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気怠い甘えを(百合。僕っ娘先輩×私っ娘後輩。有田×白山。成人済)

 風呂上り。台所の冷蔵庫を覗き込む。もはや日課だ。そして、リビングのソファーでゲームをしている白山に問いかける。彼女は、すでに僕より先にシャワーを浴びていた。

「ハク~。アイス食べる~?」

「何があるんですかー?」

 ちら、とそちらを見れば、奴はゲーム画面から一切視線を動かしていなかった。

 部屋主ぼくよりずっと、寛いでいる。

「えっとねー。チョコとみかん。どっちも棒アイス」

「うーん。……チョコで」

「わかったー。じゃあ僕はみかんにしよーっと」

 バムッと冷凍庫を強く閉めた。その上で更に押して、閉まってるか確認。とても大事な作業だ。

 前に一度、白山が冷凍庫閉め忘れ事件を起こしている。その悲しい末路を見ているので、確認は怠らない。それはさておき。

「お、そのゲーム知ってる。最近それの配信動画めっちゃ見かけるわ」

「そうです。……ネタバレ見てないので、しないで下さいね」

「しないよー」

 まったくこちらを見ない白山に、僕は仕方ないなあと苦笑する。

 彼女の代わりに封を開け、チョコアイスを差し出した。すると彼女の口が、ぱくっと棒アイスにかぶりつく。

 指が重なり、ちゃんと彼女が持ったことを確認してから、そっと手を放した。

「無精過ぎ」

「夏なので」

 そう言いながら、彼女は隣に座った僕にもたれて来た。

 どうせすぐに「暑い」と文句を言って、離れるのだろうけど。

「夏なら、しゃーないか」

 夏の気怠さが引き出す彼女の甘えを、僕はいつでも少し得意げな気持ちで受け止める。

 「しょうがない」という体は崩さずに。

 こうして僕らの夏が、今年も甘く気怠く過ぎていく。


 END.


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