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異世界旅行記「ついでに世界を救おうか。」  作者: 木兎太郎
近未来都市イズラ
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早速敵と戦うってよ

 ハク達が来た実験施設は山の中腹にあるような少し隠れた場所にあった。島の南には小さな山があり、そこにこの施設の入り口があった。そしてハクは扉を一瞬も迷いなく蹴破った。


 ハクが扉をけ破った瞬間、今は亡き扉の奥から一筋の弾丸がいまだ扉を蹴破ったままの姿勢のハクの額へ向かう。弾丸はハクに近づいた瞬間隣のエルミラの閃光の如き一閃にて切り裂かれる。


「ハク、危なかったんじゃない?」


 エルミラがハクに声をかけた瞬間、それがタイミングだったかのようにハクの額の一部が切り裂かれ、鮮血がはじける。


「エルミラ、ありがたいんだけどがっつり俺にあたってるんだけど。」


「うん・・・ごめん。」


 出だしから最悪の滑り出しだったが、その次の瞬間いつの間にかトレットを装備したハクがエルミラの横から消える。もちろん次元干渉を使用した高速移動だ。そして先ほどの弾丸が射出された先へ到達、弾丸はどうやらタレットから出てきていたようだ。ハクはすかさず、タレットを蹴って壊す。


 だがタレットを壊した瞬間壁面ごとその場所が回転し、綺麗にハクは一同から隔離されてしまった。


「そうか~隔離が狙いだったんか~綺麗に罠にひっかっかっちゃたな~。」


 もちろん魔法を使用すればハクに関していえば、すぐにみんなと合流することはできる。だがトレットを装備している点から、必死になってすぐに合流する必要はないとハクは考えていた。向こうにはエルミラにノイルがいるので、よっぽどのことがない限り安全だろう。弾丸を切り裂くようなそんな実力を持っているのだから。


「というか俺に関してはこっちをどうにかしないといけないよね、まずわ。」


 いつの間にかハクの後ろに明らかにアリアのクローンと思われる女性が三人いる。それぞれ左から、赤色黄色、青色の髪と瞳をしている。それぞれにウェットスーツの生地が薄くて白いバージョンのようなスーツを着ている。赤色の髪の個体は腰からハンドガンを二丁ぶら下げている。黄色の個体は腰に片手直剣を二本ぶら下げている。そして青色の個体は背中にアサルトライフルのようなものをぶら下げている。そしてどの個体も瞳からは感情を感じない。


「侵入者を排除します。」


 一斉に3人が宣言する。


「勘弁してよ本当に、それにしても君らは戦闘モデルONE、TWO、THREE全部揃っちゃってるの?だったら結構嫌な感じがするんだけど?」


 もしここに聞いていた戦闘モデルがすべてそろっているとすれば、代表の研究は想像以上に進んでるってことだよな。こんな入口に三人配置されているということはこれ以上の個体がこの先にもっといるってことだろ。


 ハクが考え事をしていると、黄色と、赤色の個体が一斉にハクに突撃してくる。だが赤色の途中までハクに接近すると、直角に右に曲がりハンドガンを腰から引き抜いた。そしてそれと同時にそれぞれの個体も武器を取り出し、ハクに接近する。


 黄色は両手剣を抜刀すると、それを正面に突き刺すようにハクに突進してくる。対してハクは両手をそれぞれ前に出し、黄色の突き出す剣をつかむ。まるでそれを待っていたかのように黄色は剣を握ったハクを振り回し、壁にたたきつけた。ハクの口から、空気が漏れる。衝撃で握られていた剣が話されたと見るや、一瞬でそこから距離を取る。


「かはっ!?結構力がお強いんですな・・・。」


 ハクが衝撃で動けずに壁にめり込んでいると、青色と赤色が一斉に銃をハクへ乱射する。


「それはまずいな。」


 ハクはとっさに右手を前に出し、万能防御でシールドを張る。


「こいつはまずいな、この弾丸魔力を散らす効果があるみたいだぞ。」


 トレットがハクに忠告する。


「それってつまり?」


「容赦なくシールドがぶっ壊れていくってことだぞ。」


 トレットがそう言うのとハクが右側に高速移動するのと張ったシールドが壊れるのが同時だった。


 ハクは倒れこむようにかわしてから立ち上がる。


「これは少し厄介だな・・・。」


 だがこいつらはなぜか魔法を使ってこない・・・、使えないのか・・・?


