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百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


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貴女が喜ぶと思うと(百合。真面目×自由人。馨×ミイ)

「あ」

 スーパーや、ふらっと寄った食料品の店で。

「半田麵《はんだめん》だ」

 半田麺を見かけると嬉しくなる。

 つるつるとした、太めの素麺みたいな美味しい麺。

 思わず手に取り、いま買おうか悩む。

 他にも、稲庭うどんや氷見うどんを見かけても、同じように胸が弾む。

「この間、お鍋で全部使っちゃったし。買っちゃお」

 ぽん、と買い物かごに入れて「よし」と一人頷いた。満足。

 ……半田麺は好きだけど、大好物ではない。

 これが大好きなのは。

「馨くん、喜ぶな」

 恋人の方。

 彼女の好物を見かけて嬉しくなるのは、お得な気持ちがして好きだ。

 自分の好きなものと合わせたら、おおよそ二倍、心踊る瞬間があるということだから。

「楽しみ」

 足取り軽く、レジへ向かう。

 会計を済ませたら、さっと家に帰ろう。

 早く彼女に会いたかった。


 END.


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