいないですよー』
真理がさらっと恐ろしいメタ発言をぶっこんできた。
「うるせえやい!」
私は勢いよくガバッと背中のけぞり、渾身のツッコミを入れた。
車内に私の怒号が響き渡る。
「ていうか、なんでそんな神様的な存在がダンジョンなんかに封印されてるわけ?」
『ふむ。海で優雅に泳いでいたら、突如ダンジョンができちゃってな。そこに閉じ込められたのだ』
「なんだそりゃ」
私は呆れ果てて、運転席でズルッとずり落ちそうになった。
『なんか街の人たちがやけにうるさかったので、海の底に小さな拠点をつくって引きこもってたら、そこが勝手にダンジョン化しちゃってな』
「うるさいって、なにが?」
『ほんの気まぐれで人助けをしたら、やたらと頼られまくるようになってしまってな。面倒になったから逃げたのだ』
「うーーーーーん」
私は深く腕を組み、首を捻った。
「なんだろう。すごく、どこかで聞いたような話だね」
「スミコよ、完全に貴方のことですよ」
テンコが呆れ果てた顔で私を見ている。
ソーちゃんも「そっくりー」と短い手足をバタバタさせていた。
「似てますよ、あなたたち。同族嫌悪というやつですね」
「うそでしょ!?」
図星を突かれた私は、運転中にもかかわらず膝から崩れ落ちそうになった。
まさか異世界の自称神様と、根っこの部分が完全に一致しているなんて。
私は深い絶望を抱えながら、無言でアクセルを踏み込んだのだった。
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