通り雨の欲情(百合。真顔系クール女子×ダイナマイトマッスルボディ高身長女子。同棲中)
風呂上り。
あまりに暑かったので、下着の上にブラトップで部屋をうろついていたら。
「伽羅」
大社に真顔の声で呼ばれた。
……基本、顔は真顔なことが多い大社だけど、声音は結構バリエーションがある。そんな中での真顔声。
やっべ、何かしたっけ。でも怒った声では無いんだよなぁ。
「な~に~?」
わからないので、素直に彼女の元へ向かう。
目の前まで行ったところで、大社の手がこちらへスッと伸ばされて。
「? んっ、ンンッ!?」
私の後頭部を押さえたそれが、彼女の方に私を引き寄せ、唇と唇が重ねられた。
ぐいと引き寄せられた割に、キスは優しかった。
ちゅっと一つ。それから舌を入れて、深めのキス。それも貪るようなものではない。
ただ口内を舌で愛でている。そんな感じの動き。
ぞくりと背筋に甘い震えが走った。
身体の震えを感じたのか、彼女の手が、ブラトップ越しに私の腹筋の線を丁寧になぞっていく。より震えが増していく。
「ん、おお、こそ……」
キスの合間に呼べば、あっさりと大社は離れていった。
安心したような。何だか寂しいような。複雑な気持ち。
「そんな無防備な格好でうろつかない」
「……なぁに、興奮したの?」
「ムラッとはした」
「興奮とどう違うの」
「ニュアンス」
「ニュアンスかぁ」
ほら短パンくらい履け、と言って彼女が私の太腿をパチンと叩く。その手からは、さっきまでの熱はすっかり抜けていた。
「切り替え早ぁ」
「残念?」
「んー、ちょい悔しいけど残念ではないくらい?」
「どっちだよ」
「まあニュアンス」
「ニュアンスね」
アイス食べるか、と言う大社に、私は、賛成! と笑った。
END.




