第四話 始まりはなんとなく④
さて、ここからどうしようか。
俺は一人で状況を整理する。
今の外の状況を確認するのが先決か。それに『神』のいっていた、殺し合いという言葉も気になる。
ま、これについては今は考えてもしょうがない、というふうになったがな。
となると、俺がこれからやらないといけないのは・・・現状整理だけだな。
俺はベットから起き上がった。
うん、あの変な医者が言っていたことはあたっていたようだ。俺は今ピンピンしている。
荷物という荷物もないし、このままここを出ようかな?
俺はドアを開けた。
「え?」
ドアの向こうはすでに、外の世界であった。
一歩足を前に出す。
異変はない。
勇気を出して外に出てみた。
そこは平原だった。
後ろにはもう何もない。そう、扉も。面影は何もなかった。
「まるで化かされたみたいだな」
俺は少し寂しいような、悲しいような気持ちになった。
幸い、俺が出てきたところには道があったので、それに沿って歩く。
2時間も歩いただろうか。遠くに壁が見えてきた。
「あれは、なんだ?」
近くまでよる。
それはどうやら街のようだった。
正確には要塞都市グルグール
レム国において守りが最高レベルに硬い、大きな街だ。その人口はおよそ5万。
この世界にしては多い方である。
どうやら俺が歩いていた道はこの街の入り口につながっていたらしい。
入り口に向かった。
そこには検問所と思われるスペースがあった。
だが、門番はいない。
おかしい。
何かがおかしい。
俺はこの世界の常識に詳しくない。だが、そんな俺でも感じる。
この街は危険だ。
だが、そんな俺の本能とは裏腹に、俺は足をすすめる。
単純に興味が恐怖に勝ってしまった。
なかは、地獄であった。
人が、死んでいる。
頭が、落ちている。
腕が、落ちている。
手が、指が、足が・・・。
うっぷ。
イナリは吐きそうになりながら、進んでいった。
この街は円上になっている。
その円の中心に、やつはいた。
グシャ。
人が踏みしめられる。
人が、食べられている。
イナリにはわかった。
あれは、わからない存在だ、ということが。
自分の理解が及ばない存在だ、ということが。
それは、悪魔で会った。
よくよく見ると、背中に生えている翼には、奇妙な、渦巻の印が入っているようだった。
悔しい。
そして後悔。
なぜ己はこのような悲惨な場所に来てしまったのだろうか。
恐怖が、この世界に対する恐怖が足りていなかったのだろうか。
イナリは、物陰に隠れた。
そうするのが、最も生きられると思ったからだ。
向こうはイナリに気づいたのか、ゆっくりと歩いてくる。
ゆっくりと、ゆっくりと。
そしてついに、イナリの横にくる。
そこで、その悪魔は立ち止まった。
死ーーーー
その瞬間、悪魔の立つ地面に魔法陣が発生する。
そして、その中に吸い込まれていった。
汗が垂れる。
イナリはまたしても、命を拾った。




