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貴女の心の拠り所(歳の差百合。年上×年下。どちらも成人済)
「芽瑠ちゃん」
桐子さんが私を呼んだ。小首を傾げ、少しだけ困ったように眉を下げて微笑んで。
「ハグ、してもいい?」
小さな声で、そう問うた。
私が聞き逃したら、きっとそのまま無かったことにするのだろう。
「もちろんです」
だから私は、ちゃんと聞こえていたことを示すよう両腕を広げた。
桐子さんの目元が、柔らかく綻ぶ。
ありがとう、の声と共に、彼女の腕が私を躊躇なく引き寄せ、抱き締めた。
ぎゅっと強く。決して離れないというように。
その強さに、私は安堵する。
時折ある、こういう夜。
桐子さんが、支えを欲するように私を抱き締める夜。
彼女の、安心や温もりを求める先が自分であることに、私はいつだって喜びを覚えた。
「……ごめんね。もう少しだけ」
「構いません。……いくらでも」
貴女の心の拠り所になれるなら、本当に。
「好きなだけ、抱き締めていて下さい」
それに勝る喜びは、無いのだから。
END.




