制服という名の『お揃い』を(百合。片想い。有田×白山←後輩ちゃん)
うっすら一つ前の話の後日談。
『ご、ご卒業、おめでとうございます……っ!』
『……ありがとう』
まだ空は冬の蒼で、あなたの吐く息は白かった。
冷たい風にふわりとあなたのスカートが靡く。
私とお揃いの服を着たあなたを見られるのは、これで最後なんだ。そう思うと、哀しくて。悲しくて。
別に好きでもない制服が、こんなにも切なく愛おしいと思ったことは、無かった。
※
「久しぶりー!」
「久しぶり」
「有田パイセンとハク先輩だー!」
「お久しぶりでーす!」
そう思っていたのに。
まさか、白山先輩が制服でここに戻って来るなんて。
「すごーい、白山先輩まで制服だー」
「有田先輩ぐっじょぶー」
「だっろぉ?」
「……はあ」
きゃっきゃっと群がる後輩にため息を吐き、微かに笑う白山先輩は、去年と何ら変わらない。
綺麗で、何処か壁があって、でも。
「……烏丸」
「先輩」
群れから外れた私に気が付いて、白山先輩が声をかけてくれた。別に気遣いでも何でもない。ただ視線をやったら居た。居たから、声をかけた。
それ以上でも以下でもない。だけど。
「お似合いですね」
「まあ、卒業してまだ一年も経って無いしね」
それが、嬉しい。それが、私たちの距離だから。
「あ、先輩。この新作チョコもう食べました?」
「まだ」
「一個どーぞ」
「ありがと」
「お、ハクいいの貰ってんねー」
「あ、すみません。さっきのでラスいちです」
「ざんねーん」
──だからと言って、有田さんと白山先輩の近さに納得しているかと言えば、まったくそんなことは無いのだが。
そんなある日の昼下がり。
END.




