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4-8

「兄ちゃん!」


 光に向かって飛び起きる。


 リクの体中を覆っていた冷たさや硬さが、暖かな感触に変わっている。

 嫌悪感に近い澱みのようなものが、今は洗い流されたかのようにすっきりと落ち、心地よい感触と匂いがリクを包んでいた。

 雨の匂いも、もうしない。


「……あれ?」


 最後の記憶と、夢の中の焦燥感。

 そこから一転して気が抜けるほどの安堵感に、思わず間の抜けた声が出る。


「リク!」

「にい……兄貴?」


 真っ白の光を遮るようにしてリクの顔を覗きこんだのは、ハルの暗く白い顔だった。

 いつも嵌めっぱなしのイヤホンのコードは見えない。

 青く深い色の瞳が、不安そうに歪められている。


 あの兄貴が珍しいと、どこか的はずれな感想をリクが抱く。

 それと同時に、見覚えのある部屋の様子から、この場所がハルの部屋であり、そのベッドに寝かされていたことを理解した。

 いつも着ている学ランとTシャツは脱がされ、少し大きい白いワイシャツを着せられている。

 柔らかい布団からは、どこか懐かしい兄の匂いがした。


 軽く上体を上げると、ベッドに縋るようにして座り込んでいたハルも、それに合わせて立ち上がる。


「俺、どうしたんだ?」


 学校から出てからの断片的な記憶が、リクの頭に浮かんでは消えるのを辿っていく。

 そして廃工場の記憶が、途中からすっぱり切断されていることに気付く。

 いったい何があったのかと、リクが頭を軽く抑える。


「……覚えていないのか。

 突然倒れたんだ。

 一応医者に来て診てもらったが、外傷については心配いらないようだ。

 熱っぽいと言っていたから、おそらく体調を崩していたんだろう。

 心当たりは?」


 ハルの声の調子と表情は、いつも通りだった。

 淡々と状況を説明され、リクが少し頭を捻ってみる。


「心当たりかぁ。

 なんだか最近、頭がうまく働かなかったり、涙もろかったり、ぼぅっとしたり、体がだるかったり……」

「思いっきり不調来してんじゃねぇか」


 ハルが深いため息をつき、細い指先をリクの額に伸ばす。


「うひっ!」


 思いがけぬ冷たい指に、ぴくんとリクが肩を揺らす。

 だが構わずハルは、そのまま温度を確かめるように指を押し付けた。

 冷たい感触がじんわりと額に広がるのが心地よく、リクもそのままじっとしていた。


「だいぶ下がったかな。具合はどうだ?」


 そういってハルが指を離す。


「悪くないと思う。風邪引いてたのかな」


 気だるさがとれた今、快適といってもいいほどだった。

 頭をふらふらと振ってみるが、頭痛の一つもしない。

 それを確認すると、ハルがパーカーのポケットから赤い携帯端末を出す。


「あ、俺の」


 ぽいっと軽く投げられた自分の携帯を見て、リクが端末の電源を点けてみる。

 見慣れたデフォルト設定の待ち受け画面を見て、ちゃんと起動することを確認する。

 そんな弟を見下ろしながら、ハルが小さく呟く。


「『Kalu』の登録が消えた」

「え?」


 兄の言葉の意味がわからず、リクが聞き返す。

 『Kalu』の正体、そして廃工場の一連の事件。

 当事者でありながら理解の遅いリクに、ハルが簡単に説明する。


「『Kalu』は、プレイヤーを調査して、おびき寄せるために作られたIDだ。

 中身は『Ripper』か『BlueButterfly』のどちらか。

 ……おそらく『BlueButterfly』だろうな。

 『BlueButterfly』というプレイヤーをIDごと消去し、新しく『Kalu』として登録したのだろう。

 アキが言うには、あの工場には『Ripper』だけじゃなくて『BlueButterfly』もいたようだ。

 『Ripper』を俺から助けるために、『BlueButterfly』がお前を襲った可能性が高い」

「……あの男、やっぱり『Ripper』だったのか?」


 暴力性の塊のような男を思い出す。

 まるで体内に行き場のない怒りをため込み、刺激するたびに爆発を起こすような感じだった。

 正直、リクは二度と会いたくない。


 ハルは続ける。


「お前のペン……というかボイスレコーダーが落ちていたが、あいつ、アレに触れたようだな。

 その指紋と、第二の被害者が抵抗した際に『Ripper』が掴んだカバンの指紋を照合した結果、これ以上ないくらいに一致した」


 なぜ指紋の照合など普通にしてのけるのか、という疑問はこの際置いておいた。

 それよりも、やはり自分が対面していたのが、あの『Ripper』であったということに驚きを隠せない。

