四月二日は(百合。片想い)
『湊のこと、大好き♡』
ぴろん♪
あの子からのメッセージ。いつもの軽い愛の言葉。
私はため息を吐いた。
……こっちの気も知らないで。
お風呂上がりの身体が、冷えていく。
嘘。
見た瞬間、ちょっと体温が上がった。
どうせ、嘘だってわかってるのに。
『はいはい。誰にでも言うんじゃないよ』
『えー、ひどい! いつだって本気なのに』
『四月一日に言っても説得力ないねー。いつも無いけど』
『ほんとだ、四月一日だ今日』
笑のスタンプと共にそんな言葉が送られてくる。
ほらね。
やっぱり嘘じゃん。
わかってたから、大丈夫。……痛む胸を、ぽんぽんと叩いて宥める。
『でも、いつも本気で言ってるからさ!』
『はいはい』
そこで一度、返信が途絶え、私はもう寝ようと洗面所へ向かった。
そうして歯磨きを終え戻って来ると、通知のランプが光っている。
『本当に特別大好き。付き合いたいくらい』
また懲りずに、こいつは。
『エイプリルフール過ぎてるよ』
付き合ってられんと注意すれば。
『二日になるまで、待ったから』
そんな答えが返って来た。
……いやいや。いつも言ってるし。駄目。
『特別大好き。付き合いたい』
期待しちゃ。
『湊、知ってた? 四月二日は、本当のことしか言えない日だよ』
……ほんとうに?
「そんな日、あるのか?」
私は、何故だか零れた涙を拭いながら、震える指で『いいよ』と打った。
END.




