1-18 「シアンさ、なんか隠してない?」
あらすじ:
''変な弱点ほど難しい''
''ミスリル1kgを渡してミスリル1kgを受け取る''
''円周率いいね数''
の3本でお送りしました。
現在地:
シルバーの家1階
※結構ご都合主義だったりするよ気をつけてね
一次発酵が完了するのを待つ間、シルバーはギルドの最新の投稿を見ている。その隣でシアンが甘い視線をシルバーに送っていることには触れないでおこう。
ちなみに、シルバーはいつもネットで見かけた長時間発酵の作り方を参考にしている。
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エルフの2人(他称カップル)がそこら辺でイチャついてるせいで被害が広がってる助けて
追記:なんであいつら付き合ってないんだよふざけんな
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大魔王様が片想いしている男がいたらしいけど、記憶を失っているからその事を忘れてそう
でも大魔王様は愛が重すぎるで有名だから、多分今も追いかけ回しているよね
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「ほんと、このギルドって情報量が凄いよね」
なんで出回っているのかわからない情報が当たり前に飛び交うのでシアンはひたすら困惑している。
「なんだか、見てるだけで眠たくなってきます………むにゃ…」
「シアンは吸血鬼だよね?今が一番活動できる時間帯なんでしょ…?」
折角シアンのために夜型の生活にしてあげてるのにシアンが眠たそうにしているのでなんとか起こす。
ただ、正直言ってこのペースで2時間分の出来事を書くのは本当にテンポが悪いので大幅に飛ばす。
深夜1時、だいぶ前にシアンが暇潰しで魔法を練習するために地下研究室に向かっていったためシルバーは1人でピザの続きを作る。
一次発酵が終わった生地をラップを敷いた台に乗せ、手のひらで押しながらガス抜きをしていく。
「17時にご飯を食べて、これから2時ぐらいに食べるけど………」
シルバーはチョコレートを食べながらこれからのご飯を食べる時間帯を考える。
「というかこれ疲れるな…⋯⋯
でもこれシアンに食べさせるからな⋯よし、やるかぁ!」
動きが少しずつ鈍くなってはいるものの、これを今回はシアンにも食べさせるということを考えると途端にやる気が出てきた。
空気を抜き終えるとまな板に打ち粉をふって生地を乗せ、手先の感覚で6等分にしていく。
窓の外からシアンが見つめてくるがこれは無視。
⋯しようとしたが、流石に無視できなかった。
「あれ?シアンは地下研究室にいるはずだよね⋯⋯⋯
うん、いるねぇ?」
シルバーは一瞬作業を放棄して地下研究室の様子を見るが、そこにはシアンがいた。
即座に戻り、窓の外にいるシアンに見られながら作業の続きをする。
シルバーは一つの物事に集中すると意図しない言葉が自然と漏れる体質なので、何も起きないはずもなく⋯⋯⋯
「仁和寺にある法師、年寄るまで、石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、たゞひとり、徒歩よりまうでけり。」
うん、これは重症だね (笑)
本当はこんな台詞なんて飛ばしたいのだが、シルバーのピザ作りの実力が高すぎるが故に飛ばすことができない。本当にごめん。
だいぶ話が逸れてしまったが、ここで読者の皆様はこう思ったのではないのでしょうか?
"長時間発酵の割には発酵時間が短すぎるし、時間足りなくない?"
さぁ、ここで登場するのが疑似ご都合主義!
長時間発酵の場合、最低でも半日は寝かせるらしいのだが、シルバーは特殊な魔法を扱えるのでピザ生地の時間経過をとてつもなく速くして発酵させることができる。
そのため、先程の2時間で
|1時間程度室温で発酵させて酵母を活性化|
|その後タッパーに入れて36時間以上寝かせる|
|その間にチョコレートに砂糖をかけて食べる|
を行っていた。明らかにいらないのあるよね。
そしてシルバーは今、6等分した生地に魔法をかけて高速で発酵させる。
目安は2時間程度と言われているらしいので、5分間は暇になる。
「そうだ、シアンを呼んでこようかな」
シルバーは地下に向かい、研究室の扉を開ける。
魔法を詠唱する声が聞こえるのでシアンがここにいることは確かである。
「………なんで?」
シルバーの視界に映ったのは魔導書を読むシアン、チョコレートを食べるシアン、シアンを後ろから抱き締めているシアン、
………天井に張り付いているシアン。
はっきり言って、カオスだった。
「あ、シルバーくん、ピザ完成しましたか?」
「もぐもぐ………このチョコレート美味しい…♡」
「意外と私って、暖かいんですね」
「もう!急に抱きつかないでください!」
「わたし、なにしてるんだろう…」
「あのさぁ、何をしたらそうなるの?」
大量のシアンが同時に話しかけてくる。この時のシルバーは少なくとも聖徳太子だろう。
「何って………分身魔法を使っただけですよ?」
「とぼけた顔で話さないで?だいたいさ、なんで分身が使えるの?」
冷静に考えると、そこからおかしいのだが、こんなことで驚いていたらこの先キリがないのでしょうがない。
「まあ、ちょっと練習したら使えるようになっちゃった的な………えへへ」
すると突然、5人のシアンがシルバーに向かって歩き出した。
「ちょっと待って、君たち何する気なの?
