ときめきとムラムラの間(百合。真顔系クール女子×ダイナマイトマッスルボディ高身長女子)
夜。お風呂も済んで、ソファーでゆっくりソシャゲのデイリーをこなしているときだった。
「大社」
くい、と。
お風呂上がりの伽羅にTシャツの袖を軽く引っ張られた。
「んー?」
リズムゲーをやっている最中であれば叱り必至の行為だが、もちろん今やってるものは違う。そのへん伽羅もしっかりとわかっている。
「どした?」
ちら、と彼女の方へ視線をやった。
眉を下げ、目を伏せている伽羅の様子に、胸がドキリと跳ねる。
こいつは憂いを帯びた表情をしていると、妙に色気があるのだ。
今着ているTシャツが、薄手であるのもまたいけない。割れた腹筋がうっすらと透けて見え、いやらしい。こちとら、あの筋に丁寧に手を這わせたら彼女がどう反応するか、ばっちり憶えているのだ。
「あの、ね。ちょっとだけでいいんだけど」
こてん、と小首を傾げる様はあざといほどに愛らしいが、この感じはわざとじゃない。わざとじゃないからこそ、キュンと疼くものがある。
「膝枕、貸して……?」
つん、と膝をつつくのがまたいじらしい子どものようでグッとくる。
普段おどけで甘えて来るときよりも、ちょっと控えめなところが狡いのだ。
「……いいよ」
「やった」
小さく、でも心から嬉しそうに笑う顔が、たまらなく可愛い。
さっそく私の膝に頭を乗せ、寝転ぶ姿はまるで人懐こい猫のよう。
つい、顎の下を触ってしまった。
「ふふ、くすぐったい」
そう言いながら、伽羅は目を閉じた。
「十分だけ、寝かせてね」
「ん」
何かあったのかも知れないが。
何も言わないなら、今は聞かないでおく。
無防備に甘えたい気持ちを、ただ尊重する。
(けど、マジで可愛いな、こいつ)
欲のままに触れたい気持ちが、腹の底から湧いて来た。
しかし、無防備な子どもタイムを脅かすほど私も阿呆ではない。
ときめきとムラムラの間のような気持ちは、とりあえず開いたパズルゲームで、どうにか昇華しようと試みる。
END.




