↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
200/243

貴女の予定に入っていることが(百合。真面目×自由人)

 ご飯のあと。洗い物を終えてリビングに戻ると、ミイさんが鼻歌を口遊《くちずさ》みながらスマホを見ていた。

「ミイさん、ご機嫌ですね?」

「うん」

 洗い物ついでに入れた番茶を差し出せば、彼女が笑顔で「ありがとう」と受け取る。にこっと目を細め、ニカッと口が弧を描くその笑みは、本当に可愛い。

 隣に腰掛けつつ、その笑顔をしっかりと堪能した。

「十二月まで、行きたい展覧会が目白押しだから」

「なるほど」

「こうしてカレンダーにメモっとかないと。行きそびれたら大変」

「そうですね」

 少し覗き見れば、カレンダーにたくさん印が付いている。恐らく展示の始まりから終わりまでをチェックしてあるのだろう。

 印の色も複数あることから、言葉通り行きたい展覧会が多くあるのがわかった。

 ──そのうちいくつに自分は誘われるのか。他の人とも行くのだろうか。

 などとつい考えてしまい、内心で苦笑する。

 いけないいけない。独占欲が出て来た。

 ミイさんには、常に好きにして欲しいのだ。

 だからこんな欲は、胸の奥にひっそりとしまい直そう。

 番茶と共に欲を飲み下していたら、パッと彼女がこちらを見た。

「メッセ送るから、興味あるやつ教えて。一緒に行こう」

「!」

 ミイさんは、相変わらず楽しそうに目を細めたまま。

 その笑顔と『一緒』の言葉に、胸がキュンと甘く鳴った。

「はい!」

 選択を私にも委ねてくれる。貴女のその心遣いが、私はとても嬉しい。きっと、貴女は知らないでしょう。

「壁掛けカレンダーの方にも書いときましょうか」

「いいね。毎日見るから覚えとける」

「予定合わせるのもしやすいですしね」

 ふふっとミイさんが笑う。

「楽しみだねぇ」

 それはきっと、展覧会の内容についてが殆どだろうけど。

「はい、とても」

 『私と』行くことに対しても何割かはあるのではないかと、自惚れたことをほんの少し、思ってしまった。


 END.



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。