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これが彼女の日課なら(百合。真面目×自由人)
ひとつ前のお話の、ミイさんサイド。
遠くで、アラームが鳴っている……。
「ぅ……」
意識が少し浮き上がったところで、その音が止まった。
「ミイさんは、まだ寝ててもいいですよ」
優しい声が降って来る。私を何処までも甘やかしたい、そんな響きで。
「んー……」
それに甘えて、また眠りの底へ潜ることにしたそのとき。
ちゅ。
と、柔らかな感触が頬に触れ、ついで頭を柔らかくひと撫でされた。
それから隣の気配は、静かに離れて行った。
「…………」
潜水を止めた意識は、中途半端なところで揺蕩っている。
(いつも、してるのかな)
だとしたら。
(うれしい……)
自分の口元が、ふにゃふにゃと緩んだ気がしたけれど、それが現実に反映されているかはわからなかった。
それでも、今のキスとひと撫でが現実だということだけは、しっかりとわかっていた。
END.




