強い敵が出るんです
文章量がかなり落ちていると思います。風邪をひいてしまいました。申し訳ありません。2018/12/14
「エルミラ殿もそう思うか。先ほどから俺もこのダンジョンの特性が読めてきたところだ。」
一概には言えないが、ダンジョンは特性を持っている確率が高い。今回のようにオークが生活の基盤として使用している場合もあるし、ただ単にもともと孤独だった魔物が安定を求めてそこで暮らしいる場合がある。外で頑張って暮らしていくよりはダンジョンで暮らしているほうが、良く抜くという一点において効率的なのだ。
だがある一定の生命の安定はほかの生命の犠牲のうえに成り立っている。もちろん人間が安定するためにはほかの生命が犠牲になっている。例えば家畜であったり、植物であったり。
そしてそれが魔物という生物の安定となると、今度は人間が犠牲になり始める。それを止めるためにはダンジョンが存在していると困るのだ。魔物をすべて駆逐するべきだとは人類も考えてはいないが、それでも潜在的に自分たちが犠牲になる可能性があるとなれば無視することはできない。
かくしてダンジョンはことあるごとに人間に攻略される。もちろんダンジョン資源が人類にとって有益であるという理由もあるが。
生命というものは残念ながら不自由だ。
「それにしてもキングオークか。俺は一度狩った経験があるが、エルミラ殿は?」
「私はありません。話に聞いたことがある程度ですかね。」
リュカ前進しながら続きを話し始める。
「そうか。それでは簡単に説明しておこう。」
周囲を警戒しながら、リュカは説明を続けてくる。
「キングオークは通常Sランクの討伐モンスターでかなり強力だ。だがその力を上げる場合がある。それは周りに、オークメイジが発生している場合だ。オークは知能が低く、通常魔法を使えても一種類、それも種族的な力によるものが多い。だがオークメイジは魔法を使用することができる。それこそ味方の力を底上げするものから、攻撃するものまで。非常に多彩だ。だから通常キングオークに遭遇する場合まず周囲を確認してオークメイジがいたら先に狩る必要がある。そうではないと狩るのは非常に困難だからな。」
リュカが話していると今度は非常に珍しいイエローオークが出た。
その手で触れられると、一時的に相手をマヒさせる効果を持っている。オーク系統にしては珍しくAランクに部類されるモンスターだ。
「珍しいな。集団生活にはなじまないはずなんだがな。」
油断しなければリュカにとってそこまで強力な相手ではない。
すぐさま接近して手堅く斬撃を与えながら戦闘不能にしていく。
通常イエローオークは集団にはなじめない性質がある。その理由は簡単で、手にあるマヒ効果を自分で制御することができないからだ。見方でもマヒさせてしまうことから集団には嫌われている。
ノイルがオークの死体を確認している。そしてにんまりと笑った。
「これは珍しいね。あの村が滅んでいないのが奇跡に感じるよ。」
突然のノイルの発言にリュカが驚く。
「どういうことだ?」
ノイルは笑顔をそのままに説明を始める。
「このオークをよく見てほしい。首飾りをしているだろう?」
二人と一匹がオークを観察すると確かに首飾りをしている。その首飾りはかなり粗末なつくりをしていてるが、どうもほかの動物の牙で作られているようだ。
「大事なのはそのオークの首飾りについてる牙の数だ。このダンジョンのオークがカースティングされていることがわかる。」
「カースティング?」
「人間と同じで階級社会を作っているってことさ。このオークの首飾りには牙が一つだけついているだろう?これは幹部階級の最下層を意味している。牙の数が増えれば増えるほど階級は上がるんだ。」
これにはリュカが口を挟んだ。
「オークが階級社会を築くだなんて聞いたことがないぞ。それは事実なのか?」
「まず間違いないだろうね。そしてこれはこのダンジョンを率いるオークが、キングオークではないことを
示唆している。」
「つまりなんなんですか?」
エルミラは今更ノイルの言っていることを疑いはしない。それが無駄だと理解しているからだ。むしろ魔物に関してはノイルより詳しい者のほうが珍しいだろう。
「このダンジョンはオークディオスが仕切っているだろうね。」
エルミラはよくわかっていないが、リュカは青い顔をしている。
「そんなバカな、それは真実かどうかもわからない伝承の話だろう?そんな魔物がいるとは思えない。」
「いるよ、かなり昔に一度だけ出現したことがある。その時は勇者が討伐したんだ。かなりの死傷者を出したけど、何とか討伐したんだよね。オークディオスは魔物の中でも上から数えて100のうちには入るほどの強さを最低でも持っているからね。かなり期待値がたかいよ。」
説明するノイルの姿はなぜが自慢げだ。
案外エルミラが勇者として引き寄せられている可能性が高い。
「確かに期待値が高いですね。私の修行にはうってつけです。」
リュカがギョッと目を見開く。
「いや、普通に切り上げて討伐体を組んだほうがいいだろ!?その話が本当ならば我々の手に負える相手ではないだろ。」
リュカの言っていることには確かに一理ある。もちろんそれはエルミラがただの一介の冒険者であればだが。
「何も問題ありませんよ。こう見えて私は勇者ですから。さっさと行って倒してしまいましょう。」
「え・・・マジで。」
リュカのその言葉が静かなダンジョンに小さく響いた。




