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百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


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日は高いが、彼女のスイッチは押されてしまった(百合。クール系真顔女子×ダイナマイトマッスルボディ高身長女子)


 ──普段、あまりベタベタと触れて来ない大社《おおこそ》が、まるで何かのスイッチが入ったかのように、こちらに触れて来るときがある。


 真昼のリビングで。

 熱い手が頬に触れ、キスを迫られる。

 もちろん私は喜んで受け入れた。

 ちゅ、ちゅ、と軽い触れ合いから、だんだんと水音のするものへと変わっていく。

 頬を包んでいた手が、身体の方へと下りていく。

 右手が首筋を覆い、もう片方の手が腰のラインを行き来した。

 息が上がる。

 キスの合間に見やれば、爛々と輝く眼が私を見ていた。

 ニヤリと鋭く上がる口角に、何かが背筋を駆け上がる。

 それは怯えか。期待か。その両方か。あるいは。

「お前のその顔、いいな。やっぱ好き」

「……どんな顔」

「物欲しそうな顔」

 彼女のニヤニヤ顔が愛しいやら、憎たらしいやら。

「そっちこそ」

「だろうね」

 自覚有りかよ。

 いや、そりゃ有るか。迫って来た本人だ。

「夜は、出前で良い?」

「良いよ」

 寝室に連れて行かれるかと思ったけど、そのままソファーに押し倒された。

 夜は遠く、けれど多分、今日は日の光を浴びられそうにない。

 それでも全然、構わなかった。

 彼女のスイッチが入るとき。

 私はその瞬間を愛しているのだ。


 END.


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