 信じられない、といった顔のリクを、ハルが表情のない顔で見下ろす。


「その可能性を考えなかったわけじゃねぇだろ。

 名前も本名も顔も知らねぇプレイヤーのために一人で助けに行くなんて、馬鹿を通り越してどうかしているぞ、お前」


 わずかに汲み取れるハルの感情は、怒るよりも呆れた口調だった。

 そんな言葉にリクがきゅっと唇を噛む。


「だって、もし本当に危なかったら……」

「一人で行く前にやることがあるだろう。

 ミズキが来るまで待つとか、俺に連絡をよこすとか」


 勿論リクも考えなかったわけではなかった。

 あの雨の中、許される短い時間の中で、考えに考えた末の結論だったのだ。


「そんな時間が無かったんだ。

 『Kalu』は一人だって言ってて、見えない敵に追われて、誰にも頼れなくて、行き詰まって……。

 だから、俺が行かなきゃいけないって、思ったんだ」


 俺と同じだって、思ったんだ。

 そう心のなかで呟き、リクが下を向いて、ぎゅっと掛け布団を掴む。


 ハルの方からは、苛立つような舌打ちが聞こえる。


「……どうしようもねぇな」


 まるで突き放すような言い方に、リクの心がズキリと痛む。


 だが考えて見れば当然だ。

 結局リクは『Ripper』と『BlueButterfly』の罠にまんまと嵌って死にかけた。

 それを、連絡一つしていないはずのハルが察知して、危ないところを救われた。


 それだけではない。

 ハルが『Ripper』を取り押さえるチャンスがあったのに、鉄パイプの山に潰されかけたリクを助けるために取り逃がし、しかも庇った時に怪我まで負った。


 自身の選択した行動一つで、ハルがどれだけの労力と被害を被ったか。


 リクは認めたくなかった。

 だが、ハルにとって、リクは明らかに役立たずのお荷物だ。

 今も、昔も。


 廃工場に一人で救援に行ったのは、『Kalu』のためだと言った。

 だが本当は、一人でもできることを、ハルに対して証明したかったのだろう。


「一人でどうにかなると思ったのか。

 仮に『Kalu』が本当に追い詰められたプレイヤーだったとしたって、対策ひとつ考えずに突っ込んで『Ripper』に二人してやられるのがオチじゃねぇか」


 まったくもってその通りだった。

 追いかけられて絶体絶命のプレイヤーを、リクはどうやって助けるつもりだったのか。

 今となっては、リク自身もよく分からなかった。

 

 下を向いて黙ってしまったリクに、ハルは再度舌打ちをする。

 明らかに苛立っているようだ。

 弟の不用意で無謀な行動に。

 そして、そこに明確な理由が見えないことにも。


「あれだけ注意しろと言ったのに、なぜ自分から危険な方に突っ走るんだ。

 危ないと思ったなら、せめて俺に……」


「……兄貴ならなんとかしてくれたのかよ!」


 ハルの言葉を遮ってリクが言う。

 突然のことに、ハルが口を噤む。


「俺の言うことなんて、聞いてくれなかったくせに! 

 俺だって、怖くて不安で、ミズキを守るって言ったけど、どうしていいのか分からなくて! 

 だから兄貴に助けて欲しかったのに、兄貴は何も言ってくれなかったじゃないか! 

 俺はちゃんと、助けてくれって、兄貴に頼んだ!

 だけど兄貴は、何も教えてなかったじゃないか!」


 こんな風に兄に対して言葉をぶつけるのは初めてだった。

 幼い頃は盲目的に慕っていたし、あの事件の後は一つ一つの言葉を慎重に選んで話していたから。

 昔は何をしても嫌われないと思っていたが、今は何をしても認めてもらえない。

 だから、リクから手を伸ばすことは、ある種の恐怖でもあった。


 だが、一度口から出た言葉は、もう止まらない。


「分かってんだよ!

 俺なんてどうでも良いと思ってるんだろ! 

 だから! 

 ……だから、兄貴にも分かって欲しかったんだ」

「………」


 爆発したように想いを吐露したリクに、ハルは何も言わなかった。

 その静かさが、リクは怖かった。


 そう、ずっと恐れていたのだ。


 なぜ兄はリクから離れて行ってしまったのか。

 その問いに対する答えを知るのが、リクは怖かった。 


 もしもその答えが、リク自身を拒絶するものであったなら。

 嫌悪であったなら。

 それを兄の口から聞くのが、確かめるのが、怖くて怖くて仕方がなかった。


 リクの掴んだ布団の上に、涙が落ちる。


「分かってるよ。

 兄貴みたいな人間が、俺と一緒にいる方がおかしいんだ。

 欠点だらけで足を引っ張ってばかりの俺が、昔からずっと嫌だったんだろ!

 ずっと俺のこと、嫌いだったんだろ!

