↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
26/29

お嬢様、旅立つ(1)

私と流星がフランスへと旅立つ日が訪れました。

両親はやっと言うことを聞いてくれた!と狂喜乱舞(きょうきらんぶ)し、全く反対もせずに送り出してくれました。

ってヲイ。

齢(よわい)十五の愛おしい娘が、キングオブ女たらしと遠い地へと旅立つんだぞ。

少しは心配せんかーーーい!!!

と思わなくもありませんでしたが、顔には出さずあくまで慎(つつ)ましい可愛い娘♡を貫きました。

この演技力、是非とも文化祭で披露したかったですわ……。

宝の持ち腐れ過ぎて泣けてきます。


「じゃあ行こうか、美麗」

「ええ」


流星に促(うなが)され、お馴染みのロールスロイスへと乗り込む私。

迷いが全くない、と言えば嘘になります。

心の何処かで、未だ山田への想いはくすぶっていて。

けれどいずれきっと、徐々に薄れていくでしょう。

走馬灯(そうまとう)の如く駆けていく景色を眺めながら、ぼんやりと考えを巡らしていたら、


「やっぱり、今の君には超能力がないんだね」


唐突に流星が声を掛けてきて、私はハッとして向き直りました。

彼は相変わらず飄々(ひょうひょう)としていて、心情が汲み取れません。

……ってハァァァ!!??

ど、どれだけ察しが良いんですの、この男は……!

マジで次回作は『人の心が読めるキングオブ女たらしが目をつけたのは、宇宙一の美貌を誇る超絶美少女でした』になるんじゃなくて!?

し、主役の座が危うい上に、R-18の匂いがプンプン致しますわ……本作よりも人気が出たら悔しすぎます……。

それはさておき。

否定も肯定も出来ず、海辺に打ち上げられた魚のように、口を開閉させていると、


「僕の思惑に全く気付かないんだから。心が読めてたら、騙(だま)されないよねぇ」


流星はクツクツと肩を揺らしーフッと。

目を細めて、こちらを見据えました。


「僕は、君を心から愛してる。今付き合っている女の子の中では、断トツでナンバーワンだ」


うん、後半はいらねぇな。

何正々堂々浮気宣言してんだよ。

数秒間の感動を返せ!!!

……けれど、もしかしたら何か意図があるのかもしれません。

訝(いぶか)しげに首を傾げる私に、


「でもね、僕はやっぱり、自分を愛してくれる子がいい。きっと君は、フランスに行っても山田を忘れられないよ」

「……」


図星をつかれ、思わず目を見開きました。

今更ながら流星に対して、いえ自身に対しても、無礼な行動をしていたと気付きます。

いくら失恋で弱っていたとは言え、他人の好意を利用するなど卑怯千万(ひきょうせんばん)、誉められたものではありません。

彼はいつしか私が後悔するであろうことを、見抜いていたのです。

……狡(ずる)い男です。

彼を好きになれたら、幸せになれるかもしれないのに……(女性関係は除く)。

人間の感情というものは、何と愚(おろ)かで、扱いが難しいのでしょう。

呆然としていると、


「ああ、ちょうどいいタイミングだね」


流星はそう言い、おもむろに車の窓を開けました。

そして目線で外を見るよう誘導(ゆうどう)します。

私は恐る恐る、彼の瞳の先を追いました。

そこにはー。

いつもご閲覧・ブックマーク・評価をありがとうございます!

いよいよ佳境に入って参りました~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。