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『私』が出て来ても(百合。片想い)

「今度、古書のイベントがあるのだけど……一緒にどうですか?」

 彼女の好きな女を模して、余裕ぶってお誘いする。心臓? 実際はバックバクだ。

「い、行きます!」

 彼女は、真っ赤な顔で承諾してくれる。

 眼まで潤んで、本当に可愛い。

「ふふっ、良かった」

 当然みたいに微笑んでみせるけど、本当は心からホッとしていた。

「それで……」

「?」

「イベント会場の近くに、パフェの美味しい店があるのだけれど……」

「!」

 またも心音は大きく早く鳴っていく。

 だって『パフェを食べたい』は、私の欲望だから。

 いや、古書のイベントに行きたいも私の望みだけど、でもまだ『あのひと』も好きそうなのだ。

 しかし、甘いものは……どうなのだろう。

 イメージとして、合っているのか。不安でたまらない。

 そっと彼女の様子を窺う。

 彼女の顔が……ふわっと綻んだ。

「喜んで! 一緒に行きましょう!」

 私はホッとして、「嬉しい」と言った。

 その声に、喜びが滲み過ぎてやしないか、少し、心配になった。


 END.


『これは、ギャップ萌えに入るのか』(https://ncode.syosetu.com/n9047lt/31/)の『あのひと』を模している女の子の心中。

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