日焼け止めが夜を呼ぶ(百合。真顔系クール女子×ダイナマイトマッスルボディ高身長女子)
「あー、日焼け止め塗るのめんどくせー」
メイクは何だかんだ、新しいのを試したりして楽しいんだけど。
私は、使ったメイク道具をしまいながらため息を吐いた。
「メイクの延長でやればいいだろ」
すでに準備万端の大社が言う。
私はリビングで、大社は洗面所でメイクをする。それぞれの、昔からの癖。
「そうなんだけどー。今日は何かそのままメイクに集中しちゃった」
「そういう日もあるか」
今日は大社リクエストの、ノースリーブにショートパンツだから、塗る範囲が広い。
「めんどくせー……」
いざ日焼け止めを手にしたものの、面倒くさい気持ちがスライムのようにへばりついて、私の手が思うように動かない。
「仕方ないな。塗ってやろうか」
「え? マジ? さんきゅー」
その提案で、スライムは滅された。手足が動く。やったぁ。
大社に日焼け止めを渡す。
「これ、伽羅的にどうなん? 効く?」
「べたつかなくていいよ。あんまり焼けてる気しないから、効いてんじゃない?」
「確かに」
彼女はまず、私の腕に日焼け止めクリームを出した。
それを、丁寧に塗り広げていく。
……本当に、丁寧に。五本の指が、私の肌を、筋肉を味わうように滑っていく。
「………………」
何というか。背中に、ぞくりと来るような。来ないような。
いやいや、気にするな。
「腕はこんなもんでいいか。首は?」
「し、した。メイクのときに」
「じゃ、脚か」
同じように、脚にもクリームが出される。
ぬるぬる、ぬめぬめと、それは丁寧に押し広げられ……。
「大社」
「んー?」
「触り方……っ」
つぅ、と腓骨筋を辿る動きに、ぴくりと震える。
こちらを見上げた大社が、片頬を上げた。
「……夜に、ね」
「ッ!」
こいつめ、と睨みつけても、どこ吹く風で笑ってやがる。
夜になったら覚えてろお預けしてやるという気持ちと、夜を期待し待ち侘びる気持ちとが、ない交ぜになって私を甘く攻めている。
END.