 ハクはクローン個体を観察するが、別に魔力がないというわけではないようだ。うっすらと魔力の流れを感じる。ハクはこの情報である仮説を完成させる。おそらくはアリアが原因だろう、限界まで力を引き出すのは可能だが、魔力量を引き上げたり、元の人物にない才能までは流石に引き上げることはできないということだろう。だが逆に言えばアリアの言っていた通り戦闘に優れた生命体が手に入った時点ですさまじいことになるのは間違いないだろう。


「そうなってくると、エルミラたちも少しは危ないかもな。ちょっとまじめに合流を考えたほうがいいかも、申し訳ないけど本気を出させてもらうぞ。」


 ハクの表情から余裕が消え、真剣な眼差しに変貌する。


 サイド黄色が両手剣を持ち、ハクに突撃する。今度は両手剣を無理につかもうとはせずに、両サイドにはじくようにする。直進する力は横からの力に非常にもろく、いとも簡単に攻撃がはじかれ黄色は両手を広げてしまう。ハクはその間に両手をさらに突っ込み、黄色の胸に両手を当てる。柔らかな感触を感じたがそれは無視する。上手く射線を阻むように立っているので、赤色も青色もハクに発砲することはできない。


「これは中国での任務中に飯食ってた時にそこら辺のおじいちゃんから習った寸勁という技だ。」


 その技の衝撃のみが黄色の背後まで突き抜け、赤色の髪をかすかに揺らす。静寂の中、黄色はその場で動かなくなり、倒れてしまう。


「あと二人・・・。それにしても確かに力とかはSランクなのかもしれないが、戦闘技術はそこまで高くないな。」


 ハクは手をパンッパンと手をたたくと、次の瞬間高速移動をする。今度は遠距離攻撃の青色に高速接近すして、打撃を与えようとする。だがこの試みは赤色の手によって失敗する。青色に向かう射線上に何発か弾丸が飛んできて、ハクの移動は阻まれる。


 ハクの高速移動が止まった瞬間、青色がアサルトライフルをハクに乱射する。


「万能防御は使えないんだったな。」


 ハクは飛んでくる弾丸の方へ右手を開き、一直線に伸ばす。そして弾丸を目で追い、それを片手ですべてそらしていく。


「まぁ、魔法じゃあるまいし金属なら手でもそらせるんだなこれが。」


 余談だがハクはもともと地球にいたころからこれぐらいやってのけた。


 弾丸をそらすハクを横目に、赤色は黄色の直剣を一本だけ拾い上げ、ハクに投擲する。ハクは直剣を空いた左手で掴んで防ぐ。だがそれは罠だった。次の瞬間投擲された片手剣が爆発した。全く容赦なく、青色がその爆炎の中へ銃を乱射する。赤色はもう一本剣を拾い上げると、今度はそれを握り爆炎の中のハクを突き刺そうと突進する。


 そしてその突進はハクがまた剣をはじくことによって防がれる。爆炎の中以前弾丸をはじき続け、今度は剣による突進も防ぎ、今度はがら空きになった赤色のみぞおちに手を当てる。


「俺は魔法を使えるんだなこれが。」


 ハクはそう宣言すると、寸勁で今度は赤色を戦闘不能にする。赤色は抵抗することもできずに、地面に膝をつき、ゆっくりと倒れた。爆炎に凄まじい速度で反応したハクは、それをディオス・ヴァキオで防ぎ、煙の中不用意には動かず、赤色を戦闘不能にしてのけた。


