強力な協力者らしい
「ここはどこだ?」
俺はそういうとエルミラを見つめた。
「わかりません。」
エルミラはそういうとトレットを見つめた。
「わからんな。」
トレットはそういうとさらに隣にいた人物に目を向けた。
「そいつはだれだ?」
俺はそういうとエルミラを見つめた。
「わかりません。」
エルミラはそういうとトレットを見つめた。
「わからんな。」
トレットはそういうと隣にいた人物に目を向けた。
「僕の名前はノア・バームスバルムだよ。」
「え?あの世界でも名高い仙人のノアさん・・・ですか???」
エルミラが驚くのも無理はない。そもそもノア・バームスバルムという男はまず見かけることが珍しい。だがノアを見かけると裏で世界を揺るがす何かが動いている確率が高く、またその危機を救ってきたのもノアなのだ。人々がその危機に気付いたころにはノアが解決している始末なので、その功績を評価するにも脅威レベルが不明かつ、人界にも姿を現さないためいまだ大々的に評価されたことはない。庶民の間に人類最強伝説が口々に流れるのみにとどまっている。
「俺もさっき本で読んだけどあんたがノアさんだったのか。想像より若いな。」
「年をとらないようにしてるだけだよ。久しぶりに人にあったと思ったらずいぶん面白い人たちに会えたみたいだ。犬の君はたしかトレット君だったよね。【救世の大魔女王】のところの現状最後の使い魔君じゃないか。銀髪の君は勇者だね、魔力の波長でわかるよ。ただ君だけは誰かわからないけどね。」
最後にそういうと意味深な目でハクを見るノア。
「この世界の人間じゃないからじゃないか?」
「いや、君が異界の来訪者であることはすぐにわかった。でもそれ以外にも大きな謎があってね。トレット君がいるところを見ると【救世の大魔女王】は何か掴んでるだろうけど。相変わらず彼女は秀才だね。」
「大魔女王様と知り合いなのか?」
トレットがノアに質問をしたことによって彼でさえノアに会ったことがないことが分かった。
「知り合い・・・だね。彼女とは最初友達になろうとしたんだけど僕が自己紹介したら、魔女である私は名前を名乗ることができないの。名前が魔術に対して強大な効果を持っていることは知っているでしょう?っていって断られたんだ。なかなかパンチのきいた女性だよ。あと彼女とは何度か一緒に世界を救ってるんだ。仲間ではないけど、会ったら協力する程度には知り合いだよ。」
「何度か世界を救うっていうフレーズが凄すぎて驚くよ。」
「私も初めてノアさんを見ましたけど思っていたより普通の人なんですね。」
確かに一見ノアは普通の人間だ。年を取らないとか言っているので普通ではないのは確かだが。すごくきれいな白髪をしていて、灰色の瞳をしている。地球で言う白衣をもう少し派手にしたような、なんだか研究者みたいな服装をしている。
「そういえば君たちは何をしにここへ来たのかな?」
ノアが悪人には到底思えなかったのでとりあえず近況を説明した。確かな実力者であればノアがいずれ協力してくれる可能性も大いにある。そういった期待も込めていた。
「なるほどね。みんな考えていることは一緒だね。僕も邪神の一件は流石にまずいと思っていてね。同じ結論に至って魔導書を探しているところだよ。でもそれなら面倒な本探しはお願いしちゃおうかな。他にもやらないといけない役目はまだあるしね。」
「なんだ、協力してくれないのか?」
「いや、最終的な邪神封印には協力するつもりだよ。ただ本集めは君らに任せたいと思ってね、重要な役割分担ってあるだろう?まぁ僕が何をするかは秘密だけどね。というかまさかとは思うけど、僕も彼女の計画に組み込まれていた可能性すらあるねこれは。ははは・・・。」
ノアは少しだけ疲れたような顔で笑っていた。過去に大魔女王と何があったのか気になるところだ。
「それなら仕方ないか。でも本探しのヒントぐらいはくれよ。」
「ヒントを探しにここに来たんだでしょ?僕も同じだよ。つまり君たちは確実に真理の魔導書に近づいてるよ。ちなみにここがどこだかわかるかい?」
「全然わからん、ここはどこなんだ?」
今思えばここに来てからノアとあって話していたが、ここがどこだかわからないことは解決していない。現状脱出できるかどうかすら怪しいものだ。
「それでよくここまでこれたね・・・。説明するとここは原書の図書館という最重要機密レベルの書籍たちが隠されてる図書館だよ。あの大図書館はこれを隠すためのカモフラージュ、少しだけ注意深く図書館を見ると割と気付けるよ。名前は【ウィッチライブライ・エルダースクロールズ】だよ。」
おそらく気付けるのはノアか、大魔女王くらいなんだろうとハクは感じていたが、言っても無駄だろうからその言葉を深く呑み込んだ。




