とうとうエルミラと戦うようだ
エルミラとの決闘当日となり、ハクとトレットは約束の闘技場についた。。闘技場で開催されるということ以外は特に打ち合わせていないので、ハクは少し緊張している。
特に何か準備をするするわけでもなく、そのまま実際に戦う舞台まで向かった。そして舞台の真ん中にはエルミラが立っている。エルミラは特に鎧などで完全武装するわけではなく、ただ一振りの刀、それに胸のあたりに革鎧を装備しているだけだ。あとは、白色のロングコートを前を閉めてきているくらいだろうか。
さらに周りを見渡すと、闘技場ということで観客に偉そうなおじさんと、大将軍バンディッシュ、それにシルエラ、ギルド長ジャックマンというメンツがそろっている。まさかとは思うがあの偉そうなおじさんは国王様だろうか。
「ほう、国王まで来てやがるぜ、今回の一件任せる価値があるかどうか、見極めに来たのかもな。」
トレットが国王に対する態度とは思えない口調で言った。
「あの人が国王様だったのか。なんとなくそんな感じがしてたよ。」
国王はシルエラと同じブロンズの髪をしている。髪はあまり伸ばしておらず、オールバックに固めていて、エメラルド色の瞳をしている。どこか国王特有の覇気みたいなものを感じる、威厳あふれる見た目だ。
舞台に立つと、エルミラが声をかけてきた。
「ハクさん。今日は多少お客様がいらしてますが、気になさらないで下さい!。存分に戦いましょう。」
そしてエルミラが剣を構えた。直剣を構えた、長さは90cm程度のものだ。
「それは構わないけどさ、かまわないけどなんとなく気が進まない。ていうかはっきり言っちゃえば面倒くさいよ、トレットお願いしてもいい?」
「ああいいぜ、たぶん俺込みで戦わないと意味がない。」
トレットがあの時のようにガントレット形態になった。
「そう野暮なことは言いなさるな、ハク殿。不肖このバンディッシュが開戦の合図をさせていただきますぞ。」
そういってバンディッシュも舞台に上がり、どことなくにこやかな表情をしている。
「それでは試合・・・・開始!!!!!!!!!」
バンディッシュの掛け声とともに、エルミラはすさまじい速さでハクに突進をした。その速度は件の魔人ヘルゲイルにも引けを取らないものになっていた。
相変わらず、なんの構えも取らないハクに対してエルミラは愚直に直剣を振り下ろす。
「ハァッ!!!!!!!!!」
その気合の入った振り下ろしはハクには当たらない。だが、そのひと振りの余波で闘技場全体が揺れる。そしてハクは見逃さなかったが、まるで自分がここまで育てました見たいな表情でバンディッシュがニヤけていた。
なるほど、トレットやエルミラから説明を受けていた通り、この闘技場には壊れないように防御魔法が大量に張られているようだな。それに、技術も相まってかなり頑丈なつくりになっているみたいだ。
「やるじゃないかエルミラ、正直一撃でお陀仏の自身があるぞ俺は。」
「当たるつもりもないけどな、という嫌味ですかハクさん!」
そしてエルミラの猛攻の中、ハクは時に体を揺らし、時に手を添え、エルミラの攻撃を次々にかわしていく。エルミラは一度距離を取った。
「ここまで当たらないとは思ってもいませんでしたよ、ハクさん!事前にバンディッシュ様に聞いておいたハクさんの弱点攻めさせてもらいますよ!【ホーリー・ランス】」
巨大な光の槍がエルミラの手からハクに目掛け駆ける。恐ろしく速度の早いそれはをハクは横に飛び何とか回避を成功させる。だが【ホーリー・ランス】が地面に着弾後爆発、その余波でハクは吹き飛ばされてしまった。
バンディッシュさん、なんて余計なことをしてくれているんですか。面倒くささが天元突破しそうですよ。
「ハクさんッ!これで終わりですっ!」
ハクが吹き飛ばされた瞬間、エルミラは吹き飛ぶハクに急接近そのまま姿勢を崩したハクに直剣を振り下ろした。が。エルミラの直剣が当たる寸前ハクは吹き飛びながらエルミラの足元の次元膜を引っ張った、そのまま次元膜につかまりながら回転し、エルミラに蹴りを放つ、エルミラは足元を急に崩し、蹴りをもらってしまった。そしてエルミラはすぐさま姿勢を立て直す。
「クッ!?なるほど、そういうことなんですね、それがトレットさんの能力ですか、かなり強力ですね。」
「まぁ、そんなところだよ。使い方次第だと思うけどね。」
ハクはまた自分の周囲の次元膜をつかみ、今度はその反発力で人間パチンコをする。だが、エルミラも何とか攻撃を回避する。だがハクはエルミラの後ろの次元膜をつかみ、自身を急ストップさせる。その反発力を使い今度は殴りつけようとする。とっさにエルミラは前転をして攻撃を回避する、だが、その回避後地点にはすでにハクがいる、ここまでの速さの勝負をしたことがないエルミラは、どんどん戦い方にぼろが出始める。
早すぎる!?対応できない。勇者になってある程度万能感に浮かれていたのは認めるけど、まさかここまで差があるなんて、本当にハクさんは何者なの!?
「エルミラ、こっちだよ。」
「後ろッ!?」
エルミラは振り向きざまに全力で直剣を横に振るった。だがそこにはすでにハクはいなかった。
「甘いです!【ホーリー・インフィナイツ・アロー】!!!!!!!!」
一斉にエルミラから全方位に向けて、小さな光の矢が放たれる。
目でとらえられないならば範囲攻撃はどうですか!
「なるほどいい作戦だね。」
ハクは【万能防御】でドーム状の盾を張りエルミラの攻撃を防ぐ、そしてエルミラはその瞬間を待っていた。
「やっと動きを止めてくれましたね、ハクさん!【ホーリー・エンチャント・ソード】」
エルミラの持っていた直剣が光り輝く。そして動くことのできないハクに向かって光剣が振り下ろされる。