「さて、残りは君だけだな。」


 ハクの目線はゆっくりと青色に向かう。


「残存戦力は私のみ、戦闘続行は不可能のため、脱出を試みます。」


 青色が振り返り、脱出しようとした瞬間ハクは次元干渉で高速移動をし、背中に手を当てる。


「俺の方が早いんだなこれが。」


 ハクは青色の背中の中心に手を当てて、寸勁を放つ。そして青色も意識を失ってしまった。


「結構てこずっちゃったけど、これくらいなら対応できそうだな。エルミラとかだったら力でぶっ放せる気もするけどね。」


 ハクは青色の白いスーツをおもむろに剥いた。そして背中を観察するとそこにはONEの文字が記されていた。


「やっぱりそう来るか・・・。俺もさっさエルミラたちを探した方がよさげだな。ていうか俺でも結構ピンチかもな流石に。」


 ハクは部屋を観察すると扉を発見し、その部屋から脱出する。そしてハクはエルミラたちを探す。



「・・・・・ハク、あんなに大見えきってたのに、敵の罠にはまっていなくなっちゃいましたね。」


 エルミラは腰に手を当てて飽きれるようにしている。


「ハク君・・・あんなにかっこつけていたにいなくなるときは一瞬だったね。」


 ノイルはその小さな背丈で見下すような目をしている。


「あんなに自身満々だったのに早速いなくなってしまうなんて。一旦引いた方がいいのかしら。」


 アリアは帰りたそうにしている。


「とりあえず進みましょうか止まっていてもハクの二の舞になるだけですからね。」


 エルミラが率先して歩き出す。相変わらハク以外には敬語を使うエルミラだ。


「それにしても何のかざりっけもないシンプルな感じだね。昔からこうだったの?」


「そうね、代表はそういうのにはあんまり興味がなくて。ずっと研究ばかりだったわ。」


「ちなみにこの道をまっすぐ行くとどうなるのかな。」


「昔と変わらなければ、このまままっすぐ行くと大広間があるはずよ。」


「研究施設に大広間?何をしていたんだそれ?」


「そうね、特には何もしていなかったわ。ただこの広間はまれに、クローンたちの健康診断に使ったり、大きなスペースがなくては不便な時に役立ってくれていたわ。」


「ふ~ん、なるほどね。」


 そしてエルミラ、ノイル、アリアはそのまま真っすぐに歩いて、大広間の扉を開く。


「これはどういうことかな?」


 大広間には一人だけ見覚えのない者が立っていた。その男はぼさぼさの黒髪を無造作に伸ばし、毛皮の服を着ている。首元に白いファーが付き、全身黒色の服を着ている。うつむいていて顔はよくわからない。


「あれは・・・私も見たことはないわ。」


 アリアが困ったように告げる。


「最悪ね。博士はすでにほかの個体も手に入れて、クローンを作成していた・・・。それも大広間に一人だけって、相当な自信ね。」


 男はうつむいていtあ顔をゆっくりと上げる。黒色の瞳に感情は宿っていない。顎には無造作に髭を蓄えている。ほとんど整えていないのか口すら見ることができない。


「あー・・・・・。こ・・・ろ・・・・す。」


 小さなその一言が、何もない大広間に意外なほど響く。


「あちらはやる気みたいだね。どうだろう?一応ハクたちの前では戦ったことがないはずだから、ここは僕に任せてよ。戦闘お披露目タイムさ。」


 ものすごく余裕そうにノイルがエルミラに持ちかける。


「私は構いませんが、アリアさんも大丈夫ですか?」


「あれでも間違いなく強化個体のはずよ。一人でなんて言わずにみんなで戦うべきだわ。」


 アリアが冷静に提案する。


「それはたぶん問題だないと思いますけど。」


「・・・え?」


 エルミラの発言にアリアがきょとんとする。


「たぶん私よりも圧倒的にノイルの方が強いですから。」


 アリアはエルミラの方を見つめる。果たしてこの少女は何を言っているのか。先ほどこの少女の弾丸を一瞬で切断する絶技を見たが、それでもこの少女より、あの小さな少年が強いなど信じられるわけがない。まだ年端も行かなそうなあの少年を見殺しにする気だろうか。


 アリアがそんなことを考えていると、ノイルはその時間に飽きたのか男の方に歩いていく。


「お・・・ま・・・え。こ・・ろ・・す。」


 その時男がとんでもない速度でノイルを殴りつけた。そして周りの地面が陥没して、煙でノイルが見えなくなる。


 あまりに一瞬の出来事にエルミラもアリアも唖然とする。


「すみません。やっぱりノイル一人にませたのは失敗だったかもしれないです。」


 エルミラの頬を汗が一滴つたる。


「今更そんなこと言ってももう・・・・。」


 アリアの頬にも一滴だけ汗がつたる。


 そして煙を祈るように見つめていると、謎の男がゆっくりとその場に膝をつき、倒れた。


「・・・え?」


「いや~急に殴ってくるんだもんひどいよね。」


「何があったんですか?相手は結構強いように見えましたけど。」


「別にパンチしたら倒れただけだよ。」


 この会話を聞いたアリアはこの人たちなら、確かに正面突破で代表の計画を止められるのかもしれないと、静かに確信を得た。



 薄暗いPCだけがある部屋にて。


「ふむ、侵入者たちは予想よりも手ごわいみたいだな。だがアリア、君の方から戻ってきてくれるとは嬉しい。君には見せたいものがあるんだ。」


 暗闇の中で何かが笑う声だけが響く。

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題名:「2.5次元世界」にて、スキル「フレーム回避」を手に入れたゲーマー俺氏、無双開始秒読みな件について新小説の投稿を開始しました。もしお時間ありましたら、是非ご一読ください。よろしくお願いいたします。
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