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どうするんですか?

「こんなに大っぴらに行動を起こしてくるなんて」メグミはお茶を飲みながら来海に言った。

SOra工房に戻った4人は少し落ち着いてお茶を飲んでいた。テレビでは全てのチャンネルでスクランブル交差点のニュースが流れていた。

現場から逃げて来るのがもう少し遅かったら、事情聴取されていただろう、救われたのは監視カメラもない時代だということ、実際にメグミが”整”を使ってした事は誰にも分からないし、理解も出来ないだろう。


「あのぅ、メグミさんは来海さんの妹さんなんですか?」佳奈が少し気になってそう聞いた。

「そうね、血は繋がってないけど兄妹だね」メグミが明るくそう言った。

なにか複雑な感じなのかな?と佳奈が思っていると、それを察したのかメグミが続けて話した。

「私は戦災孤児だったの。戦後ずいぶん経ってたんだけど、私は1人で生きていて。。そんな私を引き取って育ててくれたのがお母さんだったの、(じゅん)兄さんのね。それからは本当の兄妹(きようだい)のように育ててもらったわ」

「そうだったんですね」佳奈が腑に落ちてそう返事をした。

少し話を変えようとしたのか君香が「メグミさんの”整”はめちゃくちゃ凄かったです!」さっきの事を思い出して興奮しながら言った。


また疑問がでてきたのか、佳奈が質問した

「”整”は時間がかかるものとすぐに発動するものがあるんですか?」スクランブル交差点でメグミが長い事指をくるくる回していたのが気になっていた。


それについては来海が説明してくれた。


「すでに存在する物質、、例えば金属の柵とかね。そういうものに宿る精霊とはすぐに通じる事が出来るんだけど、大気中に無数に散らばっている水(水蒸気)の精霊を集めて、そこから液体を作ってもらうとなると少々時間がかかってしまう」

来海がそう言うと、メグミが付け加えて

「よく、映画とかアニメで魔法を使うとすぐに炎とか出てくるでしょう?でも、実際は近くに燃えている炎とかがない限り火の精霊はそこにはいないの。そういう場合は空気中にいる違う精霊や近くにある物に宿る精霊に頼んでなんとか物理的に火を起こしてもらうしかない。。そうするとけっこう時間がかかっちゃう」


「そうなんですね」

佳奈は聞いていてなんだか魔法というものの観念が変わった気がした。


メグミが表情を少し固くして来海に

「気になるのは、、新幹線で潤兄さんが襲われ、”整”の使い手である新谷さんが火災でやられて、、今、この工房のスタッフの2人がスクランブル交差点で襲われた」

君香がそれを聞いて驚き声をあげた「私と佳奈ちゃんが狙われたんですか?さっきのって?」

来海とメグミは下を向いて黙ってしまった。

「おそらく、そうだろう」来海が静かにそう言った。

「それじゃあ!ここ!絶対この工房が狙われるんじゃ!」佳奈が急に立ち上がって外の様子を警戒し始めた。

それを見て来海が安心させるように応えた「お隣の粕谷さん、あ、あのおばあさんね。その粕谷さんがこの工房の大家さんなんだけど、、ここ一帯に強い結界を張ってくれていて……だからそうそう見つかりはしないとは思う」

佳奈は、隣の”柿の葉茶ぐるぐる”おばあさんまでもが魔法関係の人だと知り、びっくりしてアゴが外れそうになった。


「2人はしばらく自宅待機か、実家に避難した方がいいかもしれない」来海は君香と佳奈に向かってそう提案をした。

「でも、1人の時や御家族と一緒の時に襲われたらどうするの?」オセロをひっくり返すような事をメグミが言う。

「今日のスクランブル交差点での事が本当に私や佳奈ちゃんを狙っての事だったとしたら、、メグミさんの言う通りかも」君香が腕組みをしながら、天井を仰いだ。

その時、高らかに工房の電話が鳴った!

1番近くにいた佳奈が受話器を取る。

「はい、SOra工房です。はい、おります、少しお待ちください」佳奈は電話の送話口を手でふさぎながら「来海さん!サクザンさんです」と言ってそのまま来海に受話器を手渡した。

「潤兄さん、スピーカーにして」メグミがそう言ったので来海は受話器を受け取るとみんなに聞こえるようにスピーカーボタンを押した。

「潤くん!沖縄の平良兄弟がやられた!」愬山のその雷鳴のような知らせに1番飛び上がったのはメグミだった。

「平良さん達が?、、うそ」

後でわかった事だが、平良兄弟は来海やメグミを超える”整”の使い手だったという……

真綿で首を絞めるかのようにジリジリと敵の包囲網が迫ってきているのを感じる。

来海とメグミの額からは玉のような汗が吹き出していた。

佳奈は『あの汗の1粒1粒にも精霊がいるのかな?』

と、、不謹慎にもそんな事を考えていた。


「来海さん!”整”を教えてください!」

君香の口からまさかのそんな言葉が出た。

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