魔法は結構難しいらしい
「ところでわしの教えられる魔法は古いでな。現代魔法とは区別した呼び方をしておこうか。現代魔法には古代魔法にはできないことができて、その逆もしかりじゃ。」
「じゃぁその名前は?」
まぁ地球でも類似商品こそ差別化頑張っている節があったしな。
「そうじゃなぁ・・・・。この原書の図書館の名前にちなんで、エルダーズマジックとでも名付けようか。」
おれの記憶が正しければそれを直訳すると年長者の魔法だが、まぁ事実だしいいだろう。
「わかった。それじゃ俺たちにエルダーズマジックについて教えてくれるか?」
「ふむ、まず魔法についての知識はどの程度あるのじゃ?ハク君はまぁ置いておくとして、エルミラちゃんはどんな感じじゃ?」
「エルミラちゃん?まぁ教わる身ですから呼び方は任せます。それでは説明させていただきます。」
以下が線内がエルミラの魔法知識を大まかにまとめたものである。
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魔法とは体内の魔力を任意の減少へとエネルギー変換させることをいう。そして魔法には属性があり、それらの属性は【火・水・木・光・闇・無】に別れる。それぞれの属性ごとに魔法はあり、それらの魔法は初級・中級・上級に分類される。才能のないものは中級魔法が使える確率すらはかなり低い。
その人ごとに得意な魔法属性があり、エルミラは光魔法が得意だ。だが万人に使えるとされる魔法属性がありそれが無属性だ。一般的に自身の能力を上げたりできる属性で、肉弾戦が主な戦闘手段の者たちにかなり重宝されているらしい。
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「なるほどのう、今時の魔法の知識はなくてな。今はそんな感じなんじゃね。ならば、エルダーズマジックの説明をしてやろう。魔法の大まかな知識はそれであっとる。じゃがな、エルダーズマジックにはもう一つだけ属性があるのじゃ。その属性名は【真】じゃ。残念ながらこの属性を使えるもんは当時からほとんどいなかった、なんで現代では存在しないものとして扱われているのかもな。」
「真属性魔法?確かに全く聞いたことはありません。」
「おれも大魔女王様から聞いたことは全くないぞ。」
「二人とも知らないのか。ちなみにどんな魔法なんだ?」
「そうじゃのぅ~、こんなもんでいいかな。【エルダーズマジック・ラベルダッド・シフト】」
特に周りに変化はなく、何か魔法が起きたような形跡はない。
「何が起きたんだ?特に何も起きていないように思えるが。」
動いて周辺を調べようとしたところ、ある異変に気付く。目の前にある机に手を突こうとした瞬間、その机には触れることができず、少しだけずれた場所に手を置こうとしてしまった。
「なるほど・・・幻覚魔法か?でもそれは闇属性の魔法だった気がするぞ?」
「そうじゃのう、惜しいけど違うのう。これはな使えんものには理解することが難しいかもしれんが、この机が存在する箇所をこの世界の理からずらしたんじゃ。つまるところその机はわしの魔法影響範囲のどこかにずれていて、そこにあってそこにない。真属性魔法には昔変態学者がつけた格言があるんだが、【真なる理に疑問を生めばそこに新たな理を生む】みたいな感じじゃったはずじゃ。といってもこの属性の魔法を使えるとは思えんからあんまり深く考えることはないぞ。」
「そうなのか?それは残念だ、少し面白いと思っていたんだがな。てかオスカーさんは使えるんだな。」
真理に疑問を抱くか・・・。面白いと思ったんだがな、世界の法則にあらがって使う魔法まさしく人間的で刺激的な魔法なのに、使える奴が案外少ないんだな。
「それはそうじゃよ、この属性を研究していた一人じゃったからな。当時でもこの魔法を使えるものは少なかったんじゃ。・・・さて、余計な話はいったんやめて、2人の魔法適性を調べるとするかのう。」
そういうとオスカーは紙2枚をこちらに持ってきた。
「これは魔計紙といってのう・・・ちなみに今でもこの紙で魔法適性を図っとるんか?」
これにはエルミラが答えてくれた。
「いいえ違います。今は魔水晶という手を置くと適正属性に光るものを使用して魔法適性を図っています。」
「ほう、それはおそらく昔にもあった気がするのう。おそらく魔晶石から作られる水晶じゃろう。でも確か、あれは金持ちの家の飾りかなんかに使われとったのう。夜になるとようやく少しわかる程度に光るんじゃ、正確には昼間にも光っとるんじゃが明るすぎてその光は確認できん。この現象を見つけたときに魔晶石は大気に存在する魔素をすっちまっとる可能性が高いことが判明してな。そのせいで厳密な魔法適性審査には向かんという結論に至ったんじゃ。ごくまれに魔法適性が2属性程あるものがいるはずなのに1属性しか調べられなかったんじゃ。」
「そんな話は聞いことがありませんね・・・。でも確かに魔晶石から作られています。そして鉱物の内魔晶石を分けるにはその石が光っているかどうかを確認すると聞いたことがあります。」