僕視点めっちゃ怖いんだけど」
「それに、分身が使えるようになったら、こうやってシルバーくんを私で囲むこともできますよ?」
5人のシアンがシルバーにくっつき、ほぼ動けなくなる。
シルバーはなんとかして振りほどき、探知魔法でシアンの分身を消す。
シアンは大きな声で文句を並べているがシルバーには聞こえない。
「分身するのはいいけど、僕を囲むのは止めてよ?」
「………ひどいです。(拗ね声)」
シアンはそう言いながら地下研究室を出ていこうとした。 その去り際に…
「それで、ピザは完成しましたか?」
こいつ、脳内が食欲かもしれない。
「今ね、二次発酵をしてるんだけどさ」
「今からですか?長時間発酵なら、2時間は必要ですけど…」
「だから、それを5分にzipファイルするの」
「でも、どうやって圧縮をするのですか?そんな時間の流れを変えるような魔法なんて…
「残念ながら、僕はそういうの使えるんだよね。」
囲まれて暑かったので煽りで仕返す。
すると、シアンは割と自業自得な顔をして出ていった。シルバーはその後ろから着いていってキッチンに戻る。
いい感じに二次発酵が完了しているピザ生地を取り出すが、これだけピザ作りに文字を使っていてそろそろ飽きることだと思うのでこの描写はカット。
その代わりシアンの様子を書いていく。
「シルバーくんって、ピザを作れるのですね」
そんな独り言がリビングに零れる。原因は美味しそうすぎる匂いだろう。
シアンはソファーでココアを飲みながらくつろぐ。
「そうだシアン、冷蔵庫にチョコレートがたくさん入ってるから、好きなの食べていいよ」
「本当ですか!?」
シルバーの垂らした言葉に見事に引っ掛かり、シアンはココアを溢す勢いでカップをテーブルに置いて冷蔵庫に向かう。
冷蔵庫を開けると大量にチョコレートが入っていたのでシアンは思わず目を輝かせた。
「いっぱいある………♡」
シアンはカカオ30%のチョコレートと70%のチョコレートを取り出してリビングに持っていき、70%のチョコレートをココアに入れてかき混ぜた。
ギルド公式のアプリでは投稿されている動画を見ることもできるので、シアンはそれを見て時間を潰す予定である。
携帯端末を取り出してアプリを開き、面白そうなサムネイルを見つけたので動画を開く。
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https://youtu.be/dQw4w9WgXcQ?si=qx77-7d_TJT7ju0H
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「騙されたぁ………」
引っかかったら恐らく全人類が発狂するだろう伝説の釣りに引っかかり、シアンはがっかりした様子で即座に他の動画を開いた。まあ、これはしょうがないよね。
そんなこともありつつピザが完成するまで動画を見て待つが⋯
「シアン〜ピザできたよ〜」
そんな声が聞こえたのは割とすぐだった。
足音と美味しそうな匂いがリビングに近づいてくる。
焼き立てのピザがテーブルに置かれ、シルバーが対面の椅子に座る。
「美味しそう⋯⋯⋯ふぇっ」
あまりに匂いが美味しいので変な声が出て急に恥ずかしくなるが、なんとか冷静を保って微笑み誤魔化す。
「そういえば、この前までいたはずの大魔王が行方不明になってるらしいね」
ピザを食べていると、ふとそんな話が振られた。
「大魔王ってあれですか?あの⋯⋯⋯う〜ん⋯」
大魔王について思い出そうとするが、"魔界の統治をしている"こと以外が思い出せない。
「シアン、どうしたの?」
「あ、えっと、なんでもないです」
「ほんとに?」
「ほんとです!」
どんな容姿でどんな性格なのかが全くわからない。
まあ、それにはほぼ明確な原因があるのだが。
「シアンさ、なんか隠してない?」
そんな言葉に図星を突かれるまであと7秒。
どこか落ち着かない様子のシアンが心配になるが、変に介入しないほうが良いこともあるので放っておく。
(レベルが低いとはいえシアン程の実力者なら、大魔王にあったことくらいあるのでは?)
疑問に思いながらピザを食べる。ちなみにマルゲリータ。描写してなくてごめん。
チーズがよく伸びるがそれどころではない。
夜ご飯を食べ終わった後、結局シルバーは聞いてみることにした。
「あのさシアン、大魔王について本当に思い出せないみたいだけど、なんかあるの?」
「えっとですね。その、なんて説明したら良いのでしょうか⋯?う〜ん⋯⋯⋯」
「言い辛いなら言わなくてもいいよ。ただ心配でさ」
すると、シアンはココアを飲み干し、覚悟を決めたような表情を見せた。
「実はですね、私⋯⋯⋯
補足:
なんか補足しようと思ったんだけど思いつかなかったwww




