254/263
綺麗な一瞬(百合。先輩×後輩。有田×白山。第三者視点)
「……」
たまに来るお客さんが居る。
待ち合わせでうちの喫茶店を使ってくれる女性。
長い綺麗な黒髪が、白い肌によく映える。ちょっとクールそうな人。
窓際に座って、本を読んだり、スマホを見たり、その時々でやっていることは変わるけど(この何を見ているときでも、何処か冷めた眼差しをしているのがクールに映るのかも知れない)、いつも『その人』を待っている。
カランカラン
扉が開いて、ドアベルが鳴る。彼女が顔を上げる。
「ハク!」
と待ち人が声を掛ける直前。
彼女の目元がふわりと綻び、唇が微かに上がる。……ほんの、一瞬だけ。
その瞬間を見るのが、とても好きなのだ。
END.




