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百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


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あなたのその言葉は(百合。幼馴染同士女子高生。朝子×星音)

 朝。今日は、いつもより少しうきうきした気持ちで、

「おはよう」

 迎えに来てくれた朝子に声をかけた。

「……おはよう」

 彼女は、じっと私の頭の方を……編み込みを見つめている。

 変化に気付いてくれたのが嬉しい八割。

「昨日、動画見てやってみたんだ」

 似合ってるか不安なのが、二割。

「ふぅん……」

 ドキドキと反応を待っていたら。

 ぽん、と。彼女の手が、私の頭に柔らかに置かれた。

「いいんじゃないの」

 朝子が、ぽつりと呟いた。一見、興味なさげに。

 けれど。

 彼女の『反応』に気が付き、私は思わず、ふふっと笑いを零した。そんな私に何を言うでもなく、朝子は歩き出し、私もその横に並ぶ。

「朝子もやってみる?」

「やらない」

 ──朝子の『悪くない』は、『いいと思う』で。

「即答だなぁ」

「お前だから良いんだよ」

「……そう」

 ──『いいんじゃない』は『可愛い』だ。

 なんて、そうだといいな、くらいだけど。

 また一つぽんと頭に乗せられた手が優しくて。頬が熱くなるのを感じつつ、そう思った。


 ……しかし、良い反応だったことは嬉しかったものの。

 今日一日は、頭を撫でられることがなく、ぽんと手を置かれるだけだった。

(……気遣ってくれるのありがたいけど、撫でられないのは寂しいかも)

 そんなことを思ってしまった自分に、贅沢になったなと苦笑した。


 END.


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