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百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


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抑えられない嬉しさが可愛い(百合。真面目×自由人。馨×ミイ)

 出かける前の身支度中。時間があったので、ふと思い付いて馨《かおる》くんにお化粧をしてあげることにした。

 今、私の前には、ヘアバンドで髪を上げ目を瞑って、準備万端の馨くんが座っている。

 その顔……いや、全身から、

 ──ミイさんがお化粧してくれる! 嬉しい!!!

 という声が聞こえてきそうだ。そわそわと落ち着かないし、口角も上がらないよう我慢しているらしく、ぴくぴくと引き攣っている。

「……はーい、落ち着いてねー。身体から力抜いてねー」

「はい!」

 身体のそわそわは、少しおさまった。

「もういっそ笑っちゃってもいいから、顔に力入れないでねー」

「はい!」

 返事は気持ち良いが、上がりかけ状態の口角はそのまま。真顔になろうとする努力は続けたいみたい。

(……可愛い)

 私は、うきうきとわくわくを隠せない恋人に、思わず一つキスを送った。


 END.


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