「ほっほっほ、じゃろうな。実はこの話には面白い続きがあってのぅ、魔晶石は実はある竜の好物での。その名も【クリスタルドラゴン】魔力のこもった石が大好物のドラゴンじゃ。して、その魔晶石をたくさん飾るのが一時期流行していたある国でな、そのドラゴンが大襲来するという事件があったんじゃよ。国は無事に壊滅して、竜はその時人間の美味さも学んじまっての。勇者たちが躍起になって、防衛線に駆り出されて、戦っとたわ。じゃが【クリスタルドラゴン】はめちゃくちゃ強くての、人類は滅亡寸前まで追い詰められたんじゃ。わしの弟子が、焦って出て行って【クリスタルドラゴン】の長、確か名前はリザルガル・クリステラーじゃったかな、そいつと戦って見事相打ちまで持ち込んでな平和条例を結んだんじゃよ。竜は約束にあついでな、それ以来人間は襲われちょらんそうじゃ。」
「・・・へぇ~。」
まさか魔法適性を図る話がそれただけでこれほどまでの話を聞けるとはな。人類滅亡の危機が爺さんの弟子によって救われたのか、勇者ではなく。凄まじすぎる。
「リザルガルさんは元気なんですか?」
ハクが関心している間にエルミラが質問をした。
「知らんよ、クリスタルドラゴンのことなんての。」
「え?リザルガルさんってドラゴンの名前だったんですか・・・。じゃぁお弟子さんのお名前はではなかったんですね。」
「ほっほっほ、わしの話し方も悪かったのぅ。わしの弟子の名前はノア・バームスバルムじゃよ。」
その言葉を聞いて一同は固まった。
「もう600年前にはあとは一人で学ぶといって、この家を後にしたがのぅ。懐かしい、あれからもう300年はあっとらんが元気かのぅ。」
どうりでこの空間に詳しいわけだ。ここの出だったのかよノアさん。
「・・・たぶん元気だよ。それに本当に困ったときは爺さんを頼りにここへ来ると思う。」
「ほっほっほ。嬉しいことを言ってくれるのぅ。あ奴はわしの息子も同然じゃ、また会ったらいつでも帰ってくるように伝えてくれ。」
「あぁ、約束するよ。」
なんとなくこの爺さんのあたたかな笑顔を見ていると保護施設の管理人の爺さんを思い出して協力したい気持ちになった。
「それでは早速この紙に魔力を通すのじゃ。まずはエルミラちゃんからやってみてくれるかのう。」
「はい、わかりました。」
エルミラが魔計紙に魔力を通すと、魔計紙は特に何の反応もなように一瞬見えたが一瞬バチッバチッという音を立てた思うと炎が上がり散った。
「ほう・・・。これはこれは随分と珍しいのう。光属性の適性があまりに高いとこのような反応を起こすのじゃ。これは雷、いわゆる天災魔法と言われる領分の魔法で、通常人間には使えんのじゃ。神に近い領域に至っておる竜などに使うことができる属性じゃて、じゃから適正属性としては伝えんかったんじゃ。もともと光属性自体が勇者になった物のみが適性を得られるものじゃが、そのさらに一つ上のレベルのものじゃて、わしも人生で見るのは2度目じゃ。」
・・・。それってかなりのチート魔法なんじゃ・・・。エルミラさんマジパネェっす。てかやっぱり雷はどこの世界でも凄すぎるよ。
「これは説明の必要を感じたので一応伝えとくのじゃ。適正属性には乗っとらん属性っちゅうもんがあってのぅ。先ほど説明した属性魔法をさらに発展させた先にあるものじゃて、最上位格の魔物か本当にごく一部の人間にしか使えない属性魔法といわれておる。それらは【炎・氷・土・雷・淵】じゃ。発現したものはもれなく世界の最終兵器として扱われとったよ。わしにすら使えんしのぅ。まぁこれらの属性を発現したものはもれなく、他の属性を発現しないという特性もあるがのぅ。」
「そんな凄まじいものなのか・・・。うん?でも待てよ、真属性に対応するものがないように感じるんだが?」
「それは誰も知らんからじゃ。見たことも現れたこともないのじゃ。これはこれで面白い教えがいのある弟子ができそうじゃのう。どれ、ハク君もやってみなさい。」
エルミラが恐ろしすぎて、俺の順番のハードルがエベレストより上がっている自身がある気がする。本当に面倒くさい。でも楽しみでもあるかな、魔法が使えるだけでも前の世界からしたら儲けものなんだ。気にせずにやろう。
ハクはそっと魔計紙を手に取る。
この時ハクは珍しくただ今を楽しむことしか考えていなかった。
そしてそれが一番の問題であった。一度緩んだ封印は緩みやすくなる。
ハクは手に取った紙に魔力を通そうとする。
ハクがニヤリと不気味な笑みを浮かべた瞬間、封印のダイヤルが100回転した。
魔計紙の周りの次元・空間そのものがグニャリと曲がった瞬間、魔計紙が消え、あたりの空間に影響を及ぼそうと手を伸ばす。それはまるで生まれたの子供が自我に目覚め、興味のみが行動を起こすように、暴走しようとしていた。
オスカーは自身が数百年ぶりに震えていることに気付く、オスカーは本能的に行動を起こす。ハクに何らかの封印がされていることは最初から気づいていた、それを謎に思いオスカーは本棚に化けてまでハクを観察していたのだ。だが、ハクの人柄を感じ取り、警戒を緩めた。それをこんな形で後悔することになるとはオスカーも考えてはいなかった。
オスカーは次元のゆがみに真属性魔法で干渉しながらハクに近寄り、封印魔法を修復した。これがエルダーズマジックであることは干渉して初めて気づいた。
あまりに一瞬の出来事にオスカー以外の全員がその現象を知覚できていない。そんな中エルミラが口を開く。
「う~ん、ハクさんの属性は何だったんですか?」
オスカーは深いため息をついた後に答える。
「う~~~~~~~~~む、・・・わしも知らん。」
オスカーは天井を見上げ、考える。
また規格外のお客様じゃな・・。




