君の笑顔が見たいわけ(百合? 義理の姉妹。姉視点)
一つ前のお話(https://ncode.syosetu.com/n9047lt/65/)の姉視点。これだけでも読めます。
「……はじめまして、鷺沢まりなです」
やー、初めて見たとき、ビビッ! と来たよね。あの仏頂面……この世は退屈で、ぜーんぶお見通しみたいな顔……を見た瞬間。
笑わせてぇ! って。
だって。
くりくりの癖毛は、おかーさん譲りの綺麗な焦げ茶。
すっと切れ長の眼も、これまた硝子玉みたいにきらきらした茶色で。
涼しげクールな可愛い子ちゃんって感じ。
そんなの、笑顔見たくなるじゃん。
絶対可愛いの、わかるんだもん。
そりゃあ見たくなるよね。
もともと私は、笑顔大好き人間というか、ほぼマニア。
人の笑った顔が好き過ぎて、ついついお道化が過ぎて、怒られちゃう。
だからまあ、張り切るよね。
「これめちゃ美味、食べてみてー」
「好きなもん教えてー。ちなみに私は今期このアニメとドラマが好き! おすすめ!」
「オススメの小説読んだ! 感動した! 続きちょうだい! ……え、無い!? あそこで終わっちゃうの、嘘でしょ!」
面倒くさそうな顔が、徐々に緩和していって。
「……同じ作者の違う作品なら、持ってますよ」
仕方無さそうな感じだけど、笑ってくれるようになった。
ほんの少し口の端を上げて。目元をちょびっと和らげて。
それだけでもう、こっちが蕩けちゃいそうなほどキュンと来る。凍った地面から、ぴょこんと小さな新芽が飛び出たみたい。可愛い。
でも。
「まーりな!」
もっと全力ハッピーなにこにこ笑顔も見たいから。
「あのさ~」
今日も今日とて、即席ねーちゃんは張り切っちゃうのだ。
END.




