↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
244/246

雨の日、たまにはこういう日があってもいい(同棲百合。恋人と姪っ子と三人暮らし。櫻子×美雨。今回姪っ子ちゃん出番無し)

 まだ辺りが薄暗い、朝。

「……」

「……」

 ベッドに二人並んで、ぼんやりと天井を眺めていた。

 つい先ほどまで、声を殺して『ワンラウンド』盛り上がったところだ。

 会話もせず、二人でただただぼーっと天井を見上げ続ける。

 そのうち、あることに気が付いた。

「……雨、降ってるな」

「マジで? 気が付かなかったわ」

 美雨の言う通り、雨音はサアサアと静かなもので。こうしてぼうっとでもしていないと、聞き落としてしまいそうだった。

「ふふっ、朝から『お盛ん』だったからかな。いいね」

 くすくすと笑う彼女の横顔を、じっと眺める。

 雨の日のこいつは、顔に残る火傷痕含め、何かと不調を感じやすい。

 手を伸ばし、その頬に触れた。

「……だるくないか?」

 美雨は、きょとんとしたあと、にっこり笑う。

「ぜーんぜん♡」

 明るい声でそう言うと、更に私の方へにじり寄って来た。

「さーたんのお蔭だね」

 ぴたっとくっついてくる身体を、抱き締めてやる。

「ただ、眠くなって来たかも。二度寝したい」

 すりすりと自分に懐く美雨に、自然と笑いが零れた。

「……小牧が起きるまでなら」

「りょーかーい」

 眠たげな声は、すぐさま寝息へと変わる。……先ほどの運動の所為か。雨の所為か。はたまた両方か。……まあ、どちらでもいい。

 彼女が、気持ちよく眠れるのなら。

 私は、枕元に置いたスマホを引き寄せつつ、耳をそばだてた。

 小牧が、自分の部屋のドアを開けたら、すぐ気が付けるように。美雨を起こして、二人であの子に「おはよう」と言えるように。

 そうしてしばらく、家の中の音と、雨音に聞き入っていた。

 こんな朝も、悪くなかった。


 END.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。