↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
263/267

悪戯をしていい日、ではない(百合。真面目×自由人。馨×ミイ)

 ハロウィンが終わり、十一月に入った。

 部屋の至る所に飾っていたハロウィン飾り……おばけかぼちゃの置き物とか。コウモリと猫のモビールとか……を、馨《かおる》くんと二人で片していく。

「今年のハロウィンはドッキリだったねぇ」

 言いながら、私は丁寧にかぼちゃの置き物を箱へ入れた。

「それ、言うのは私の方だと思うんですが……。まさか帰ったら、ミイさんがマンボウの着ぐるみを着て倒れてるとは。本当に驚いたんですからね」

 モビールを外しながら「肝が冷えました」と馨くんが言う。

 そのあまりの真剣さに「ごめん」と改めて謝った。

「職場で教えてもらった歌が面白くて、やってみたくなったんだよね」

「トリックオアトリートの言葉無しでの悪戯はやめましょう。心臓が持ちません」

 ……本当は、血糊やおもちゃのナイフも使って、リアル路線にしようとしていたのだけど。それは秘密にしておこう。

 泣きそうな声で私に縋り付く馨くんを思い出し、猛省する。

「でも馨くん、トリックオアトリートって言うと、絶対お菓子出してくるじゃん」

「それはもちろん。ミイさんも用意してるじゃないですか」

「そらそう」

 悪戯はしたいが、されるのはちょっと。

「うーん。なかなか悪戯出来ないねぇ」

「悪戯して良い日ってわけでもないですからね?」

 馨くんが、モビールの入った箱を閉めながら突っ込んだ。

「まあ、今回みたいなのでなければ、悪戯もやぶさかではありません」

「馨くんって寛大だよね……悪戯しといて言う科白じゃないかもだけど」

 その箱を受け取り、透明なお片付けボックスにしまう。

「ミイさんが楽しければ、それが一番なので」

 馨くんが、にっこりと綺麗な笑顔で言った。

 本気の目だ。

 私は、うん、と心の中で頷く。

「……。二人とも楽しい方がいっか」

 こんなに私の楽しみを優先してくれる人を、怖がらせるような真似は本当にいけない。

 猛省に猛省を重ねた。

「ミイさん?」

「ううん。何でも無い」

 とりあえず、心臓に悪そうな悪戯は今後しない。

 後で「面白かったね」と二人で言える悪戯について、もっと考えよう。

 そう決めて、お片付けボックスの蓋を閉めた。

「クリスマス飾り、何か新しいの付け足しますか?」

 そんな誓いは露知らず、彼女は楽しそうに次の行事について話を向けた。


 END.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。