 だけど弟だから、仕方なく世話焼いててくれてたんだもんな! 

 そんなこと、分かってる。

 とっくに、分かってんだよ!」


 涙を抑えるようにして、リクは掴んだ布団を顔に押し付ける。

 だけど喉の奥からは、否が応にも嗚咽が混じる。


 いつも、昔から、何をやっても駄目だった。

 きっとだから、はじめからハルは何もするなと言っていたのだろう、とリクは思う。

 それを聞いていれば、少なくともこれ以上嫌われることはなかったかもしれない。


 不甲斐なくて情けなくて、ただ八つ当たりのように言葉をぶつけて泣くことしかできない自分が、子供のようで、リクはさらに惨めになる。

 何かをやるたびに兄の重荷となり、それが兄弟の距離を離しているならば、やはり何もすべきではなかった。


 リクの言葉に、兄は何も答えない。


(それがきっと、答えなんだ)


 ここにも、これ以上いるわけにはいかない。

 一緒にいようと思えば思うほど、頑張れば頑張るほど、結果は悪くなっていく。


 もう帰ろう。

 もうここには来ちゃいけない。

 もう兄に、会わない方が、きっといいんだ。


 一人で突っ走って叫んで喚いて、本当に馬鹿みたいだ。

 自己嫌悪に打ちのめされて、再び淀んだ空気を飲んだような気分になる。


 リクは掛け布団で乱暴に目を拭う。


「……帰る」


 ハルを押しのけるようにしてリクが床に立ち、辺りを見回すと、自分の見慣れたカバンと学ランが目に入る。

 その二つを掴んで、そのまま外に出ようとする。

 振り向いてハルの方を見るのが怖かった。


「もう少し休んでいけ。

 本調子じゃないのに歩くな」


 後ろからそんな言葉が聞こえるが、こんな自分を気遣われるのもリクには惨めだった。


「兄貴の部屋の前で倒れたりしねぇから。

 もう迷惑かけねぇよ」


 リクは自虐的に笑いながらそう言うと、一歩歩き出そうとする。


「おい」

「もう放っておいてくれよ!」


 完全に八つ当たりだった。

 ハルの呼び止める声に、叫ぶようにそう返す。

 と、リクの後ろでチリンと小さな音がする。


 聞き覚えのある、彼の携帯端末につけたストラップの鈴の音だ。

 彼は首を捻って、先ほどポケットに突っ込んだはずの携帯に手を伸ばす。

 しかし、そこには何も入ってなかった。

 まだ呆けているのだろうか。

 リクはパタパタと逆側のポケットも調べてみる。


「あぁそうか。分かった。

 いいよ、勝手に出て行けよ。

 俺も勝手に喋るけど、気にするな」


「……は?」


 リクが振り向くと、いつの間にか彼の赤い携帯電話が、ハルの手に渡っていた。

 いつの間に掏り取ったんだと口を開くよりも先に、ハルが画面を操作している。


「携帯紛失率高すぎ、お前ら」

「えっと、え? 兄貴何して……」

「帰るんだろ、さっさと帰れよ」


 おたおたとするリクに目を向けずに、何やら操作を終えたのか、ハルは携帯電話を耳に押し付ける。

 どこかに電話を掛けたようだ。

 しかも、リクの電話で。


「いや兄貴? それ俺の電話……」


「……もしもし、お久しぶりです」

「ちょっと!」


 止めようとリクが手を伸ばす。

 しかしハルの通話相手は、既に電話に出てしまったらしい。

 何をしているんだと詰め寄るリクを、ハルは空いている左手の人差し指を立てて「黙れ」とジェスチャーをする。

 それだけで、リクは聞き分けの良い犬のようにぴたりと止まる。

 

 向こう側で何か言われたようだ。

 どこかかしこまった口調で、ハルが応える。


「いえ、リクではなく……はい、ハルです。

 いつも弟がお世話になってます、叔母さん」


「叔母さんって……か、母さん!?」


 電話の向こう側にいるのは、彼ら兄弟の叔母のようだ。

 四年前に彼らの後見人となり、リクはその時からずっと一緒に住んでいる。


「大したことでは、はい。

 帰り道にリクに会ったのですが、どうも雨に打たれて風邪を引いたらしくて、そのまま倒れて。

 今、俺の部屋で休ませて……。

 ……はい、それほど大した熱ではないのですが、大事を取って」


 一体何を言っているんだろうか。

 リクは静止した状態で口をパクパクを開けながら、ハルが勝手に進めていく話を聞く。


「えぇ、だいじょうぶですよ。

 代わります」


 そう言うと、ハルは携帯をリクに向ける。

 兄とそれを見比べながら手に取り、そして耳につける。


「リク君? 熱で倒れちゃったんだって?

