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百花繚乱~一日一作短編集~  作者: 飛鳥井 作太


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君が安心できるまで(百合。クール系真顔女子×ダイナマイトマッスルボディ高身長女子)

「大社《おおこそ》、ぎゅってして」

 仕事から帰ったら、ソファーで伽羅《きゃら》が項垂《うなだ》れていた。

 近付いて声をかけた瞬間、彼女がそう言った。

 弱弱しく、私の服の裾を摘まんで。

 私は黙って彼女の前に立ち、そのまま頭を包み込むようにして抱き締めてやる。

 熱いくらいの温もり。固いようで柔らかな感触。

 女性にしては大柄なその身体が、今日はいやに小さく見えた。

 伽羅の腕が私の腰に巻かれ、ぎゅっと抱き締め返される。

 筋力に比例して、彼女の力は強い。

 だからいつもは、そこまで強く抱き締め返して来ないが、今日はそこそこ強い力で返って来た。

(これは)

 ぽんぽんと頭を撫でてやる。

(相当参ってるな)

 仕事でミスをしたのか。

 あるいは何か言われたか。

 それとも、もっと別の嫌なことがあったのか。

 まだわからないし、これから彼女が語るかもわからない。

 それでも良い。

 何かわかろうが、わかるまいが、関係無い。

「……よしよし」

 私はただ、彼女を強く抱き締め、その頭を撫でるだけ。

 そして伽羅が抱き着きたいだけ、抱き着かせる。

 キスが欲しいなら、いくらでもキスをする。

 私はここに居る。お前の一番近くにずっと居るから。

 それを伝えるよう何度も。満足するまで。

 そうして、彼女を安心させるのが、私の大事な役目で、この世で私以外、誰にも出来ないことなのだ。


 END.


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