雨の日、たまにはこういう日があってもいい(同棲百合。恋人と姪っ子と三人暮らし。櫻子×美雨。今回姪っ子ちゃん出番無し)
まだ辺りが薄暗い、朝。
「……」
「……」
ベッドに二人並んで、ぼんやりと天井を眺めていた。
つい先ほどまで、声を殺して『ワンラウンド』盛り上がったところだ。
会話もせず、二人でただただぼーっと天井を見上げ続ける。
そのうち、あることに気が付いた。
「……雨、降ってるな」
「マジで? 気が付かなかったわ」
美雨の言う通り、雨音はサアサアと静かなもので。こうしてぼうっとでもしていないと、聞き落としてしまいそうだった。
「ふふっ、朝から『お盛ん』だったからかな。いいね」
くすくすと笑う彼女の横顔を、じっと眺める。
雨の日のこいつは、顔に残る火傷痕含め、何かと不調を感じやすい。
手を伸ばし、その頬に触れた。
「……だるくないか?」
美雨は、きょとんとしたあと、にっこり笑う。
「ぜーんぜん♡」
明るい声でそう言うと、更に私の方へにじり寄って来た。
「さーたんのお蔭だね」
ぴたっとくっついてくる身体を、抱き締めてやる。
「ただ、眠くなって来たかも。二度寝したい」
すりすりと自分に懐く美雨に、自然と笑いが零れた。
「……小牧が起きるまでなら」
「りょーかーい」
眠たげな声は、すぐさま寝息へと変わる。……先ほどの運動の所為か。雨の所為か。はたまた両方か。……まあ、どちらでもいい。
彼女が、気持ちよく眠れるのなら。
私は、枕元に置いたスマホを引き寄せつつ、耳をそばだてた。
小牧が、自分の部屋のドアを開けたら、すぐ気が付けるように。美雨を起こして、二人であの子に「おはよう」と言えるように。
そうしてしばらく、家の中の音と、雨音に聞き入っていた。
こんな朝も、悪くなかった。
END.