 大丈夫なの?」

「え、えと、うん。大丈夫」


 挨拶もそこそこに、聞き慣れた女性の声がリクの耳に届く。

 叔母の口調に押されるように、リクは応答する。

 聞き慣れた叔母の声に、リクは少し安堵感を覚えた。

 

 熱で倒れた、は嘘ではない。

 嘘はついていない、そう自分に言い聞かせてリクは頷く。

 電話の向こうでは、ほっとしたような息の音がする。


「そうなの、良かったぁ。

 リク君、最近悩んでるような顔だったから、何かあったのかなって思ってたのよ。

 具合悪かったのね。

 言ってくれればよかったのに」


 彼女は安心しながらも、やはり心配そうな声だった。

 どうやら一連のゲームで起きたことの心労は、一緒に生活している叔母の目にも写っていたようだ。


「俺も倒れるまで気が付かなかったんだ。

 心配かけてごめんね、母さん」


 そんな声に、リクが申し訳なさそうに頭をかきながら謝る。


「本当よ、もう!

 今度からちょっとでも具合悪かったら、早く言うの。いい?」


 四年という歳月は、彼らの仲を親子と言っても何の違和感もないほどに親密にした。

 専業主婦である叔母と、毎日家に帰ってくるその夫。

 家にいない日の方が多かった本当の両親よりも、もしかしたら一緒にいる時間が多いくらいかもしれない。

 自分の叔母を『母さん』と呼ぶことに、彼はもはや何の抵抗もなかった。


「うん、分かった。本当にごめん」

「とにかく今日は、お兄ちゃんの所でゆっくりと休むのよ。

 久しぶりにハル君と一緒にいるんでしょう?」


「うん。

 え? ………うん?」


 少し嬉しそうな叔母の言葉には、既にリクはこの部屋で泊まることが決定しているのが窺えた。

 自分の意志が介在しない決定事項に、思わず疑問符がリクの口から出るが、彼女は嬉しそうに続ける。


「良かったわねぇ。

 リク君、ずっとお兄ちゃんと一緒にいたいって言ってたものね」

「えっと……?」


 その楽しげな声に、「いや俺、帰る気満々です」とは言えなかった。


「久しぶりに、たっぷりお兄ちゃんに甘えてきなさいね!」


 ふふふ、と笑いながら話す叔母の中では、いつまでも兄の後ろをついていくリクの姿が今だ健在のようだ。

 ある意味間違ってはいないが、高校一年生にもなって、どう甘えたら良いのだろう、などと思いながらも、


「……はい」


 事件のことや、兄との今の会話を話して心配させる訳にはいかないリクは、ただ頷くしかなかった。


「じゃ、おやすみね。

 あ、もう一回、ハル君に変わってくれる?」

「分かった。

 おやすみなさい、母さん」


 そう言うと、リクはもう一度携帯を兄に渡す。


「もしもし……はい。いえ迷惑なんて。

 いつもこちらが面倒見ていただいている立場ですから、こんな時くらいは。

 ……いえ。

 そうですね、はい。

 ……おやすみなさい」


 就寝の挨拶を最後にハルが電話を切り、そのままリクに放り投げる。

 それを両手で受け取ってリクが顔を上げると、兄はポケットに手を突っ込んで何事もなかったように首を僅かに傾げていた。


「……あれ? 帰らないの?」


 無表情で、そんな意地の悪いことを言いながら。


「……う」


 そんな兄に、リクは言葉を詰まらせる。

 兄に対して八つ当たり上等の啖呵を切った手前、非常に居辛い。

 しかし今更家には帰ることは出来なさそうだ。


「今晩、ハンバーグ作ろうかな、とか思ってるんだけど」

「……うぐぐ」


 リクの大好物である。

 特にハルの作るハンバーグはお店で食べるよりも、柔らかく、なのに質感があって味が濃く、和洋どんなソースがかかっていても間違いなく絶品である。


「風呂にお湯溜まってるから、体温めてきたあとに、ちょうど出来るくらいかなぁ」

「うぐぐぐ!」


 汗と雨はハルが拭いてくれたようだが、それでもべたつく肌をさっぱり洗い流したい。

 リクの引っ込みがつかない気持ちを、ハルが的確に崩していく。


 進退窮まってその場で訳もなく踏ん張っているリクを、ハルはちらりと見ると、ため息をついて分かりやすく命令を渡す。


「さっさと風呂に入れ。

 着替えは用意しておく」

「……ふぁい」


 リクの中にあった先程までの勢いは、完全に消えた。

 嬉しいんだか悲しいんだか恥ずかしいんだか分からない感情を抱えたまま、「着替えはアキのじゃ小さいな。あのアホのじゃ大きすぎるし、カイのでいいか」とか、淡々と呟いているハルの言葉を背中に、バスルームに足を向けた。


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