到着なーの
エルミラはダンジョンから帰還して、宿屋に戻った。一日でダンジョンを走破したものの、それなりに時間がたってしまったようだ。
宿屋にある人の気配はハクの者だけだ。
「それじゃ今日は寝ましょうか・・・疲れました。」
エルミラは一応重症を負っていたが、あの魔法のおかげでいつの間にか治癒されていた。
エルミラ、トレット、ノイルはそれぞれ分かれて部屋に戻り、眠りについた。
ハクはそれを感じ取ると自分もようやく眠りにつく。
ここの宿屋は簡素なベッドで寝るのだが、ベッドにトレットが飛び乗ってくるのを感じる。
トレットはすぐに眠りについてしまったようだ。
次の日の朝、ハクは眼を覚まし朝食を取りにリビングに行くと、そこにはいつも通り朝食をたらふく食べているエルミラの姿があった。若干目元にくまができていたが、それは指摘しなかった。そこにはシンの姿もある。
ハクはエルミラの正面の席に座ると、一応提案しておく。
「あと一日くらい休もうかな・・・。」
エルミラは不思議そうに肩眉を上げる。
「先に進まないと、いつまでたってもつかないよ?」
ハクはゆっくりと朝食を口に含んだ。
「そうか・・・それはそうだよな。それじゃ今日は出発しようか。」
「うん、そうしよう。」
エルミラが口をぱんぱんにしながら返事をしてきた。
「ここからなら一日全力で移動すればディアスゴルトにつくはずだ。」
シンが口を開いた。いつも通り、宿屋で出たものは食べずに簡素な食事をとっている。
「了解!」
一同は朝食を済まし早速出発の準備を始める。といってもある程度身だしなみをと調えれば終わりだが。
それぞれトレットの出した車に乗り込む。
ちょうどそのころ、車に大柄の男、リュカが近づいてきた。
ハクはある程度用件を察しているので、ただ黙ってリュカを眺めている。
リュカはそのままエルミラに近づいて、小さな革袋を渡そうとする。
「これはダンジョン攻略の報酬だ。ギルドには俺から報告しておいた。受け取ってくれ。」
エルミラはリュカの話を無視して、そのまま車に乗ってしまう。
それに全員したがって、ハクはエンジンをかけた。
そうするとエルミラは助手席の窓ガラスを開けて車から顔を出してリュカの方を見る。
「リュカさん、この街から旅立つ気ですよね。それはその資金にでもしてください。」
エルミラは太陽のような笑顔をリュカに向ける。
「だが今回のダンジョン攻略はほとんど君が・・・。」
「だったらそのお金で少しでも強くなっていつか恩返ししてくださいよ。」
リュカは眼を見開くと、革袋をポケットにしまった。
「あぁ・・・そうだな。どっちにしろ君にはまた会うことになるだろう。その時までとっとくよ。」
リュカは最後に社内全員に向けて一言はなった。
「道中気を付けて。」
そういって頭を深く下げる。
「お前もな。」
ハクは車を発進させた。
車内でZEROが起動する。
『ナビゲートを開始します。』
「ここからは休みなしで行くぞ、おー!」
ハクは一度片手運転に切り替えて、拳を握り片手をあげる。
「おー!」
トレット、エルミラ、ノイルがそれに続いて返事をした。
シンは一番後ろの席で何か電話している。もしかすると、ディアスゴルトに今日中に到着すると、前もって連絡してくれているのかもしれない。
道中のご飯はしっかりと買い込んである。食事は社内で済ませればいい。
ハクたちはノンストップでディアスゴルトへ進んでいった。
☆
随分暗くなってしまったが、夜にはディアスゴルトに到着することができた。
検問だが、シンが案内すると国前にできていたそれなりの列には並ばないで済み、すぐに入国することができた。
「今日は私たちで宿をとっておいた。そちらに泊まるといい。」
シンがハクに小さな紙を渡してきた。ハクがそれを受け取ると、そこにはおそらく住所が書いてった。
ハクがそれを読み上げると、ZEROが案内を開始してくれる。
「ありがとう。」
「気にしないでくれ、それでは私は先に本部に行くとするよ。明日の朝九時に会食を言う形で、対話の場を用意している。本部の住所はこれだ。」
またシンから小さな紙が渡される。先にその住所をZEROに記録させておいた。
シンは車から降りるとさっさと歩いて行ってしまう。
これから自分の生存証明などいろいろやることがあるのだろう。
ハクたちはさっさと宿に向かった。
到着すると、そこはどっからどう見ても超高級ホテルだった。
シンはこの少ない時間の旅でも乗っている車などからハクたちの財政状況をつかんでいたのだろう。
「それじゃさっさと受付に行くか。」
車をしまってすぐに受付に向かった。
受付の前にたどり着くと、綺麗な受付嬢がハクの方をしっかりと観察するように見た。
「いらっしゃいませ。ハク様でございますね。こちらのカギをお受け取り下さい。」
どうもシンはさっさと料金を払っていてくれたらしい。ハクは鍵を受け取ると部屋に向かう。
最上階までエレベーターで向かったのだが、どうもこのフロアに部屋は一つしかなかった。
トレット、エルミラ、ノイルと目を合わせると皆も首をかしげている。
ハクは扉を開けて中に入った。
「おいおい・・・この部屋には扉が一個しかないわけだな。」
ハクは部屋の中を歩き回る。まずはリビングにたどり着いたのだが、壁一面がガラス張りになっていて、この国を見渡すことができる。
一軒家や、ビルがまばらにあり、どうもそれなりに平等社会をかたどっているのかもしれない。
普通に発展したバランスのいい国という印象を受けた。
何よりも残っている一軒家は中世ヨーロッパのような建物で、どちらかというと文化財的な意味が強いのかもしれない。
ところどころ、川が流れ河川敷に降りることもできそうだ。
一言で言ってしまえば、住みやすい国。
そんな感じだった。
「とりあえずは今日はやることはない。何よりもう夜だしな。早速明日は朝九時から会食らしいから寝ようか。」
部屋割りなどをちゃっちゃと決めて、それぞれ眠りについた。
新しく小説書いています。
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【king G】~神で魔王な俺は同時にGでもある~
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