表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
96/134

その手があるから生きてける(百合。学生寮)

 ベッドの隅で丸まる私を、いつも優しく撫でる手がある。

 頭を撫でて。泣いてるときは、そっと背を。

 この手が無ければ、とうに人間をやめていた。

「……ありがとう、ゆう子さん」

 いいよ、というように背を叩かれる。なんて優しいリズムだろう。私はうっとり目を細めた。

 目を瞑る。今日も一日がんばった。

 ……先生には怒られたし、母からかかってきた電話もアレだった。それでも私、こうして生きてる。

「……もう少しだけ、がんばってみる」

 いつものように、小さく宣言。

 すると、ゆう子さんの手が私の肩をぽんと叩いた。

 応援してる、と彼女が言外に言ってくれるから、私はまだがんばれる。

「ほんとは早く人間やめて、ゆう子さんに会いたい気はするんだけど」

 駄目だよ、と見えない手が、私の肩をトントン叩いた。

 ……私の同居人は、目に視えない。

 けれどその気配とリズムは、生きてる人よりずっとずーっと優しいのだ。


 END.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