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花が高い

大きく声を出したあと

店内の花の湿った甘い香りが鼻腔を刺激し、サンタンデールはムズムズと少しくしゃみが出そうだと鼻の頭を何気なしには掻いていたすると


ちょっとばかし泥が付いている緑のエプロンを着た老境の婦人が作った笑いを浮かべながら話かけてきた




「まあ貴方が手にしている薔薇は魔に毒されなかった花の一つです」


「そうなのか?」


「ええとても純粋なお花、コレはシュメール地方で栽培され始めました。当時薔薇の種を持つ人間は数少なく、貴重な種を無駄にする気かと薔薇の生産に着手したその農家は周りの人達から嫌がらせを受けていました。ですがその農家はめげずに頑張り続けた結果。多量化に成功し、農家は私の営む花屋にその花を売りにきました。しかし私の叔母がその時ちゃんとした安定した供給が出来るのか分からず、入荷するのを拒んでいました。そして私の代になっても安定した供給が出来ると確信がなくずーっと拒んでいた時に、農家は実物を見せに来ました」


「それで?」


「続きはお連れの方が桜の苗木でのチャンバラごっこを止めてもらえれば…」


「ごめんなさい」



「お主中々やるな!!」


「グフフ、貴殿こそ!!」


「二人共こっちに来てくれ、お前たちに説教するから」


「あっサンタンデール貴方も手伝って、この子ちっとも言うことを聞かないの、私が商品で遊ぶのは良くないと何度も注意したんだけど」


「貴殿、謀りおったな」


「いや見てたから全部筒抜け」


「あらそうでも私は悪くないわ、悪いのは女に構ってくれないサンタンデールが悪いのよ」


「マーズまた間違えてますよ、この人はフランツです、人呼んで、素敵な貴公子」


「もういいもういいから黙ってて」


「あなた様はそうやって女をたぶらかしますのね?」


「ベナ違うわきっと一緒にチャンバラごっこしたいのに仲間に入れてくれなかった事にサンタンデールは腹を立ててるのよ、一緒にやる?今なら忍者の役が空いてるわ」


「やらない、そして男はいつだってサムライさ、いや違うそうじゃない、冗談で言ったんだぞマーズ、私にその苗木を渡そうとするな」



説得するのにある程度の時間を有した


ベナは仕切りに「では殿様なら!!殿様役ならあなた様は納得なさるのですか!!」と喚くし



「コレで大丈夫です、ええ大丈夫です、名も知らぬ店員さんロープがあって助かりました」


「ええそうみたいですね、近くにロープがあって私も助かりました。それでどこまでお話させて頂きましたっけ?」


「実物を見せての所からでしょうか」


「ええ実物を見て私感銘しました。この世にまだこんな醇美なものがあったのと極度といえるほどその花は艶麗でした私思いましたの。これは奇跡なんだともし農家が薔薇の栽培を始めなければ、もし農家が途中で投げだしたら、もしここまで薔薇を持って来てくれなかったら、もし叔母の時に販売する事を見限れば、もし実物をもってこなければ、私はこの花の美しさに触れることもなかったと、お連れの方がありきたりとおっしゃいましたが在り来たりにするまでこの店と薔薇の農家に一体どれほどの奇跡が満ちていたのか」


聞いてたのか


「でその奇跡に私が触れたと」


店にある薔薇全部買おうアオサギに貰ったお金はまだあるし、宵越しの金は何とやらだ


「お一つで結構です。」


「どうして?いくらかなら余裕あるぞ?」


「最初来た時、貴方はその花を大好きな人に渡すのでしょう?それはとても素晴らしい事なのだと思いましたの、私の店で販売していたバラを貴方が何気なく美しいと感じ、貴方がそのバラを手に大好きな人に告白する事を想像して私は嬉しく思いました、だってそうでしょ?私の店から奇跡が生まれ奇跡が続くのですよ、ありきたりはありきたりに奇跡な軌跡があるのです。れにお一つだけの方がその手に持ったバラの価値が上がると思うから」



「…今度来た時沢山買うよ一杯買う」


「ええありがとう。ところで貴方運命を信じて」


「いや…何故そんな事を聞くんだ?」


「その服私の夫の営む店で販売していたものですから」


「…貴方息子さんとかいるかい?」


「ええまあ丁度貴方と同じくらいですよ」


やべえな世間は狭いな



「」



「女をロープで縛るなんてサンタンデール貴方最低よベナこの男どう思う?」


「興奮しました。」


「ストップあのあと謝ったじゃないかその話はおひらきだ」


「気持ちがこもってなかったわ反省してるとは思えないわねベナこの男どう思う?」


「気持ち良かったです。」


「宿屋に花束おいたら、あとで三人でレストラン行こうそこで何か驕らせてくれ」


「サンタンデール貴方自分が悪いとはこれっぽっちも思ってないわね、屑の塊みたいな男ねベナこの男どう思う?」


「このプレーも悪くないなと思いました」




「あ」



「ねーー!!」おそーーい!!」



「…お前たちを見てるとパカルが可哀想に思えて来たよ」


「あ、あなた様はわたくしという女がいながら他の男の話をなさるのですか!?あれ?別に普通でしたわ」


「違う、ベナこう言うのよ「パカルはもっと面白いツッコミを入れてたわ」って」


「じゃあそんなにパカルが良いならパカルの所に行きなさい」


「パカルがいないから貴方で我慢しているのよサンタンデール。適度な暇つぶしになって良かったわ、でももういいみたいね。ベナ道の先前方を見て見なさいレオが街歩く乙女を口説こうとしてるわ」


「グフフ、またやりますのね。隣りにいって如何にもって雰囲気で恋人としてレオに接近して」


「良いい?ベナ最初の言葉は、「あの夜あんなに愛し合ったのに!」よそれ以外は考慮しないと覚えておいてベナ」


「マーズ一つ気になるのですが、レオが早くも振られそう何ですが」


「何ですって!?善は急げよ」


そう言って走り去っていく二人の影を見ながら


台風みたいな奴らだった

と思い暫し胸をなで下ろし、サンタンデールは心行くまで安堵した




サンタンデールは手に持っているものが造花だとは

まだ知らない。サンタンデールはザラザラした赤い紙に包まれたとはいえ、バラの花を片手に悠々自適にブラブラ歩くことは男として正しいのかと考えていると


全身を鎧で着飾った男が話しかけてきた


「先ほどは、連れの者がいささか失礼な事を」


そう言い恭しく頭を下げてる様を見てサンタンデールは少し不快に感じた


「見てたのか?」


「ああ面白かった」


「止めてくれよパカル」


パカルは兜からフフと笑いかけ

「そう言うな、マーズは最初からお前を殺すつもりはなかったぞ」と続ける


「マーズはああ見えて優しい」


「多分、多分だがおまえ達のいう優しさと世間の優しさに若干の誤差があるようだ」


「花屋に着いていったろ、マーズなりにお前を付け狙った事に対しての贖罪だと思うぞ」


常識にも誤差があるようだ


「パカルお前言っている意味分かってるのか?焼き殺そうとした奴を優しいと言ってるんだぜ」


「あれは照れ隠しだ」


照れ隠しで人は焼かれるのか


「サンタンデールお前のお陰で幾らか稼がせて貰ったんだが今日その礼をしたい」


「いやそんな礼は要らない。頼むから独りにさせてくれ」


「昨日の事覚えているか?やっとあの剣の意味が分かったんだ少し付き合ってくれ、適当に暇つぶしになるぞ」


「ふむ」


サンタンデールはしばらく考えこむ





振りをした



「よかろう」


答えはすぐに決まっていた

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