そういうところ、ほんともう(百合。クール系真顔女子×ダイナマイトマッスル高身長女子。高校時代)
文化祭が終わり、ほっと一息。
したのも束の間。
「伽羅~! 伽羅も今から打ち上げ行く?」
カラオケ行こー! とクラスの面子から声をかけられる。
「え~。どうしよっかなぁ」
「行こうよー! あれ歌ってよあれ!」
「どれだよ」
みんな、お祭り後でテンションが高い。
いいねえ楽しそう。私も楽しい。
と、言いたいところだが。
(行きたいんだけどねぇ……)
ずんっとお腹に痛みと重みがかかる。
……生理二日目。
お祭りテンションとお薬で持たすには、そろそろ限界だ。
(行きたくねぇなぁ~~~)
そんな私の葛藤に、ハイテンションのみんなが気付くわけもない。
「ね、行こうぜー!」
「そうねぇ……」
どう断ればいいか……回らぬ頭で何とか答えを出そうとした、そのとき。
私の前に、一つの影がスッと入って来た。
「悪い。私も伽羅も、家の用事があるんだわ」
「!」
大社だ。普通の顔で、ありもしないことをさらっと言う。
「え、何なに? 二人とも家の用事なの?」
「えっ、ついに結納とか!?」
「はいはい、そーそー」
わっと湧く同級生に適当な返事をしながら、大社が私の腕を掴んだ。
「大社……」
名前を呼ぶ。すると彼女は背伸びをしてこちらへ顔を寄せ、ひそりと言った。
「お前、調子悪いだろ。私も帰りたいし。話合わせろ」
……気付いてたんだ。
お祭り後の浮かれ気分の中。私の様子を見てくれていた。
胸がときめき、沈んだ心もふわりと浮かぶ。
「それじゃーお疲れ~」
「お疲れー! 末永くお倖せにー」
「結婚式呼んでね!」
「阿呆、結納は冗談だっつの」
クラスメイトと冗談を交わしながら、楽しい空気のまま教室を脱出できた。
感動。
すごいなあ、大社。恰好良すぎ。
あの冗談も、本当にしたくなっちゃうね。
「よし。じゃあ帰るか」
「大社」
「ん?」
「マジで結納する?」
「その前に挨拶だし、今日は普通に帰ろうぜ」
「おうとも」
END.




